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20210523_政策セミナー高齢者支援(国会図書館調査)リビングラボ等.pptx
20210523_政策セミナー高齢者支援(国会図書館調査)リビングラボ等.pptx
kimuraatsunobu
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20210523_政策セミナー高齢者支援(国会図書館調査)リビングラボ等.pptx
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Sep 16, 2025
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高齢者を支える技術と社会的課題 -科学技術に関する調査プロジェクト2020- 令和3年5月2 5 日(火)16:00– 17 :00 菅原育子・二瓶美里・畑中綾子 檜山敦・土屋裕子・小舘尚文・木村篤信 国立国会図書館 政策セミナー
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高齢者を支える技術と社会的課題 1 多様なニーズを抱えた「高齢者」の暮らしを支える技術の最新動向は? 技術はどこまで受け入れられている?どんな場面で役立っている? これから期待される技術とは? 高齢者を支える技術をめぐる、倫理的・法的・社会的課題とは? 課題を乗り越えるために、政策に期待される役割は? @Ikuko Sugawara
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報告書の構成 2 高齢者を支援する技術の歴史 今、どんな機器・技術がどのくらい使われている? 支援すべき高齢者の暮らしとは? 高齢者を支援する技術の最新動向は? 機能の補助・維持から、生活の質の改善・向上、さらには機能を拡張する技術へ 技術の開発、導入、普及における法的課題:安全性・信頼性 倫理的課題:自己決定、プライバシー、開発・研究倫理等 技術の社会的受容に関する社会的・文化的・政策的課題 介護ロボットの普及を促進・阻害する要因は?普及するために求められる取り組みは? リビングラボ=共創により新しい価値を生み出す方法論 日本でリビングラボが本当に機能し、超高齢社会を拓くには? 高齢者を支える技術をめぐる6つの課題と政策オプション 第1章 第2章 第3章 第4章 第5章 第6章 @Ikuko Sugawara
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本セミナーの構成 はじめに (菅原育子) [第1部] 第1章 高齢者の暮らしを支える技術の現状と社会的要請 第2章 高齢者の暮らしを支える技術の最新動向 (二瓶美里) [第2部] 第3章 生活支援技術の開発・導入・普及における法的・倫理的課題 第4章 生活支援技術の受容をめぐる社会・文化・政策的課題 (畑中綾子) [第3部] 第5章 リビングラボの可能性と日本における構造的課題 第6章 課題のまとめと今後の政策オプション (菅原育子) 3 @Ikuko Sugawara
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高齢者を支える技術と社会的課題 -第1章 高齢者の暮らしを支える技術の現状と社会的要請- -第2章 高齢者の暮らしを支える技術の最新動向- 令和3年5月2 5 日(火) 二瓶美里( 東京大学大学院新領域創成科学研究科人間環境学専攻 准教授 )菅原育子(東京大学未来ビジョン研究センター 客員研究員 / 西武文理大学サービス経営学部 准教授) 檜山 敦(東京大学先端科学技術研究センター 特任准教授) 国立国会図書館 政策セミナー [第1部] 4
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はじめに 1-1 「高齢者の暮らしを支える技術」の定義 1-2 福祉機器・支援技術等の歴史的変遷の俯瞰 1-3 支援機器の利用実態-調査データより 1-4 高齢者の生活状況や暮らしに求められる要件の変化・これからの社会的変化や世代変化 1-5 「高齢者の暮らしを支える技術」に求められる要件 5 [第1章] 高齢者の暮らしを支える技術の現状と社会的要請 東京大学大学院新領域創成科学研究科 二瓶美里 東京大学未来ビジョン研究センター / 高齢社会総合研究機構 菅原育子 @ Misato Nihei
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1-1 「高齢者の暮らしを支える技術」の定義 介護保険制度による福祉用具貸与サービス 施設での介護におけるロボット技術の応用 病院解決型から地域完結型へ:在宅医療・在宅介護の充実、地域での包括ケアシステム 6 第 1 章 高齢者の暮らしを支える技術の現状と社会的要請 介護保険制度における福祉用具だけではなく、先端技術を含めた製品やソフトウェアも包含した技術としてとらえ、高齢者が健康で文化的かつ豊かな生活を営むことを支援する、高齢者あるいは関与者(家族や介助者)を支援するための製品(ソフトウェアも含む) 在宅 での自立を促進する技術(施設で用いる機器とは異なり、共用ではなく個人で購入し、個人が利用する) Issue Brief 2020-6号, 1-3 @ Misato Nihei
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1-2 人を支援する技術に関する歴史的変遷 7 人を支援する機器やその設計思想は、社会思想や理念などの社会背景とともに大きく変化 Issue Brief 2020-6号, 3-5 補填的な技術支援 障がい者が平等に生きる機会を得るための機器 障がい者が平等に生きることは極めて普通のことであることを表す機器 平等というのであれば、特別なものではなく、誰にでも使えることを前提とした機器 第 1 章 高齢者の暮らしを支える技術の現状と社会的要請 @ Misato Nihei
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1-3 支援機器の利用実態-調査データより 8 Issue Brief 2020-6号, 7-13 高齢者の支援機器使用に関する欧州5か国比較調査 5か国合わせて65%の人々が1つ以上の支援機器を使用 使用率は国によって異なる 支援ニーズが満たされていない状況の国が存在する 社会制度(経済的支援・専門人材の配置などが関係) 100歳高齢者の支援機器使用に関する国際比較調査 日本・フランス・スイス・スウェーデン・デンマーク 北欧2国は支援機器の使用率が高く、日本は低い 文化・保険制度、支援制度・身体機能・医療的診断の違い 在宅生活者6.3%、施設生活者(寝たきり)14.3% 日本においては、外出の際につえや歩行器よりも車いすの利用が多い 入れ歯・手すり・介護別途の使用率は日本の在宅生活者が最も高い 医療制度や介護保険制度が深く関わる 地域に暮らす高齢者の支援機器利用の実態 第 1 章 高齢者の暮らしを支える技術の現状と社会的要請 @ Ikuko Sugawara
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9 第 1 章 高齢者の暮らしを支える技術の現状と社会的要請 Issue Brief 2020-6号, 7-13 在宅で生活をする日本の超高齢者の支援機器使用 97.3%以上が1つ以上の支援機器を使用 千葉県柏市の90歳以上の住民を対象とした考査における要支援・要介護別に見た機器の使用率 見る、聞く、移動、寝るを支援する機器 記憶やコミュニケーションを助ける機器 支援機器の利用実態に関与する社会的要因と課題 普及を阻む理由:機器やサービスが高齢者の暮らしの困りごとの解決に活用できるという認識や実例が共有されていないこと 高齢者やその家族、支援者に対する、技術や機器の導入及び仕様を支援する情報プラットフォームや、使用を支援する人的体制など、複合的な仕組みが必要 1-3 支援機器の利用実態-調査データより 地域に暮らす高齢者の支援機器利用の実態 @ Ikuko Sugawara
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1-4 高齢者の暮らしとニーズの変化 10 第 1 章 高齢者の暮らしを支える技術の現状と社会的要請 Issue Brief 2020-6号, 13-19 年齢や 障がいに 関わらず誰もが仕事や趣味、学びの活動に参加し、社会に関わることを推し進める流れは、一層強くなる 90歳や100歳を超えて独居または高齢者のみで地域での暮らしを営む人は増加し、人生後半期の代表的なライフスタイルの一つになる。 支援が必要になる前から親しみなれた、暮らしを便利・豊かにする技術や機器は、その延長で人々の暮らしを支えるパートナーとして選ばれる 高齢者が自らの選択で技術やサービスを取り入れながら何歳までも自分らしく暮らすことを望む声は今後さらに増加する @ Ikuko Sugawara
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はじめに 2-1 高齢者の暮らしを支える技術の動向 2-2 生活を支援・拡張する情報技術 2-3 高齢者の暮らしを支える技術のこれからの課題 11 [第2章] 高齢者の暮らしを支える技術の最新動向 @ Misato Nihei 東京大学大学院新領域創成科学研究科 二瓶美里 東京大学先端科学技術研究センター 檜山 敦
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2-1 高齢者の暮らしを支える技術の動向 支援機器の開発に関わる評価と評価指標 12 第 2 章 高齢者の暮らしを支える技術の最新動向 評価の対象が、「機器そのもの」から「機器の使いやすさ」から「機器を使用することによる効果」へと拡大 Issue Brief 2020-6号, 23-26 製品化の過程におけるユーザ等による評価結果のフィードバック JIS・SG基準・QAP基準 関連:TSマーク(道路交通法)・PL法(製造物責任法)・PSEマーク(電気用品安全法)・消費生活用品安全法 @ Misato Nihei
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2-1 高齢者の暮らしを支える技術の動向 第 2 章 高齢者の暮らしを支える技術の最新動向 Issue Brief 2020-6号, 23-26 パワーアシスト技術 電動車いすの自動走行・遠隔操作技術 コミュニケーションロボット 認知症者のための支援技術 @ Misato Nihei 13
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2-2 生活を支援・拡張する情報技術 14 第 2 章 高齢者の暮らしを支える技術の最新動向 Issue Brief 2020-6 号 , 33-38 高齢期における活動ステージの変化と支援・拡張するICT アクティブ期 フレイル期 エンディング期 社会参加・就労を活性化する 情報プラットフォーム 運動計測・VR トレーニング VRセラピー デジタル葬送 @ Atsushi Hiyama
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2-2 生活を支援・拡張する情報技術 15 第 2 章 高齢者の暮らしを支える技術の最新動向 Issue Brief 2020-6 号 , 33-38 パンデミック下でも高齢者に安心安全を提供できるICT アバターロボット @ Atsushi Hiyama
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2-3 高齢者の暮らしを支える技術のこれからの課題 介護保険制度で用いられるこれからの福祉用具 ネット販売等における安全性の保障 消費者に不利益がない仕組み 現行の制度を今後も維持していくこと 産業としての高齢者の暮らしを支援する技術について 国内と海外での扱い(福祉機器・医療機器)、規格の違い 新規参入のしやすさ、輸出しやすさ 支援する機器を開発するための設計思想及び高齢者の選択肢 長寿命化による生き方の多様化 テクノロジーとの共存、生き方の選択肢 次世代技術についての課題 蓄積された情報を誰がどこまで活用するのか 本人が意思決定できなくなった時のデータの取り扱い 身体を開放して理想のアバター(ネット上の分身)で生きること、死後もオンライン上で生き続けることやその遺族との関わり 16 第 2 章 高齢者の暮らしを支える技術の最新動向 Issue Brief 2020-6号, 39-41 @ Misato Nihei
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高齢者を支える技術と社会的課題 -第 3 章 生活支援技術の開発・導入・普及における法的倫理的課題- -第 4 章 生活支援技術の受容をめぐる社会・文化・政策的課題- 令和3年5月25日(火) 畑中綾子(尚美学園大学総合政策学部 准教授) 土屋裕子(立教大学法学部 兼任講師) 小舘尚文(アイルランド国立大学ダブリン校 准教授) 国立国会図書館 政策セミナー [第 2 部] 17
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第 2 部の構成 0.位置づけ 1.生活支援技術の開発・導入・副宇における法的倫理的課題 1-1 支援技術の安全性・信頼性の評価(畑中) 1-2 高齢者支援技術の倫理的課題(土屋) 1-3 支援技術の普及に向けた政策プロセスと課題解決(畑中) 2 . 生活支援技術の需要をめぐる社会・文化・政策的課題(小舘) 2-1 介護ロボットー日欧の違い 2-2 生活支援技術の社会実装に向けて ― 促進・阻害要因 2-3 日本の社会実装に向けた今後の取り組み 18
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報告書の中での位置づけ 新たな技術を社会に導入するにあたっては、技術導入による社会への影響を 様々な形で予見・ 評価し、備えておくことが必要となる。 (例)ゲノム研究、バイオテクノロジー、原子力 科学技術政策の中ではテクノロジーアセスメント、社会影響評価、 ELSI 、 責任ある研究・イノベーション RRI ( Responsible Research and Innovation )などのキーワードで取り上げられる。 19
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家庭医 , 急性期病院 & 地域包括ケア 一次的ケア関係 – 両親、子供、家族、身近な介護人など 環境 / インフラ ロボット・ AI 等で境界除去 【 生活支援機器 / 技術とケア 】 リハビリ、介護施設 コミュニティ施設 支援を必要 とする本人 我が家・自宅 ( Lynch et al., 2007, “Concentric circles of care relations” の「ケアの関係性」概念を応用し、小舘作成 ) 二次的ケア関係 – 友人、隣人、同僚、 かかりつけ医・介護士・看護師・理学療法士・作業療法士・ ソーシャルワーカーなど 三次的ケア関係 – 法的・社会システム から生まれる関係 ダッシュボード 緊急通報 法律・倫理 規制 市場 予防 感染対策 文化 20
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概要 現状機器の大きさ、費用、安全性等の観点から施設での導入が中心だが、小型化・低価格化により在宅介護への導入がありうる。 これら、見守り支援技術、コミュニケーション支援ロボットなどが広く、導入されるにあたって、重要なのは、 ( 1 )得られた情報の保護と利用 ( 2 )利用者のプライバシー保護と自己決定 ( 3 )日本のどこにいても技術の恩恵が受けられる土壌の整備 Ryoko.Hatanaka 21
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1 - 1 支援技術の安全性・信頼性の評価 日本は介護支援技術は福祉用具で、医療機器と異なり、薬事法上の適用対象となっていない。 安全性に関する認証制度は、業界規定 があるが、 国際展開 の ためには個々の企業努力が必要。 →他国と同様に医療機器と同じ扱いにするかは賛否両論 ( 福祉用具だからこそベンチャーの参入もあるし、国際展開したい企業は個別に企業内努力で対応しているから、国全体として決める必要はない、など ) 但し、国際競争力をもつためには、国際規格の基準策定過程に日本の人材や事業者らが参画することが必要。 Issue Brief 2020-6 号 , 45-49 頁 @ Ryoko.Hatanaka 22 第 3 章 生活支援技術の開発・導入・普及における法的倫理的課題
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1-2 高齢者支援技術の倫理的課題 1.自己決定 :生命倫理および高齢者福祉における最重要原則 ⇒しかし、あらゆる決定を高齢者の自己決定に委ねるのは非現実的。 ⇒第三者による決定がなされる際は、 高齢者自身の最善の利益 に基づいて決定されるべき。 2.プライバシー・個人情報:見守りシステムの利用に際しては、対象となる高齢者本人からの同意が必須 ⇒第三者が技術利用を決定する際、 取得される情報はあくまでも 高齢者本人の健康と安全の保護に必要となる範囲に留めるべき 。 ⇒取得される情報の保護と活用に関する制度設計も求められる。 23 @ Yuko.Tshuchiya Issue Brief 2020-6 号 , 49-52 頁 第 3 章 生活支援技術の開発・導入・普及における法的倫理的課題
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1-2 高齢者支援技術の倫理的課題(続き) 3.人間と技術との役割分担 :介護を技術が代替することにより、高齢者の孤独感、社会的孤立 をより深刻化させるおそれがある。 ⇒全てを技術で「代替」するのではなく、介護者が全人的な介護 を行うために 介護の一部を技術で「補完」するのが望ましい 。 4.研究・開発上の倫理 :コミュニケーションロボットの言動が高齢者の思考や行動に影響 を与える可能性がある。 ⇒ロボット開発者は、自らが 利用者の思考や言動までデザインし 得る存在である ことを常に認識する必要がある。 24 @ Yuko.Tshuchiya Issue Brief 2020-6 号 , 52-56 頁 第 3 章 生活支援技術の開発・導入・普及における法的倫理的課題
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1-2 高齢者支援技術の倫理的課題 ( 続き ) 5.実証試験における倫理審査 :介護ロボット等の支援機器の有効性を科学的に証明するためには、当事者(高齢者)を対象とした実証試験が不可欠となる。 ⇒実証試験の倫理性・安全性を担保するため、専門性を備えた倫理審査体制の整備が必須となる。 工学系では倫理審査委員会を置いていない大学もあり、医学系のような歴史的背景や横のつながりは十分ではない。ロボット技術や研究の発展に倫理審査体制が追いついていない可能性。 @Yuko Tshuchiya Issue Brief 2020-6 号 , 56 頁 25 第 3 章 生活支援技術の開発・導入・普及における法的倫理的課題
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1-3. 支援技術の普及に向けた政策プロセスと課題解決 1. インターネット通信環境の整備や普及 2. 情報の保護と利用に向けた法制度整備 GPS の位置情報がビッグデータとして利用されることで、道路環境の整備やまちづくりにむすびつくこと。見守りセンサーにより収集された行動パターン(起床時間、食事量や速度、運動量、会話量、娯楽活動)のデータが新たな研究開発に結びつくことや、心不全や高血圧と気温や天気との関係などの医学研究応用等へ 3. データポータビリティ 国や自治体、企業などがその目的に応じてデータ管理をするのではなく、個々人が自らのデータを管理し、必要な場に提供する考え方 @ Ryoko Hatanaka Issue Brief 2020-6 号 , 60-63 頁 26 第 3 章 生活支援技術の開発・導入・普及における法的倫理的課題
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コロナ禍を経て顕在化した課題 インターネット通信 環境を 全国的に整備しても 、高齢者層を中心にアクセスできない人も多く、高齢者にその使い方を伝え、わからないことや質問に丁寧に答える「人」による支援や、代行なども含めた「コーディネーター」のような存在が必要である。 @ Ryoko Hatanaka 27 第 3 章 生活支援技術の開発・導入・普及における法的倫理的課題
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2-1 介護ロボットー日欧の違い 「対人サービスにおけるロボットへの懐疑心が根強い欧州と比べると、日本では、ロボットへの期待が大きい」 一方、アイルランドで「マイロ」を認知症ビレッジで活用しようとする動きに対し、日本は介護ロボットの実証はもちろん、一般の福祉用具でさえ、要介護者に活用されていない現状がある。 →つまり、日本はロボットに親和性がある国民で政策的な研究支援も行われているのに、実際の実証や導入のところはあまり積極的ではない。 Issue Brief 2020-6 号 , 67-71 頁 28 第 4 章 生活支援技術の需要をめぐる社会・文化・政策的課題
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マイロ 1 日約 9 ユーロでレンタル中 リマインド / 心拍数による遠隔見守り / 転倒・虐待対策 Issue Brief 2020-6 号 , 69 頁 29 第 4 章 生活支援技術の需要をめぐる社会・文化・政策的課題
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ロボットの社会実装の促進・阻害要因 (ドイツ・スウェーデン・フィンランド比較) 促進要因 阻害要因 知識・専門的スキル ロボットに対する姿勢(受容度) 共創型・参加型開発(ユーザー中心 ) 経済的要因(経済 ・ 介護資源不足) 介護現場の労働環境 政治的意思(政治・行政) 文化現象としてのデジタル化 文化的要因 技術的要因(新しい製品開発 ) 新しい手続き(事務処理など) 新たなネットワーク(ニーズアセスメントのデジタル化のための部署創設など) 可能性やメリットの認識 経済的要因(値段、開発費) 知識・スキル(教育・研修) ロボットに対する姿勢(受容度 ) 倫理面 介護現場の労働環境 社会の仕組み・社会刷新 技術および製品開発(インフラ ) 政治的なモティベーション・決定 ユーザーの能力(高齢者) 介護制度・ガバナンス 法規制 協働・コミュニケーション 既存の物理的構造(建物など ) (出典: Pekkarinen et al., 2020, p.8, pp.11-14 。 筆者作成。) 2-2 生活支援技術の社会実装に向けて ― 促進・阻害要因 Issue Brief 2020-6 号 , 75 頁 30 第 4 章 生活支援技術の需要をめぐる社会・文化・政策的課題
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2-3 日本の 社会実装に向けた今後の取り組み 地域包括ケアおよび在宅介護など、今後の医療・介護制度の中長期的な政策展開を見据えて、介護分野でも、多職種チームでの学びの場を提供。(*メインストリーム化、スキルアップにつなげる。) ケア・プロセスではなく、より総合的なケア・システムにおける高齢者支援技術(ロボット・ AI を含む)の効用をリビングラボや実際の介護施設・在宅(スマートホーム)などで実証実験を行いながら具体的に提示。(*正と負の両側面をステークホルダーと共に討議。) 情報や安全をめぐるリスク、意思決定能力低下時の在宅介護ロボット・ AI の使用をめぐる意思決定や代諾、人間による介護を受けられる権利の保障などの政策・法規制の整備。 Issue Brief 2020-6 号 , 76-77 頁 31 第 4 章 生活支援技術の需要をめぐる社会・文化・政策的課題
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支援を必要 とする本人 我が家・自宅 エスノグラフィーなどを用いた 個人を対象とするニーズ調査 アクションリサーチなどを用いた 組織レベルでの実装トライアルと効果の測定 専門知識の総動員を可能にするシーズ・ニーズを結ぶ産学連携 実装トライアルをサポートする施設・人材育成などの投資 公共空間における政策レベルでの討議と効果の測定 介護現場の労働環境 経済的要因( マクロ経済・ 介護資源 不足・価格 ) 知識・スキル ・リテラシー (教育・研修) ロボットに対する姿勢(受容度 ) 社会の仕組み・ 介護制度 共創型・参加型開発(ユーザー中心 ) 技術 向上・ インフラ 整備 政治的意思(政治・行政) 倫理・法規制の整備 Issue Brief 2020-6 号 , 77 頁 32 第 4 章 生活支援技術の需要をめぐる社会・文化・政策的課題
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高齢者を支える技術と社会的課題 -第 5 章 リビングラボの可能性と日本における構造的課題- -第 6 章 課題のまとめと今後の政策オプション- 令和3年5月25日(火) 木村篤信( NTT サービスエボリューション研究所 主任研究員) 菅原育子(東京大学未来ビジョン研究センター 客員研究員 / 西武文理大学サービス経営学部 准教授) 国立国会図書館 政策セミナー [第 3 部 ] 33
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[第5章]リビングラボの可能性と日本における構造的課題 はじめに 5 -1 リビングラボとは何か 5-2 生活支援技術の開発・社会実装に向けたリビングラボ活用の可能性 5-3 日本のリビングラボが機能するために 34 第5章:リビングラボ NTT サービスエボリューション研究所 主任研究員 木村篤信
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リビングラボの可能性と日本における構造的課題 リビングラボ Living Labs(LLs) サービス提供者(行政や企業)と利用者(生活者)が共に、 実生活に近い場で、価値の探索・検証を実験的に行うための仕組み 35 第 5 章:リビングラボ 消費者(モニタ) 消費者の声を聞く 仮説検証 統制された実験環境 消費者が関わる 生活者(パートナー) 共に学び合う 仮説探索 暮らしの実生活環境 コミュニティと連携する これまで リビングラボ 高齢者支援技術など,単独で生み出すことが難しい技術・制度などで活用されており, いまや日本国内に 60 以上ある(参照:図 1 日本のリビングラボ年表) Issue Brief 2020-6 号 , 81-86 @ Atsunobu Kimura
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狙いに合わせたリビングラボを選ぶ重要性 日本ではパターンの違いを意識せずに取り組まれることが多いため、注意が必要である。 36 第 5 章:リビングラボ リビングラボのパターン(図 2 ) 狙い: 新しい価値を生み出すこと 特徴: 批判のステップで 本質的な課題を見出す 例: 新規事業開発 コンセプト開発 新しい意味(価値)を 生み出すリビングラボ 問題解決の リビングラボ 狙い: 事実を元に問題を解決すること 特徴: 観察のステップで 改善策を見出す 例: 製品・運用の改良 使いやすさの向上 Issue Brief 2020-6 号 , 86-90 @ Atsunobu Kimura
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日本 のリビングラボが機能するために有効 な仕組み 欧州は②人々の特性③社会システムとセットでリビングラボを有効に運用 .リビングラボの構造的な差異分析より,以下の 共創の土壌としての仕組み が日本では有効. 37 第 5 章:リビングラボ ① 実践の場 ②人々の特性 ( マインドセット ) ③社会システム Forening Flexicurity Hojskole (1) 主体性 (2) 冒険性 (3) 対等性 ( 1 )参加者の主体的な 関わりが立ち上がる仕組み ( 2 )運営者が参加者と 対等に向き合える仕組み ( 3 )冒険的な活動に チャレンジできる仕組み Issue Brief 2020-6 号 , 90-97 @ Atsunobu Kimura
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技術開発における「価値」と「リスク」 近代科学にもとづく技術開発は,自然を解明・支配するためのアプローチとして発達してきた歴史を持つ. しかし,生命や社会についても同様にアプローチしたときに生み出される,技術開発の影の側面 ※ が社会問題化している 38 第 5 章:リビングラボ ※ 公害・生態系破壊・化学兵器・原発事故・生命操作・人間疎外など 新しい価値を 生み出す 新しいリスクと 向き合う これからの技術開発においては 「新しい価値」 を探索すると同時に, 「新しいリスク」 についても,生活・生活者のリアリティをもって検討し,共有して行くプロセスや LLs などの仕組みが求められる @ Atsunobu Kimura
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[第 6 章]課題のまとめと今後の政策オプション はじめに 6-1 対象となる技術の多様化 6-2 国レベルでの政策による技術の支援 6 -3 保険対象外の技術の評価、活用情報プラットフォームの可能性 6-4 高齢者を対象とした技術の導入や受容をめぐる倫理的、法的、社会的課題 6-5 リビグラボの可能性 6-6 産業としての高齢者支援技術の発信に向けて 39 第 6 章: まとめと政策オプション 東京大学未来ビジョン研究センター / 高齢社会総合研究機構 菅原育子
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課題のまとめと今後の政策オプション 40 第 6 章:まとめと政策オプション Issue Brief 2020-6 号 , 99-103 高齢者とその支え手が、住み慣れた環境の中で健康で文化的かつ豊かな生活を営むことを支援する技術 をめぐる1ー5章の議論を、6つの課題にまとめた @Ikuko Sugawara
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課題のまとめと今後の政策オプション 41 第 6 章:まとめと政策オプション Issue Brief 2020-6 号 , 99-103 ( 1 )「高齢者を支える技術」の多様化 基本的動作の支援から、より複雑で広範な社会活動の支援まで。対象となる技術も、ターゲットを絞り人の機能や行動を補填・補助する技術から、機能や行動を拡張する技術まで。 →安全面の保証、技術開発・導入の社会経済的支援をどこまで、どのような政策のもとで行うかを慎重に見極める必要が高まる @Ikuko Sugawara
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課題のまとめと今後の政策オプション 42 第 6 章:まとめと政策オプション Issue Brief 2020-6 号 , 99-103 ( 2 )国レベルでの政策による技術支援 介護保険制度による支援機器(福祉用具)の支援は、生活の維持に不可欠な機器・用具の選択と導入を支えてきた。 介護ロボットは主に施設導入モデルが構築されてきた。 →地域包括ケアシステムの中に、これらの技術やシステムをどう位置付けるのか 地域導入モデルの検討が必要 @Ikuko Sugawara
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課題のまとめと今後の政策オプション 43 第 6 章:まとめと政策オプション Issue Brief 2020-6 号 , 99-103 ( 3 )技術の評価、活用情報プラットフォーム 介護保険制度対象外の製品や技術に対する安全性の評価、保証、情報提供の手法や場を整える必要 急速に拡大している情報通信技術を活用したサービスをめぐる犯罪や誤利用から(高齢)利用者を守る基準の整備 →情報プラットフォームの整備 高齢利用者が開発者、運用者らとともに製品やサービスを評価するリビングラボ @Ikuko Sugawara
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課題のまとめと今後の政策オプション 44 第 6 章:まとめと政策オプション Issue Brief 2020-6 号 , 99-103 ( 4 )高齢者を対象とした技術の導入・受容をめぐる倫理的・法的・社会的課題 高齢者を対象とする技術だからこそ慎重になるべき問題。「支援」のあり方について十分に議論を重ねる必要がある。 → 新しい価値 と 新しいリスク を等しく、生活者の視点で検討する 技術が社会に受容されるためにも重要なプロセス @Ikuko Sugawara
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課題のまとめと今後の政策オプション 45 第 6 章:まとめと政策オプション Issue Brief 2020-6 号 , 99-103 ( 5 )リビングラボの可能性 高齢者やその支援者を中心として、生活の場で、支援のあり方を議論すること、技術開発と導入、普及の試行錯誤を行う過程が求められる= LLs への期待 →人口の 3 割が 65 歳以上、多様なニーズを持つ高齢者が地域で暮らす日本のリビングラボ発のアイデアに期待 @Ikuko Sugawara
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課題のまとめと今後の政策オプション 46 第 6 章:まとめと政策オプション Issue Brief 2020-6 号 , 99-103 ( 6 )産業としての「高齢者支援技術」の発信 安全基準等の国内外の規格の違い、認証制度の違い、個人情報に関連する規制などが、大きな壁となっている。特に福祉用具開発などは中小企業、ベンチャー企業が多いため、開発を躊躇させる大きな要因となりうる。 →企業支援に加えて、国際的規格・制度設計への積極的関与が必要 @Ikuko Sugawara
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