20240626_DICOMO2024R&Dを社会課題解決につなげる共創PF.pptx

kimuraatsunobu 6 views 53 slides Sep 15, 2025
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20240626_DICOMO2024R&Dを社会課題解決につなげる共創PF.pptx


Slide Content

R&D を社会課題解決につなげる共創プラットフォーム: リビングラボ 2024/6/26 未来の社会システム探索チーム    2024 年 6 月 26-28 日 DICOMO 2024 CN 研究会招待講演セッション

大阪大学、奈良先端科学技術大学院大学を修了後、 NTT 研究所に入社。 2016 年よりリビングラボ・ Co デザインの研究・実践プロジェクトを立ち上げ、 2021 年に NTT 西日本グループの地域創生 Co デザイン研究所の設立に関与し、参画。博士(工学)。主として HCI 、 CSCW 、 UX デザイン、リビングラボの研究開発に従事。デザイン研究のチームを牽引し、企業内の UX デザインプロジェクト、地域の社会課題に関するリビングラボプロジェクトを多数実践し、コンサルティングや教育活動も行っている。現在は、大牟田市などの地域主体ともに、まちづくり、地域経営、サービスデザイン、社会システムデザインなどの文脈で新しいソーシャルデザインのあり方を探求中。著書に「 2030 年の情報通信技術生活者の未来像」( NTT 出版| 2015 年)等。 木村 篤信 (Kimura Atsunobu) Profile 地域創生 Co デザイン研究所 (NTT グループ ) ポリフォニックパートナー 大牟田未来共創センター パーソンセンタードリサーチャー 日本リビングラボネットワーク 代表理事 日本デザイン学会 情報デザイン研究部会 幹事 東京理科大学 客員准教授 京都大学デザインイノベーションコンソーシアム  フェロー ソーシャルビジネスネットワーク      フェロー 横浜市 PTA 連絡協議会 理事 社会課題解決 / 企業ビジネス開発の実践 リビングラボ / 社会システムデザイン方法論の研究 ソーシャルデザイン / サービスデザインの教育 ・一人ひとりの存在が肯定され、社会的な理由で孤立することなく、多様な選択肢の中でそれぞれの力が発揮され、わくわくする持続的な社会・都市の実現を目指し, 地域経営目線で社会課題解決に取り組む地域団体 (大牟田未来共創センター @ 大牟田市①・ TOMOSU @奈良市②)設立&地域共創拠点 ( うずうずマイン, BONCHI) 構築. ・地域団体がリーダーシップを担う形で,産官学民の PJ を実施 ・ サービス開発③(発達特性のある人の視覚認知能力を VR で分析するサービスなど) ・行政計画策定④(人が真ん中のまちづくりを推進する大牟田市健康総合福祉計画など) ・コミュニティづくり(リロケーションダメージを受ける市営住宅在住高齢者の引っ越し伴走支援など)等 セクターを超えた共創を促進する方法論 リビングラボ ,理念的に社会システムを転換する 社会システムデザイン方法論 を軸に実践&研究し, 学術論文 ( 査読付き 7 件,査読付き国際会議 11 件,受賞 3 件), メディア取材 (書籍 2 件⑤⑥,新聞⑦⑧・ Web 多数), 講演・アドバイザー委嘱 多数. セクターを超えた共創(リビングラボ)/社会システムの転換をリードできる人材の育成のため, 学生,企業,行政向け教育プログラム開発⑨,教科書作成⑩を多数 実施(ソーシャルデザイン講義,地域連携デザイン演習,リビングラボ運営者/社会システムデザイナー育成プログラム,ウェルビーイング政策デザイン研修,新規事業リフレーミングプログラム,美学思考ビジョンメイクプログラム等).共に学び合う実践者コミュニティ ( 一社 ) 日本リビングラボネットワークを設立・運営⑪ . ① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ⑦ ⑧ ⑨ ⑩ 佐渡自然共生ラボ 大牟田 LL おやまち LL 丹後 LL 鎌倉 LL 未来 LL 磯子杉田 LL みんなのまちづくりスタジオ ふじみ野 LL はぐラボ む labo TEN no KUNI Folke LLs Academy ⑪

個別の地域活動や企業サービス 、 領域ごとの政策による対応で バケツの穴(問題)を事後的に塞ぐ 新しい社会構造(システム)への 転換を志向することで 穴(問題)が生まれづらい状態をつくる + 個別の穴 ( 問題 ) を防ぐ 構造 ( システム ) の転換を志向 課題意識:ソーシャルインパクト 2022/3/14 第 4 回全国リビングラボ ネットワーク会議 趣旨説明資料 e.g. 本籍校に復帰できることを目標に する 適応指導教室 e.g. 学校への適応ではなく学ぶことを真ん中にした教育  (学習計画を子どもたち自身が作るイエナプラン教育)

ビジョン :人々が主体的に共創できる社会へ ミッション:生活者とその暮らしの目線に立ち、生活者やパートナーが        主体性を発揮できる対話的関係・環境を重視し、  ともに持続可能な社会づくりに向けた価値を探索し生み出しつづける 人々が 主体的に共創できる社会 ②地域の人々とともに 社会課題を解決する事業創出 ①本質的なサービス・政策創出の基盤となる 新しい地域の仕組み(社会システム)の構築 [ 教育,就労,住まい,医療・介護,移動,産業・・・ ] 地域の内部に入り込み、 中立的・統合的な立場でビジョン策定 地域経営(政策 × ビジネス)のアプローチで課題探索・解決を主体的に実施 真の暮らしの価値の理解 ビジネス価値追求 ビジョン 地域のビタミン 地域の体質改善 (=新しい社会システム探索) ③社会課題解決サービス・ 地域経営を変革する PF 等の デジタルツールの構築   地域創生 Co デザイン研究所のビジョン・ミッション Co デザのミッション

【 宮崎県 】 森林・林業 DX による自然資本循環型の地域活性化 【 福岡県大牟田市 】 超高齢社会の人の暮らしを中心とした地域創生モデルの実現 5 【 愛媛県西条市 】 自助・共助を育む 協働と共創のまちづくり 【 大分県 】 地域共同雇用による 障がい者の就労モデルの確立 【 福井県坂井市 】 地域資源をいかした観光まちづくり 各地で展開する地域創生プロジェクト 【 奈良県生駒市 】 市民力を高めるスマートシティの実現 【 愛知県岡崎市 】 ごちゃまぜ地域拠点を軸にした市民の主体的な地域づくり 【 東京都八丈町 】 島しょ地域の価値循環モデル創出

社会・ユーザのためのテクノロジーを研究・開発している?

テクノロジーを使う相手と一緒に研究・開発している?

テクノロジーを使う相手と一緒に研究・開発する SIP や MOONSHOT においても、 バックキャストや総合知の観点からの課題設定 や、 事業・制度・社会的受容性・人材の視点からの社会実装 が重視 戦略的イノベーション創造プログラム第3期( SIP 第3期)課題一覧 https://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/sip/220331/siryo2.pdf https://www8.cao.go.jp/cstp/moonshot/index.html

アジェンダ ●前提となる社会背景と科学技術の課題 ●リビングラボとその効果 ●大牟田リビングラボにおける事例

前提となる社会背景と科学技術の課題  

社会背景:人口減少社会への転換 日本の総人口の長期的トレンド (出所)総務省「国勢調査報告」、同「人口推計年報」、同「平成12年及び17年国勢調査結果による補間補正人口」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成18年12月推計)」、国土庁「日本列島における人口分布の長期時系列分析」(1974年)をもとに、国土交通省国土計画局作成 人口ボーナス期から 人口オーナス期へ の転換

社会背景:新しい価値観の台頭 サスティナビリティ(地球規模の価値)や ウェルビーイング (人間⼀⼈ひとりの価値)などの 新しい価値観の台頭 Sustainable Development Goals 2030 (SDGs) wedding cake from Azote Images for Stockholm Resilience Centre, 2016. https://www.stockholmresilience.org/research/research-news/2016-06-14-the-sdgs-wedding-cake.html

社会背景:地方自治体の変化 地方 自治体の運営は限界を迎える 。持続可能な形で住民サービスを提供し続けるために、 ICT 活用 による「スマート自治体への転換」と、 公共私(自治体 ・ コミュニティ ・ 民間企業等)の連携 による自治体の「 プラットフォーム ・ ビルダー 化」 が必須   ※ 自治体戦略 2040 構想(総務省、 2018 ) スマート自治体への転換 新たな自治体や国の施策(アプリケーション)の機能が最大限発揮できるような自治体 行政( OS )の大胆な書き換えが必要 破壊的技術( AI ・ロボティクス等)を使いこなす自治体へ 公共私によるくらしの維持 (自治体のプラットフォームビルダー化) 自治体は新しい公共私相互間の協力関係を構築する「プラットフォーム・ビルダー化」が必要:公 くらしを支えるための地域を基盤とした新たな法人が必要:共 全国一律の規制見直し、シェアリングエコノミー等の環境整備の必要性:私 減少する地方公務員 ひっ迫する財政 増加するインフラ更新費用

社会背景:ビジネス環境 の変化 企業が SDGs 等の社会的価値のある事業創出に取り組むことが社会の要請になっており、 持続可能な形で企業が存続するためには、「社会的価値を重視した事業創出・運営」 や、サービスの「提供者・利用者の構造転換」が必須 社会的価値を重視した事業創出・運営 機能 や消費体験だけでなく、 AI 、 ロボット、社会システムがどのような社会的価値を生み出すのか注目され、人のあり方・暮らしのあり方を問い直すことがビジネスの土台として求められている 提供者・利用者の構造転換 不確実性 が高く、複雑な状況下では、一方通行ではない柔軟なサービス設計、開発、運用のあり方が適しており、さらには学習する組織文化・共感者を増やすブランディングが効果的 持続可能な開発目標 倫理的なテクノロジーの原則 (日本の人間中心の AI 社会原則、 Google の AI 原則等) シェアリングエコノミー

社会背景:科学技術に対する認識の変化 公害問題や原発事故などを契機に、科学技術やイノベーションそのものが新しい脅威を生むという考え方がある https://scienceportal.jst.go.jp/gateway/sciencewindow/20200917_w01/ https://medical-tribune.co.jp/news/2017/1031511263/ https://www.asahi.com/tech_science/chernobyl/photogallery/

科学技術と社会の関係性 機能的な充足が進んだ 成熟社会 においては、 単線上に発展する素朴な 科学 技術 ではなく、 人間⼀⼈ひとりの価値・地球規模の価値に資する新しい科学技術 のあり方が求められている 少産少死により 一人ひとりの価値が高まる時代 社会・環境・経済の関係を統合的に捉えて、持続可能な地球を目指す時代

科学技術・イノベーション基本法の本格改正 (出典) 内閣府 : 科学技術・イノベーション基本計画 , (2021) を元に筆者が作図 . 科学技術・イノベーション基本法 ( 2020 年) 25 年ぶりの 本格 改正 第 6 期 科学技術・イノベーション基本計画 ( 2021 年 3 月) 社会的価値 トランスフォーマティブ ・イノベーション

科学技術・イノベーション基本法 における対象の拡大

科学技術・イノベーション基本法からの示唆: 「 変⾰を⾒据えた社会的価値の創造」 ① 「社会的価値」を問う(一人ひとりの価値、地球規模の価値) (出典) 内閣府 : 科学技術・イノベーション基本計画 , (2021). ② 社会そのものの変⾰を⾒据えた価値創造 ( トランスフォーマティ ブ・イノベーション ※) ※ 地球環境問題などの複雑で広範な社会的課題へ対応するため、 社会の変⾰を志向するもの。 科学技術・ イノベーション政策が、研究開発だけでなく、 社会的価値を⽣み出す 政策へと変化してきた中で、これからの政策には、 ⼀⼈ひとりの価値、地球規模の価値を問う ことが求められている という点が挙げられる。 今後は、⼈⽂・社会科学の厚みのある「知」の蓄積を図るとともに、⾃然科学の「知」との融合による、 ⼈間や社会の総合的理解と課題解決に資する 「総合知」の創出・活⽤ がますます重要となる。 科学技術・イノベーション政策⾃体も、⼈⽂・社会科学の真価である価値発⾒的な視座を取り込むことによって、社会へのソリューションを提供するものへと進化することが必要である。 この 25 年間のイノベーションという概念の含意の⼤きな変化が挙げられる。 かつて、企業活動における商品開発や⽣産活動に直結した⾏為と捉えられがちだったイノベーションという概念 は、今や、経済や社会の⼤きな変化を創出する幅広い主体による活動と捉えられ、 新たな価値の創造と社会そのものの変⾰を⾒据えた「トランスフォーマティ ブ・イノベーション」という概念へと進化しつつある 。

ビジネス分野への影響:新領域に向けた事業戦略 Virtual Real Serious Casual GAFA 等の スマホ ・ Web 上の サービス 命が関わる モビリティ、 建設、医療介護、 食農など ※ 冨山 : AI 時代のグローバル経済とローカル経済 ,2050 年研究会 ,(2018). を元に筆者が作図 競争激化が想定される市場= Serious × Real におけるアーキテクチャの覇権争いにどう打ち勝つか? AI ・ IoT ・ロボット技術等の 進化により領域がシフト アーキテクチャの 覇権争い 新たなアーキテクチャの 覇権争い? (例) MaaS    ローカル DX    スマートシティ トランスフォーマティブ・イノベーションのマップ

HCI 研究への影響:「フィールドを離れる」ノウハウの必要性 技術の社会的利用を目的としたフィールドベースの研究において、どのようにすれば「プロジェクトの後」にも現場でテクノロジーが活用されるのか? Scheepmaker, L., Kender, K., Frauenberger, C., & Fitzpatrick, G. (2021). Leaving the field: Designing a Socio-material toolkit for teachers to continue to design technology with children. In Proc. the SIGCHI Conf. Human Factors in Computing Systems (CHI ’21), 1-14. 図 3 :技術カード(圧力センサー)とデザイン・トリガー・カードの最初のプロトタイプ: 「あなたを守る発明を想像してください。 図 4 :テクノロジーカード(モーションセンサー、ケーブル、サウンド)とデザイントリガーカード(プロテクション)の最終プロトタイプ。 図 1 教師たちとのデザイン・ワークショップを通じた活動の様子 図:社会物質的なツールキットに関連する基盤的要素 技術の社会的利用を目的としたフィールドベースの研究において、「プロジェクトの後」を考慮することが不可欠であるとの指摘.たとえば,教育現場で子どもたち向けのテクノロジーを開発した場合,研究期間中に効果が示せたとしても,そのテクノロジーと運用プログラムだけがあっても,現場では活用されない(できない)状況が発生する.そのような際に,社会実装のためのノウハウやプロセスがないと,テクノロジーは社会に普及しない.

変⾰を⾒据えた社会的価値の創造のために R&D プロセスにおいて 、 バックキャストや総合知の観点からの課題設定 や、 事業・制度・社会的受容性・人材の視点からの社会実装 を実施するには? 戦略的イノベーション創造プログラム第3期( SIP 第3期)課題一覧 https://www8.cao.go.jp/cstp/gaiyo/sip/220331/siryo2.pdf https://www8.cao.go.jp/cstp/moonshot/index.html

変⾰を⾒据えた社会的価値の創造のために ①対話・共感 ②課題設定 ③アイデア創出 ④プロトタイピング ⑤テスト ⑥社会実装 地域の実証実験疲れ: 企業と一部の地域の人たちが、地域の現状を考えずに技術・ビジネス実証を行うため、他の地域の人たちが動員される。地域の価値になるのか実感が沸かず、搾取感だけが残る。 R&D チームの 実証実験疲れ: 地域の人たちとの関係性づくりに時間がかかる。地域の未来 に向けた活動をしても 地域の人たちがついてこれず止まってしまう  地域の課題設定の罠: 目の前で起きる表層的な問題にひっぱられ、持続的に問題を解消するための構造的な問題に行きつきづらい(企業などが取り組むデザイン思考もこの罠に陥りやすい) R&D チームの課題設定の罠 : システム思考や未来の可能性を探索する手法 ( アート思考・スペキュラティブデザイン等)により、幅広い問いを生み出しうるが、暮らしの変革につながる課題設定を生み出しづらい 具体的に暮らし(地域)の中で R&D プロセスを進めようとすると、多くのプロジェクトは 「課題設定」と「社会実装」のフェーズがボトルネック となり、活動が停滞する。(もしくは、ボトルネック解消にコストがかかるため,ビジネス開発や研究開発の論理が優先することになる)

R&D を社会課題解決につなげる共創プラットフォーム: リビングラボ とその効果  

参考)協働と共創 「 Co- Procuction :協働」 ( 行政学 ・ 社会学用語 ) 1977 年~ 米インディアナ大の政治学者 Vincent Ostrom が、「地域住民と自治体職員とが協働して自治体政府の役割を果たしてゆくこと」の意味を一語で表現するために造語したもの。 ( Comparing Urban Service Delivery Systems, 1977 ) 日本では、荒木昭次郎が Co- Procuction を「協働」と訳し、「地域住民と自治体職員とが、心を合わせ、力を合わせ、助け合って、地域住民の福祉の向上に有用であると 自治体政府が住民の意思に基づいて判断した公共的性質をもつ財やサービスを生産 し、供給してゆく活動体系である」と定義 (参加と協働:新しい市民 = 行政関係の創造 , ぎょうせい , 1990 ) 「 Co-Creation :共創」 ( 経営学・マーケティング学用語 ) 2004 年~ 米ミシガン大ビジネススクール教授 C.K. プラハラードとベンカト・ラマスワミが提起した「企業が、様々なステークホルダーと協働して共に新たな価値を創造する」という概念。 ( The Future of Competition: Co-Creating Unique Value With Customers,2004 ) これからの時代、 顧客と一緒になって価値を生みださなければ企業は競争に生き残れない と説き、「企業主体の価値創造」から「顧客中心の価値共創」の時代へという新しいパラダイムを提示 した。

リビングラボとは 『 セクターを超えた共創活動 』 Steen, K. & Bueren , E. (2017). The Defining Characteristics of Urban Living Labs. Technology Innovation Management Review, 7(7), 21–33. ※ 木村 (2021) 「高齢者を支える技術と社会的課題」第 5 章 リビングラボの可能性と日本における構造的課題、(調査資料 2020-6 )国立国会図書館調査及び立法考査局 4 重螺旋モデル: Q uadruple H elix Model

リビングラボプロジェクトの事例 生活者・自治体・企業が 地域の現場で試行錯誤を重ねることで,社会課題解決をするサービスを開発し,社会実装する事例が増えている 子どもの成長(妊娠週数や生まれてからの月日)が一目でわかり、 予防接種スケジューリング機能がキラーコンテンツとなった 【 母子モ 】 B to G to C なので、ユーザと自治体の、双方がより便利で使いやすいサービスにしていく必要があった.たとえば、紙の母子健康手帳の内容の中から、電子化するべき項目を取捨選択することにも悩んだが,実際に子育てしている人へのヒアリングや、母子健康手帳を何度も読み込みながら開発を行った. 今では約 400 の自治体で導入されている. 高齢者サービスに民間の力を使うことで、介護保険給付や税金の 支出を減らせる乗り合い送迎サービス 【 チョイソコ 】 未要介護認定高齢者への調査で「徒歩移動がつらい・きつい」「バスの本数が少ない、時間が合わない」など不安や不便を感じる声を掴んだ自治体の福祉担当・公共交通担当,アイシンは,大量輸送ではない「少数輸送」のサービスが地域に必要という目的意識を共有し、バスとタクシーの特徴をいいとこ取りしたサービスを開発した.現在,全国 30 地域に展開されている. https://www.wantedly.com/companies/mti2/post_articles/431455

日本のリビングラボの年表と分布 2005.03  仙台フィンランド健康福祉センター 2006.09   Lions Living Labo 2010.01-2014.03  湘南リビングラボ  2010.11  経産省 情報政策課 リビングラボ紹介 「情報政策の要諦ー新成長戦略における IT ・エレクトロニクス政策の方向性」 2011.10  みんなの使いやすさラボ(みんラボ) 2011.12   BABA ラボ 2012.08  富士通総研 リビングラボ研究レポート 2012.10  おたがいさまコミュニティ 2013.02   Living Lab Tokyo 2013.07   Virtual Living Lab 2014.12  松本ヘルスラボ 2015.01  三浦リビングラボラトリー 2015.04  子育てママリビングラボ 2015.09   Cyber Living Lab 2016.01  第 5 期科学技術基本計画( Society5.0 ) 2016.01  八千代リビングラボ 2016.06  みなまきラボ 2016.07  産総研スマートリビングラボ 2016.07  東急 WISE Living Lab 2016.11  鎌倉リビング・ラボ  ほか5件 2017.01  井土ヶ谷アーバンデザインセンター(井土ヶ谷リビングラボ) 2017.05  ともに育むサービスラボ(はぐラボ) 2017.06  福岡ヘルス・ラボ 2017.09  経産省 ヴィンテージ・ソサエティ構築実証事業(リビングラボ4件) 2017.09  神奈川 ME-BYO リビングラボ 2017.10  高石・僥倖リビング・ラボ 2017.12  ドリームハイツ ヘルスケア リビングラボ(とつかリビングラボ)  ほか9件 2018.02  大牟田リビングラボ 2018.03  横浜リビングラボ創生会議 2018.04  第一回リビングラボネットワーク会議 2018.04   こ まつしまリビングラボ 2018.07  経産省 「未来の教室」実証事業( 大牟田リビングラボ 含む 4 件) 2018.10  サイクル・リビングラボ 2018.11  地域共創リビングラボ  ほか10件 2019.02   Well Being リビングラボ 2019.03  第二回リビングラボネットワーク会議 2019.10  岡山リビングラボ  ほか3件 2020.07  関内リビングラボ 2020.08  厚労省 「介護ロボットの開発実証普及のプラットフォーム事業」       ( リビングラボ 6 件 ) 2020.03  経産省 リビングラボにおける革新的な社会課題解決サービスの       創出に係る調査「リビングラボ導入ガイドブック」 2020.10  おやまちリビングラボ 2020.11  奈良リビングラボ  ほか8件 凡例) オレンジ色:日本全体の動き 黒色:他の日本での取り組み ※ 木村 (2021) 「高齢者を支える技術と社会的課題」第 5 章 リビングラボの可能性と日本における構造的課題、(調査資料 2020-6 )国立国会図書館調査及び立法考査局を元に作成 日本のリビングラボデータベース ( 100 件以上のリビングラボが存在) ※ 日本リビングラボネットワーク 実践事例部会調べ( 2023/04 時点 ) 佐渡自然共生ラボ 大牟田 LL おやまち LL 丹後 LL 鎌倉 LL 未来 LL 磯子杉田 LL みんなのまちづくりスタジオ ふじみ野 LL はぐラボ む labo TEN no KUNI Folke LLs Academy

リビングラボに期待される効果 Steen, K. & Bueren , E. (2017). The Defining Characteristics of Urban Living Labs. Technology Innovation Management Review, 7(7), 21–33. 4 重螺旋モデル: Q uadruple H elix Model 自治体に とっての効果 市民の参加、意見の収集、問題の把握 人手不足の解消(地域共生社会) コスト削減 企業にとっての効果 ユーザの参加、コミュニティとの連携 ニーズ把握 フラットな価値の対話が可能 市民 にとっての 効果 行政政策や企業サービスへの関わり(自分が必要なものを作り出せる) 社会参加、学びの機会 大学にとっての効果 人材育成 社会課題解決、地域貢献 地域コミュニティの連携強化

R&D プロセスに対するリビングラボの機能1: セクター / 組織 / 役割に縛られず暮らしの価値に集中できるプロセス 組織 ( システム ) の論理 一方的なサービス提供 (客体化) ブラックボックス 非対称・リスク回避 生活者 ( 利用者 ) 企業 / 行政 (提供者) 暮らし ( ナラティヴ ) の論理 フェア & 学び合う パートナー関係 (主体化) 安心・オープン 生活者 生活者 暮らし 組織による障壁が主題化しやすく、暮らしの価値を優先しづらい 暮らしの価値を優先し、その中で,組織の力を手段的に活用できる

R&D プロセスに対するリビングラボの機能2: 暮らしの現象を構造的に捕らえて試行錯誤できる地域との関わり 提供者目線の 構造的理解 一方的なサービス提供 (客体化) ブラックボックス 非対称・リスク回避 生活者 ( 利用者 ) 企業 / 行政 (提供者) 暮らし目線の 構造的理解 フェア & 学び合う パートナー関係 (主体化) 安心・オープン 生活者の暮らしを機能的 / 断片的 に捉えてしまい、 社会実装(サービス提供)がズレて定着しない 生活者の暮らしの質感をとりこぼさず統合的に捉えることで、社会実装(サービス提供)のズレを調整でき定着につながる 生活者 生活者& 企業 / 行政

変⾰を⾒据えた社会的価値創造のためのリビングラボ ①対話・共感 ②課題設定 ③アイデア創出 ④プロトタイピング ⑤テスト ⑥社会実装 地域の現在と未来にコミットして、セクターを超えた共創をコーディネートする「リビングラボ」 組織 地域の構造や当事者の実感を掴みながら、地域としての問いから課題設定を行う「リビングラボ」プロセス × 地域の実証実験疲れ: 企業と一部の地域の人たちが、地域の現状を考えずに技術・ビジネス実証を行うため、他の地域の人たちが動員される。地域の価値になるのか実感が沸かず、搾取感だけが残る。 R&D チームの 実証実験疲れ: 地域の人たちとの関係性づくりに時間がかかる。地域の未来 に向けた活動をしても 地域の人たちがついてこれず止まってしまう  地域の課題設定の罠: 目の前で起きる表層的な問題にひっぱられ、持続的に問題を解消するための構造的な問題に行きつきづらい(企業などが取り組むデザイン思考もこの罠に陥りやすい) R&D チームの課題設定の罠 : システム思考や未来の可能性を探索する手法 ( アート思考・スペキュラティブデザイン等)により、幅広い問いを生み出しうるが、暮らしの変革につながる課題設定を生み出しづらい

大牟田リビングラボにおける事例

大牟田未来共創センター(ポニポニ)の設立( 2019 ) 認知症ケアで見出されたコンセプトを深め、セクターや領域における縦割りを横断し、既存の社会システムから“独立しながら埋め込まれる主体”として官民協働で大牟田未来共創センターを設立 ( 2019 年 4 月 ) 行政の政策形成支援、具体的な地域課題の解決(プロジェクト)に加え、地域内外のネットワークを生かし、企業の課題・仮説探索の伴走、コーディネートを行っている 大牟田未来共創センター 大牟田市 地域資源 地域・住民 縦割りの打破(調整)、政策展開支援 ビジョンの共有 共創 共創 地域資源の価値を再構築 地域・住民との協働 福祉 教育 産業 地域内のアクター ( 市民団体、 地場企業など ) 地域外のアクター (国内外企業、 研究機関等) ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ ¥ 国 予算 制度 事業 基礎 自治体 予算 制度 事業 地域 実践 取組 対象 多世代・横断 政策的統合 大牟田未来共創センター 統合的 アプローチ 計画 統合的実践 支援 支援 モデル提案 従業員数: 20 名 事業規模: 1 億円

パーソンセンタードシティのコンセプト: どのような状態でも本人の存在が肯定され力が発揮されるまち コミュニティケア的視点 その人らしく生きることに向き合う 産業・テクノロジー的視点 その人と支える人を影ながら支える 社会疫学的視点 その人らしく生きやすい環境を作る 支援者 (専門職等) 参加コミュニティ 未参加コミュニティ 友人 家族 近所住民 同僚 モバイル 戸建住宅 集合住宅 都市 支援者+モバイル ナラティブ DB 社会資源 DB 生活者課題 DB 疫学知見 DB テク ノロジー DB 設計 ガイドライン DB マクロ ミクロ 暮らし 技術 社会課題 DB 保険業 金融業 医療介護 保育教育 サービス業 宿泊業 交通 物流 建築 通信 対話を通じて市民の主体性があたたまる 「わくわく人生サロン」 その人らしく住みこなすプロセスとスマートシティ設計指針の研究開発「 大牟田市営住宅モデルルーム PJ 」 高齢者の主体性を引き出すデジタル体験 「 VR を活用した未来の福祉プロジェクト」   × 東大等 誰もが持てる力を生かし、参加できる社会を理念とした「暮らしの総合計画」(健康福祉総合計画)

リビングラボにおける社会課題解決 事例  

大牟田市 従来の介護予防施策では リーチすることが難しい人がいる (財政的制約も強まる) 企業 企業の意図 「早期検知」という機能検証から、「自らのことを知る新たな方法のデザイン」という意味探索へと課題設定を変更 地域住民 他地域で実施した 疾病の早期検知サービス の実証実験に人が集まらない (高齢者として)これまでの経験や興味を活かして地域に関わる機会がない、多様な形でどんな人でもいれる居場所がない 地域の意図 企業がリビングラボへ支払う対価(資金)を活用し、高齢者が仲間を得て、自らのことを振り返る(知る)過程で意欲を育み、多様な参加に向かう仕組みづくり検討 課題の再設定・ 統合的実践 プロジェクトのはじまり 大牟田リビングラボ

暮らしの現象を構造的に捕らえたリサーチ 大牟田健康福祉部や包括支援センター・地域事業所のソーシャルワーカーともに、自宅・施設、認知症サロン、介護予防サロンなどの訪問を実施し多数の高齢者と会う。合わせて、各組織の運営の調査 ※ を実施し、現場運用の課題を把握すすとともに、政策的経緯を明らかにし、地域内外の実践者との対話を重ねることで、「生存権の保障(憲法 25 条)から幸福追求権(憲法 13 条)の保障へ」 ( 菊池 :2019) という新たな理念を見出した。 生存権 (25 条)から幸福追求権( 13 条)へ 大牟田まちづくり国際センター準備室  現実・問題 生存権( 25 条) 理想 幸福追求権( 13 条) 【 問題解決型 】 例)足が痛い→リハビリ 【 幸福追求(自己実現)型 】 例)お友達と買い物に行きたい 例)お友達を作る、 移動手段を確保する (動機を得た上で)リハビリをする ナラティブ 関係性 相談支援 (ソーシャルワーク) 課題 菊地馨実 (2019) 社会保障再考  〈 地域 〉 で支える https://toyokeizai.net/articles/-/318162?display=b

第4回において、 睡眠センサーと家電センサーで得たデータを「自分の無意識を知るための情報」として利用 ※ 参加者にとっても情報提供、センサー利用に価値がある形にしている わくわく人生サロン 実施概要 ●対象者:大牟田市在住の要支援・要介護認定を受けていない 65 歳以上の方 ●募集期間: 2019/11/28〜2020/1/31 ・開催期間: 2020/1/10〜2020/3/13 ●サロン申込者(面談参加者): 35 名/サロン参加者: 32 名(面談後の辞退: 3 名)/ センサー設置者: 18 名(センサー設置辞退: 14 名) リアルプロトタイピングによるコンセプト検証

「大牟田市高齢者保健福祉計画・第 7 期介護保険事業計画」 総括時の職員の意見 「既存活動に関心か ゙ 薄い人もいることから、「わくわく人生サロン」 ように自分ことを語る場を設けるなと ゙ 、新たな活動きっかけを作る必要か ゙ あると考えます。 」 ●地域包括支援センターがリーチすることが難しかった、 20 年間自宅に引きこもっていた方が参加 ●介護保険サービスでは居場所が得られなかった(合わなかった)方の居心地のいい場となる ●制度利用がなく生きづらさを抱えている高次脳機能障害のご本人、ご家族への支援を実施(個別にご本人、ご家族の不安や悩みに寄り添った対応を実施) ●配偶者に先立たれた方たちによるピアが生まれる(グリーフケア) ●持っている資格やスキルを生かし、地域の課題を解決したいという方が生まれる(例:「防災士の資格を活かして地域のために活動したい」「子どものための活動をしたい」「大牟田市をアピールする商品開発をしたい」などの自発的な言葉がある) ●年齢が異なるが同じ大学やサークルに参加していた等「縁」のある人との出会いが生まれる(友人ができる) ●前向きな動機をきっかけとして参加し、通所、ピア(グループ)、訪問、家族支援を、個別一人ひとりの状況に合わせて柔軟に組み合わせて行う「多機能型サロン」とも言える相談支援拠点の可能性を示唆 ●自治体からの資金的な援助を得ることなく開催するモデルを構築(企業との協働) わくわく人生サロンの体験(地域住民にとっての価値) 高齢者にとって、自分の経験や興味を起点として地域に関わる機会や、支援されたり、高齢者的なテーマに区切られることのない居場所を持つことができ、同じ経験や悩みをもつ人と語らい、意欲が育っていく中で新たなことに取り組もうとする人が現れた

健康福祉総合計画(自治体にとっての価値) 個別プロジェクトでの示唆を体感的に共有し、住民・企業・行政が社会システム全体をデザインし直すため、暮らしの総合計画ともいうべき大牟田市健康福祉総合計画の策定を大牟田市と協働 縦割りの行政計画でなく、統合的に地域や生活を捉え直す構造とした計画として策定。あわせて、行政リソースや過去の実績をベースとした「今できること」ではなく、協働が期待される余白を生み出すために「今方法は見出せてないが、取り組むべきこと」を記載 これまで別々に策定されていた、高齢、障害、健康増進、食育など 9 本の行政計画を、「地域共生社会の実現」という共通のビジョンに向けて 1 つにまとめた。 概要版については、通常、「計画のサマリー」にとどまりがちであったものを、「計画の理念を体感してもらうもの」へと位置付けを変え、親しみやすいイラストを活用し、実際に大牟田で暮らしている人たちのエピソードを紹介する形とした。タイトルにつけた「うずうず」は、わくわく人生サロンの際に見出した「温まる」を言葉にしたものである。この考え方(感覚)を行政、市民と共有することを試みている。あわせて、計画策定の大牟田市側の担当者と強く理念を共感できるようになり、それ以降計画推進全体のキーマンとなっている(現在、 健康づくり 課長)。

短期集中予防サービスモデル事業 (地域住民・自治体にとっての価値) 短期集中予防サービス(総合事業 C 型)は、介護保険事業の中でも、介護保険サービスから卒業(自立)を目指す事業。大牟田市において、戦略的に自立の理念を再構築し、展開する起点として位置づけるモデル事業 を実施し,有効性を確認した。 https://chiikihoukatsucare.net/jiritsushien/shiensya_02.html https://chiikihoukatsucare.net/pdf/manual/training_manual.pdf http://www.ilcjapan.org/study/doc/b_2021_1_2.pdf

「疾病を 前もって知ること= 価値」の 社会的合意 疾病の早期検知技術 知る意味のデザイン (サービスコンセプトの転換) UI 生活者 知る意味の体験デザイン UX 「疾病を 前もって知ること= 価値」の 社会的合意 疾病の早期検知技術 地域の調剤薬局 睡眠センサー・睡眠レポート 生活者 新規事業における体験デザイン UX 企業による新しい ビジネス モデルの開発(企業にとっての価値) 企業としては、これまで開発してきたアルゴリズムをサービスに活かすための土台となる、「(自らのことを)知る意味のデザイン」の知見を獲得することができた この知見をもとに、地域のかかりつけ薬局が地域住民と対話的な関係性を構築し、自らのことを知る体験( UX )を提供するビジネスモデルを開発し,会社設立

介護予防・ヘルスケアに関連する一連の取り組み 市民・自治体・企業をつなぐ 中間支援組織 計画の核となる高齢者の自立支援に向けた リエイブルメントモデル事業の実施 新しいプラットフォームの開発 参考) Health Data Bank https://www.nttdata.com/jp/ja/data-insight/2022/0221/ 理念 「どのような状態でも本人の存在が肯定され力が発揮されるまち」の共有 健康福祉総合計画の立案と運用 リアルプロトタイププロジェクト としての 「わくわく人生サロン」 新しいビジネスモデルの開発

変⾰を⾒据えた社会的価値創造のためのリビングラボ ①対話・共感 ②課題設定 ③アイデア創出 ④プロトタイピング ⑤テスト ⑥社会実装 地域の現在と未来にコミットして、セクターを超えた共創をコーディネートする「リビングラボ」 組織 地域の構造や当事者の実感を掴みながら、地域としての問いから課題設定を行う「リビングラボ」プロセス ×

日本リビングラボネット ワーク( JNoLL ) 日本において共創やリビングラボの実践がさらに活性化し、普及することを目指して、設立 (2023/11/1 一般社団法人化) 。多様なステークホルダーが立場を超えてフラットにつながり、実践知や課題を共有し合うことで、さらなる実践や成果をもたらす場や機会をつくり出していきます。また、関連団体と連携したリビングラボのポータルサイトでの情報発信や、支援サービスの提供も行っています。 リビングラボ運営者支援サービス 日本のリビングラボ実践者ネットワーク &実践知対話会 実践を支えるフレームワークの 研究開発 国内実践者・研究者と共に、事例対話の分析を通じて 実践支援の核となるフレームワーク等を研究開発 25 地域を超える実践者 が集い、コアチームを組成し、 実践者による実践者のためのコミュニティを運営。 1000 名を超えるリビングラボ関心層 に発信可能なネットワーク (企業 7 割,自治体 2 割,研究者 1 割) 研究開発の知見を核に、 体系化されたリビングラボ運営者支援メニューを開発・提供

JNoLL連携パートナー JNoLLは、企業・組織が事業課題を進展させるうえでの価値あるフィールドプログラムを提供し てい ます。 今年度より, 文部科学省関係組織と連携し,トライアルも可能 ですので,ご興味のある方は相談ください。 日本のリビングラボデータベース ( 100 件以上のリビングラボが存在) ※ 日本リビングラボネットワーク 実践事例部会調べ( 2023/04 時点 ) 大牟田市 10 万 佐渡市  5 万 鎌倉市今泉台 5 千 世田谷区尾山台 6 千 磯子区杉田 2 万 西粟倉村 1.4 千 天川村 1.3 千 京丹後  5 万 VesthimmerLands 3.6 万 佐渡自然共生ラボ 大牟田 LL おやまち LL 丹後 LL 鎌倉 LL 未来 LL 磯子杉田 LL みんなのまちづくりスタジオ ふじみ野 LL はぐラボ む labo TEN no KUNI Folke LLs Academy

日本リビングラボネット ワークの当面のイベント 日本リビングラボネットワークでは、共創の利用者・実践者がつながる機会、 学ぶ 機会、実践する機会を提供しています。詳しくは、リビングラボ・ポータルサイト,リビングラボ・メーリングリストをご活用ください JNoLL リビングラボ メーリングリスト ▶リビングラボ対話の場 ( オンライン) 日本のリビングラボの実践事例の話題提供とともに、リビングラボについて対話する会   7 /24( 水 ) 18:00 -19:30 地学連携 × リビングラボ 三重大 / 東大 近藤早映さん   ▶ リビングラボ基礎セミナー(オンライン) 主に共創活動・リビングラボの実践にこれから取り組もうとしている人材を対象に、体感,理論,対話,ケースメソッド実践の 4 要素から、マインドセット転換を促すプログラム   8/10( 土 )   13:00-18:00    事例)鎌倉リビングラボ 東大 IOG  吉田涼子さん ▶リビングラボ現地視察プログラム 全国各地の実践者の現場を訪問し、関係者とのミートアップやフィールドワークなどを行う会 (おやまち LL ,大牟田 LL ,竹山団地 LL 等) JNoLL リビングラボ ホームページ

リビングラボの国際的トレンド ”Transition に資する Co-Creation” への変化 ・ 第一の領域 : User Driven サービスデザインなどの普及によりデファクト化 ・ 第二の領域: Data Driven リアルタイムにユーザの行動に反応して微調整することで、産業界に効率的な User Centric な方法をもたらした ・ 第三の領域: Change/Transition User Driven や Data Driven では対応できないのが、 気候変動、不平等、世界の民主化、健康と福祉などの厄介な問題 (wicked problems) 。 そのために必要な第三の領域が、 行動を変え、文化を変え、生き方を変えること この領域にこそ、 一方的に作用するのではなく一緒に変えていく Co-Creation が有効 ( Jarmo Eskelinen , ENoLL 15 years – An outlook on the past and the future of Living Labs, OLLD2022)

変⾰を⾒据えた社会的価値の創造のために 暮らしの中の事象に潜む質感をとりこぼさずに、新たなシステムを実現するためには、 暮らし・システムの両方に対する実感や経験が必要 暮らしの時間 ・主観的、生成的、多様 ・歴史的な絆、人間、世間 e.g. 自立共生的、生活世界 両方の構造に対して デザイン実践をする立ち位置 システムの時間 ・客観的、計画的、均質 ・政策的経緯、公論 e.g. 操作的、システム イヴァン イリイチ (2015) コンヴィヴィアリティのための道具 , 筑摩書房 . 2022/6/25-26 デザイン学会 オーガナイズドセッション企画資料

地域で市民の力が発揮される仕組みづくり わくわく人生サロン 概要: 2005 年から認知症の人とともに暮らすまちづくり宣言を行い、地域と行政が一体となってまちづくりに取り組んできた大牟田市と、それに共感する形で地域外の NPO 法人や企業の研究者が関わりを持ち、従来の縦割りを乗り越えた価値を生み出すために、リビングラボの取り組みが始まった。 当初から、目の前の問題に対処するだけでなく、地域の構造的な問題を転換すること(社会システム転換)と、地域外も含めた企業や研究機関と新しい社会について探索することを目指し、調査や実践が行われてきた。 市民・行政・企業の課題を統合的に取り組んだわくわく人生サロンでは、高齢者の居場所や社会参加と企業の介護予防サービスの検討を重ねたプロジェクトとして立ち上げ、薬を出さない健康サポート「ねむりの窓口」などのサービスローンチ、大牟田市健康福祉総合計画の策定と計画の推進など、地域で市民の力が発揮される仕組みづくりに取り組んでいる。 主体: NTT との共同実験 → 大牟田未来共創センター ( ポニポニ ) その他の活動: ・多様な働き方を実現する超短時間雇用プロジェクト( w/ 東大) ・市営住宅の建て替え・移転に伴う 「 Well-being な住まいのあり方の研究プロジェクト」( w/ 有明高専、 NTT 研) ・ VR を活用した地域とつながるプロジェクト( w/ 東大) 地域との関わり方: リビングラボに参加する市民に加えて、行政職員の役割を脱いだ市民、企業担当者の役割を脱いだ市民が主体的に関われる場づくりに拘っている。また、そのような場づくりをするために、市民が主体的に関わるプロセスに伴走するソーシャルワーカーらとの協働も積極的に行っている。

リビングラボプロジェクトとリビングラボプラットフォーム 共創活動 総体的・連続的に深める問い 主体的に 動き出せる土壌 やってみる どうあるべきか のんびりする やってみる A. リビングラボプロジェクト B. リビングラボ プラットフォーム ※ 木村ら (2021) 持続的な活動 / 持続的な変化に向けたリビングラボ概念の拡張,第 68 回 日本デザイン学会 春季研究発表大会

単純な因果関係に基づくアプローチを乗り越えるために ■科学が問題の原因を発見し、工学技術がその原因を除去するアプローチ( 1960 年代~)  (高度経済成長局面においては,社会を機能的に豊かにするために有効だった) ■一方で, 単純な因果関係に基づくアプローチ以外の要因を度外視することによって、生命や社会の問題をかえって悪化させることに対しての警鐘  例: 化学薬品による公害問題,食糧不足や資源の枯渇・環境汚染,原発事故 等 (ウェルビーイングやサスティナビリティを標榜する成熟社会において求められるアプローチとは?) カーソン 『 沈黙の春 』 ( 1962 年) メドウズら 『 成長の限界 』 ( 1972 年) ベック 『 危険社会 : 新しい近代への道 』(1988 年)
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