20250907リサーチカンファレンス2025登壇 リサーチ手法としてのリビングラボ

kimuraatsunobu 5 views 45 slides Sep 15, 2025
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20250907リサーチカンファレンス2025登壇 リサーチ手法としてのリビングラボ


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木村 篤信 ( 一社 ) 日本リビングラボネットワーク 代表理事 地域創生 Co デザイン研究所 (NTT グループ ) ポリフォニックパートナー 東京理科大学 / 東京電機大学 / 東京都市大学 非常勤講師 リサーチ手法としてのリビングラボ 〜 人口減少時代における 生成 AI を活用した地域のあり方 〜    2025/9/7  リサーチカンファレンス 2025 ▲タイトル:リサーチ手法としてのリビングラボ ~人口減少時代における生成 AI を活用した地域のあり方~ ▲ 279 文字 未来の社会のあり方を探索し、自ら変えていくためのリサーチ手法として、「リビングラボ」の方法論を紹介します。リビングラボとは、北欧の社会民主主義運動の中で発展してきた、「自分ごと」として社会を変革していくためのアプローチです。 この方法論では、  ・当事者と共に多角的な視点から課題を捉える  ・社会構造を現場でリサーチする  ・リサーチャー自身やその所属組織も変容を遂げながら取り組む といった、多様で開かれたリサーチのあり方が重視されます。 具体例として、人口減少時代における地域の新たな姿を、生成 AI を活用しながら模索したプロジェクト「会議シンギュラリティ」を取り上げます。 1. 5 分 自己紹介  2. 10 分 リビングラボとは?   ※ 課題探索と、社会実装、という言い方は? それより以下の 3 つの効果(社会構造、多面的な主観、当事者性)がよいのでは? 3. 15 分 会議シンギュラリティ事例 4. 5 分 まとめ・今後の予定・宣伝

リビングラボとは Carayannis , E.G., Campbell, D.F.J., 2009. “Mode 3″ and “Quadruple Helix”: toward a 21st century fractal innovation ecosystem. Int. J. Technol. Manag 46, 201. 4 重螺旋モデル: Q uadruple H elix Model 生活者 暮らしの現場にいる アクター 企業 テクノロジーや ビジネスによる実現 行政 公共的な政策の 再形成 大学 人文学、社会科学、 自然科学 の知の活用 リビングラボ 実生活環境に おける実験 モノ ・コトをつくるときに 生活者と行政・企業・大学が共に 暮らしの場(リビング) において 試行錯誤(ラボ) をする活動・場 (人口減少時代の社会課題解決に必要な方法論  ≒コレクティブ・インパクト ) デンマークのスマートシティ研究者とともに、日本初のリビングラボ書籍(教科書)を刊行 。全国 30 カ所で対話イベント実施予定。 千葉工業大学(情報学部・デザイン学部) 関西学院大学(イノベーション研究会) 官民共創 HUB× 東京大学(産官学民関係者) 徳島県神山町(地域創生関係者)

大阪大学、奈良先端科学技術大学院大学を修了後、 NTT 研究所に入社。 2016 年よりリビングラボ・ Co デザインの研究・実践プロジェクトを立ち上げ、 2021 年に NTT 西日本グループの地域創生 Co デザイン研究所の設立に関与し、参画。博士(工学)。主として HCI 、 CSCW 、 UX デザイン、リビングラボの研究開発に従事。デザイン研究のチームを牽引し、企業内の UX デザインプロジェクト、地域の社会課題に関するリビングラボプロジェクトを多数実践し、コンサルティングや教育活動も行っている。現在は、大牟田市などの地域主体ともに、まちづくり、地域経営、サービスデザイン、社会システムデザインなどの文脈で新しいソーシャルデザインのあり方を探求中。著書に「 2030 年の情報通信技術生活者の未来像」( NTT 出版| 2015 年)等。 木村 篤信 (Kimura Atsunobu) Profile 地域創生 Co デザイン研究所 (NTT グループ ) ポリフォニックパートナー 日本リビングラボネットワーク 代表理事 東京理科大学 客員准教授 東京電機大学 / 東京都市 大学 / 大阪樟蔭女子大 学 ( 予定 ) 非常勤講師 生駒市「緑の基本計画改定懇話会」 有識者(リビングラボ) デジタル庁 認定 Well-being ファシリテーター JST RISTEX 「ケアが根づく社会システム」 領域アドバイザー 日本デザイン学会 情報デザイン研究部会 幹事 大牟田未来共創センター パーソンセンタードリサーチャー 京都大学デザインイノベーションコンソーシアム / ソーシャルビジネスネットワーク     フェロー 横浜市 PTA 連絡協議会 理事 実践:社会課題解決 / ソーシャル ビジネス開発 研究:共創 / リビングラボ / 社会システムデザイン 教育:サービスデザイン / ソーシャルデザイン セクターを超えた共創(リビングラボ)/社会システムの転換をリードできる人材の育成のため, 学生,企業,行政向け教育プログラム開発⑨,教科書作成⑩を多数 実施(ソーシャルデザイン講義,地域連携デザイン演習,リビングラボ運営者/社会システムデザイナー育成プログラム,ウェルビーイング政策デザイン研修,新規事業リフレーミングプログラム,美学思考ビジョンメイクプログラム等).共に学び合う実践者コミュニティ ( 一社 ) 日本リビングラボネットワークを設立・運営⑪ . ⑧ ⑨ ⑩ 地域経営主体 ( 中間支援団体 ) 運営 / 伴走 地域共創拠点構築・運営 事業開発,政策立案,コミュニティ開発 学術論文・書籍 メディア・書籍取材 ( 人手不足、ウェルビーイング、民主主義、自律共生等) 大牟田市、奈良市, 岡崎市,生駒市,八丈町,神山町,天川村,佐渡市, 小松市、尼崎市 浦添市など 教育機関 非営利活動

学術領域紹介 情報科学 (キーワード:情報デザイン、ヒューマンインタフェース、 インタラクション, CSCW , VR ) デザイン学 (キーワード:サービスデザイン,デザイン態度, コ・デザイン、参加型デザイン,リビングラボ, ソーシャルデザイン) システムデザイン理論 (キーワード:社会システム,トランジション ( 転換 ) , ウェルビーイング,公共政策,地域社会、 ソーシャルイノベーション) 学会活動 日本デザイン学会,ヒューマンインターフェイス学会,情報処理学会, 電子通信情報学会,サービス学会,共創学会, 人間中心設計推進機構等 人と人がコミュニケーションし,関係を築いていく暮らしを,より面白く,豊かに,効果的にするためには,情報デザイン、ヒューマンインタフェース、インタラクション, CSCW 、 VR / AR などの情報技術の研究が必要になります. 新しいメディア体験を創出するために,遠隔コミュニケーションを活性化するための五感フィードバックに関する研究や,日常的な会話や出会いの場を支援するコミュニケーションメディアの研究を行ってきました. 社会に意味のある価値を探索し、社会実装するためには,既存の社会の枠組みや役割に囚われない,セクターを超えた共創のデザイン方法論が必要になります. 企業・行政・市民活動において,誰もがデザインに取り組むために必要な手法や環境設計の方法論を研究し,ガイドブック・ツール等を開発するとともに,企業のビジネス開発,行政の計画策定,地域のコミュニティづくりの実践を行ってきました. ウェルビーイングな 社会を実現するためには,現象的な問題だけに取り組むのではなく、問題の構造(社会システムのエラー)を捉え,また一方で生活者のリアルなナラティヴを捉え,システム世界と生活世界の両面をハッキングしながら転換する第三のデザイン(システムデザイン理論)が必要になります. 福岡県大牟田市などで団体を立ち上げ,システム転換を志向する統合的な実践と社会システムデザイン方法論の提案を行うとともに,愛知県、奈良県、東京都など他地域での展開を行っています。 マサチューセッツ工科大学 石井裕教授 慶應義塾大学 前野隆司教授等 多摩美術大学  須永剛司教授 NTT 研究所 地域創生 Co デザイン研究所 東京理科大学等 ( 一社 ) 日本リビングラボネットワーク

リビングラボ の動向  

世界のリビングラボの分布 ( ENoLL 過去登録済みリビングラボ 500+@40 か国, ENoLL , 2024 ) ( ENoLL 登録済みリビングラボ , ENoLL , 2015 ) ※ ENoLL とは 欧州で 2006 年に立ち上がったリビングラボの国際的ネットワーク。欧州委員会の資金提供プロジェクトを活用しながら、 EU の政策提言や、リビングラボの推進に取り組んでいる。 出典: https://enoll.org/

日本のリビングラボの年表と分布 2005.03  仙台フィンランド健康福祉センター 2006.09   Lions Living Labo 2010.01-2014.03  湘南リビングラボ  2010.11  経産省 情報政策課 リビングラボ紹介 「情報政策の要諦ー新成長戦略における IT ・エレクトロニクス政策の方向性」 2011.10  みんなの使いやすさラボ(みんラボ) 2011.12   BABA ラボ 2012.08  富士通総研 リビングラボ研究レポート 2012.10  おたがいさまコミュニティ 2013.02   Living Lab Tokyo 2013.07   Virtual Living Lab 2014.12  松本ヘルスラボ 2015.01  三浦リビングラボラトリー 2015.04  子育てママリビングラボ 2015.09   Cyber Living Lab 2016.01  第 5 期科学技術基本計画( Society5.0 ) 2016.01  八千代リビングラボ 2016.06  みなまきラボ 2016.07  産総研スマートリビングラボ 2016.07  東急 WISE Living Lab 2016.11  鎌倉リビング・ラボ  ほか5件 2017.01  井土ヶ谷アーバンデザインセンター(井土ヶ谷リビングラボ) 2017.05  ともに育むサービスラボ(はぐラボ) 2017.06  福岡ヘルス・ラボ 2017.09  経産省 ヴィンテージ・ソサエティ構築実証事業(リビングラボ4件) 2017.09  神奈川 ME-BYO リビングラボ 2017.10  高石・僥倖リビング・ラボ 2017.12  ドリームハイツ ヘルスケア リビングラボ(とつかリビングラボ)  ほか9件 2018.02  大牟田リビングラボ 2018.03  横浜リビングラボ創生会議 2018.04  第一回リビングラボネットワーク会議 2018.04   こ まつしまリビングラボ 2018.07  経産省 「未来の教室」実証事業( 大牟田リビングラボ 含む 4 件) 2018.10  サイクル・リビングラボ 2018.11  地域共創リビングラボ  ほか10件 2019.02   Well Being リビングラボ 2019.03  第二回リビングラボネットワーク会議 2019.10  岡山リビングラボ  ほか3件 2020.07  関内リビングラボ 2020.08  厚労省 「介護ロボットの開発実証普及のプラットフォーム事業」       ( リビングラボ 6 件 ) 2020.03  経産省 リビングラボにおける革新的な社会課題解決サービスの       創出に係る調査「リビングラボ導入ガイドブック」 2020.10  おやまちリビングラボ 2020.11  奈良リビングラボ  ほか8件 凡例) オレンジ色:日本全体の動き 黒色:他の日本での取り組み ※ 木村 (2021) 「高齢者を支える技術と社会的課題」第 5 章 リビングラボの可能性と日本における構造的課題、(調査資料 2020-6 )国立国会図書館調査及び立法考査局を元に作成 日本のリビングラボデータベース ( 100 件以上のリビングラボが存在) ※ 日本リビングラボネットワーク 実践事例部会調べ( 2023/04 時点 ) 佐渡自然共生ラボ 大牟田 LL おやまち LL 丹後 LL 鎌倉 LL 未来 LL 磯子杉田 LL みんなのまちづくりスタジオ ふじみ野 LL はぐラボ む labo TEN no KUNI Folke LLs Academy

さまざまな種類のリビングラボが日本にも増えてきている 政策イノベーションのためのリビングラボ ( 教育、介護予防、雇用、移動交通、テクノロジー etc.) ( 大牟田、佐渡、会津、松本、神奈川 MI-BYO ・・・ ) 産業・ビジネス開発のためのリビングラボ ( デスラボ、鎌倉リビングラボ、ナスコンバレー、つくばみんラボ・・・ ) 地方創生のためのリビングラボ ( 神山つなぐ公社、三豊 , 丹後・・・ ) 公共施設開発・エリマネのためのリビングラボ ( 小千谷、小松、おやまち、たまプラーザ・・・ )

日本のリビングラボに関連する国内政策 第 6 期科学技術・イノベーション基本計画 内閣府 COI-NEXT 、地域大学振興 文部科学省 産業開発・イノベーション政策 経済産業省 介護ロボット開発・実証 厚生労働省

日本リビングラボネット ワーク( JNoLL )の活動概要 日本において共創やリビングラボの実践がさらに活性化し、普及することを目指して、設立。多様なステークホルダーが立場を超えてフラットにつながり、実践知や課題を共有し合うことで、さらなる実践や成果をもたらす場や機会をつくり出している。また、リビングラボのポータルサイトでの情報発信や、支援サービスの提供も行っている。 ❸リビングラボ運営者支援サービス ❶リビングラボ実践者 / 研究者ネットワーク ❷実践を支えるフレームワークの 研究開発 国内実践者・研究者と共に、事例対話の分析を通じて 実践支援の核となるフレームワーク等を研究開発 25 地域を超える実践者 が集い、コアチームを組成し、 実践者による実践者のためのコミュニティを運営。 1000 名を超えるリビングラボ関心層 に発信可能なネットワーク (企業 7 割,自治体 2 割,研究者 1 割) 研究開発の知見を核に、 体系化されたリビングラボ運営者支援メニューを開発・提供 対話会込 JNoLL リビングラボ メーリングリスト リビングラボ ML

❶日本のリビングラボ実践者ネットワーク &実践知対話会 全国リビングラボネットワーク会議 2018 年に高齢社会の研究プロジェクトにおいて産官学民協働の実践としてリビングラボが活用され、その研究活動の一環として、第一回リビングラボネットワーク会議が企画・開催。 第 3 回までは高齢社会の研究プロジェクトを牽引していた東京大学(未来社会共創センター)が主催で行ってきたが、リビングラボの広がりともに、実践者による主体的な運営にシフトし、第 4 回以降は、大牟田、横浜、大阪が主催となっている。 第 1 回 (2018) 第 2 回 (2019) 第 3 回 (2021) 第 4 回 (2022) 第 5 回 (2023) 第 6 回 (2024)

❶日本のリビングラボ実践者ネットワーク &実践知対話会 全国リビングラボネットワーク会議 in 横浜 https://note.com/jnoll/n/nabdc8b09ffde

❶日本のリビングラボ実践者ネットワーク &実践知対話会 全国リビングラボネットワーク会議 in 大阪 ■オープニングトーク ウェルビーイングな世界を万博そして大阪から 〜 産学官民でつくる新たな街づくりを健都から 〜 大阪府政策企画部成長戦略局長 池田純子氏 ■ B 会場セッション セッション B1 市民と自治体のリビングラボのはじめかた ■ A 会場セッション セッション A1 企業が複雑な問題に取り組むための共創アプローチ ■基調講演 人口減少時代のイノベーションエコシステムとしてのリビングラボ デンマーク パブリック・インテリジェンス社 CEO Peter Julius 氏 セッション A2 社会に役立つ科学技術イノベーションのあり方を考える セッション B2 リビングラボを人材の視点から考える

❶日本のリビングラボ実践者ネットワーク &実践知対話会 11/2-3 全国リビングラボネットワーク会議 in 福井

❷ 実践を支えるフレームワークの研究開発 科研費・共同研究・ トヨタ財団助成PJ ・国会図書館調査等 ▼トヨタ財団: 2022 先端技術と共創する新たな人間社会の助成プロジェクト 「 Infrastructuring Living Labs: リビングラボ実践を支えるインフラストラクチャ構築」 ※ 顧問秋山氏、理事 赤坂氏、パートナー安岡氏・中谷氏による PJ ( 2023-24 ) DX ・デザイン思考・地域創生関係の講演・アドバイザー委嘱等 ※ 代表理事・理事含め多数 国立国会図書館調査資料 2020-6 ※ 代表理事木村による論文 リビングラボ国際会議での Top Selected Paper 受賞 ※ 代表理事木村による論文 https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_11656225_po_20200606.pdf?contentNo=1 https://codips.jp/news/20231004/ https://codips.jp/news/20220920/ ▼文部科学省 科研基盤研究( C ) 「地域の共創基盤としてのリビングラボのアウトカムを評価する標準フレームワークの構築」 ※ パートナー坂倉氏による PJ ( 2024-27 ) ▼徳島県神山つなぐ公社 共同 研究  「地域創生事業組織のプラットフォームとしての 間接的アウトカムの特定に関する研究」 ※ パートナー坂倉氏・代表理事木村氏・理事 長島氏・原口氏による PJ ( 2024 )

❷ 実践を支えるフレームワークの研究開発 JNoLL 評価部会における 共創プラットフォーム研究 ▼文部科学省 科研基盤研究( C ) 「地域の共創基盤としてのリビングラボのアウトカムを評価する標準フレームワークの構築」 ※ パートナー坂倉氏による PJ ( 2024-27 ) ▼徳島県神山つなぐ公社 共同 研究  「地域創生事業組織のプラットフォームとしての 間接的アウトカムの特定に関する研究」 ※ パートナー坂倉氏・代表理事木村氏・理事 長島氏・原口氏による PJ ( 2024 ) 連続的に共創活動のためのリビングラボプラットフォームの再帰的メカニズム 共創プラットフォームのもつ複雑なメカニズムの一旦を、ビジョン、コネクション、アクティビティの観点で整理し、持続的なプラットフォーム運営の示唆を提案。 第 72 回日本デザイン学会 春季研究発表大会 【 左 】 Open Living Lab Days2025【 右 】

❸リビングラボ運営者支援 サービス リビングラボを利用する企業・研究機関に向けた PJ 伴走支援

リビングラボ の定義と事例  

リビングラボとは 『 セクターを超えた共創活動 』 Steen, K. & Bueren , E. (2017). The Defining Characteristics of Urban Living Labs. Technology Innovation Management Review, 7(7), 21–33. ※ 木村 (2021) 「高齢者を支える技術と社会的課題」第 5 章 リビングラボの可能性と日本における構造的課題、(調査資料 2020-6 )国立国会図書館調査及び立法考査局 4 重螺旋モデル: Q uadruple H elix Model

リビングラボプロジェクトの事例 生活者・自治体・企業が 地域 / 現場で課題探索や社会実装の試行錯誤を重ねることで,社会課題解決をするサービスを開発し,展開する事例が増えている 子どもの成長(妊娠週数や生まれてからの月日)が一目でわかり、 予防接種スケジューリング機能がキラーコンテンツとなった 【 母子モ 】 B to G to C なので、ユーザと自治体の、双方がより便利で使いやすいサービスにしていく必要があった.たとえば、紙の母子健康手帳の内容の中から、電子化するべき項目を取捨選択することにも悩んだが,実際に子育てしている人へのヒアリングや、母子健康手帳を何度も読み込みながら開発を行った. 2025 年 6 月現在、全国 730 以上の自治体で 導入されている. 高齢者サービスに民間の力を使うことで、介護保険給付や税金の 支出を減らせる乗り合い送迎サービス 【 チョイソコ 】 未要介護認定高齢者への調査で「徒歩移動がつらい・きつい」「バスの本数が少ない、時間が合わない」など不安や不便を感じる声を掴んだ自治体の福祉担当・公共交通担当,アイシンは,大量輸送ではない「少数輸送」のサービスが地域に必要という目的意識を共有し、バスとタクシーの特徴をいいとこ取りしたサービスを開発した.現在,全国 30 地域に展開されている. https://www.wantedly.com/companies/mti2/post_articles/431455

事例:循環型都市の実験室 De Ceuvel 概要: 1 世紀にわたる造船業によって荒廃し土壌汚染していた造船所跡地を改善するため、アムステルダム市が民間公募して生まれた循環型都市開発のためのリビングラボ。アムステルダム北部に位置する敷地面積 1250m² の小さなエリアで、地域のエネルギー、栄養素、廃棄物サイクルの「ループを閉じる」完全なリサイクルを実現する再生技術の開発や実証に、建築家、芸術家、起業家、研究者、ボランティアなど多様な組織が協力して取り組んでいる。アムステルダム市からの補助金(€ 250,000 )と市の保証による銀行融資(€ 200,000 )を受けて資金を調達している。 14 隻の貸し出しハウスボード、ラボ&コミュニティ施設、レセプションスペース、カフェ・レストランから構成され、文化的およびコミュニティのハブとなっている。 主体: Metabolic 社 (2014~2024 ) 活動: ハウスボートは廃船をアップサイクル利用し、根を通して汚染物質を吸収して分解する特殊な植物で覆う「分散型葉緑素ろ過のシステム」を開発 再生可能エネルギーの地域生産と交換を促進するため、ブロックチェーン技術を用いた仮想通貨の Jouliette (ジュリエット)を導入 温室で育てた植物、海藻バーガー、キノコで作ったミートボールなどを敷地内レストランで提供 地域との関わり方: 毎年 35,000 人を超える訪問者( Covid-19 前)。 作り手として関わるイベント(土壌を回復させる植物を植える、カフェやハウスボートオフィスなどのテーブルなどに釘を打つ、オフィスのデザイン等) ②行政 サービス改善 ①サービス・技術開発 ③地域活性化

事例:小千谷リビングラボ「 at !おぢや」 概要: 旧小千谷総合病院 の統合移転に伴う 跡地整備 の計画として、図書館を核とした複合施設を整備し、中心市街地の活性化を図る事業が起点になったプロジェクト。 その根幹には、リビングラボの思想と重なり、新しい公共、新しい公共空間をみんなで創っていくプロセスが大事にされた。そして、「つくる」「つかう・参加する」「見つけ・動かす」などにフェーズを区切りながら、まちや公共施設における市民の関わり代を生み出していった。 2020 年 12 月のプレイベントより始まったこのプロジェクトを経て、 2024 年 9 月に施設「 ひと・まち・文化共創拠点 ホントカ。 」がオープンし、市民が関わる多数の活動が行われている。 主体: 小千谷市役所 (2020~ ) 活動: 市民参加プラットフォームを育てるためのシンポジウム 第 1~16 回小千谷リビングラボ「まちと公共施設の未来をともに創造する」 小千谷リビングラボ(仮称)愛称市民投票 出張 at !おぢや(ふるさと夢づくり教育) 新潟工科大学連携プログラム 共にある 共に創る暮らし「鰯新聞」 ( いわしんぶん ) 地域との関わり方: 従来は行政と委託事業者だけで進めていたプロセスを、市民に開き、市民がみんなで創っていくプロセスとなるように事業が設計された。また、施設の設計においてもハード中心ではなく、その後の活動が中心となるように、地域の若者、子育て世帯、高齢者など多様な人が活動しやすくする仕掛けを埋め込んでいる。 ②行政 サービス改善 ③地域活性化

フェアな価値創出を促すリビングラボのパラダイム 提供者 (企業 / 行政) 客体的な関係性 ( サービス提供/利用) フェアなパートナー関係 共に主体的な関係性 (学び合い相互に変容) 利用者(市民) Coデザイン リビングラボ 一般的な サービスデザイン パラダイムの変化 一方的な提供者 - 利用者関係 提供者 (企業 / 行政) 利用者(市民) 協働をしても、セクターの枠組みに縛られ 部分的な問題解決になりやすい セクターを超えて本質的な価値を探索できる枠組み ・人口ボーナス期 = 拡大・成長期 ・潤沢な供給リソースと需要 ・官僚組織による計画的マネジメント ※ 広井 (2019) 人口減少社会のデザイン , 東洋経済新報社 . ・人口オーナス = 定常期 ※ ・ひっ迫した供給リソースと減らない需要 ・共創によるアジャイル・ガバナンス (デジタル活用、プラットフォームビルダー化) 社会背景 市民のアップデート 政策 のアップデート Tech のアップデート

リビングラボ の系譜  

リビングラボの 3 つの系譜 系譜 1 : 現場で学びを得る科学へ 系譜 2 : みんなに開いてつくる文化へ 系譜 3 : 使うものを自らつくる権利へ  

系譜1:シチズンサイエンス (現場で学びを得る科学へ) ※ 川喜田 (1967) 発想法 ― 創造性開発のために , 中央公論社 . 1990 年代から実験科学・市民科学の分野で Living Lab と名前の付いた活動が行われている • “The Living Lab is a pilot program teaching estuarine issues to junior and senior high school students.” (Short, 1992) • “The program has a room in the residence quarters of the YMCA called the ‘ ’Living Lab .” This laboratory is an opportunity for a youth to gain practical experience living on his or her own while receiving support from staff, DYFS and other agencies.” (State of New Jersey, 1993) • “From using the environment as a living lab to enhance your science and math studies to using it to help inspire your students to create poetry, there are many innovative ways to promote outdoor experiences with your students.” (Wood et. al., 1993) 実験科学 [Lewin,1946 ; Kawakita,1967 ; Neisser,1978] や市民科学 [Short,1992 ; Wood,1993] の分野では、 限定的な環境での試行実験の限界 に対して、アクションリサーチ、野外科学、 PBL などの 実環境での実践や検証が重要視 された。リビングラボの概念の提唱者として知られる William J. Mitchell は建築分野でこの取り組みを行った人物である [Mulvenna;2011] 。 特徴 • 実環境下( real-life setting ) • 生徒の巻き込み( student involvement ) • エンパワーメント( empowerment )

系譜 2 : オープンイノベーション (みんなに開いてつくる文化へ) ※D.A. Norman, (1990) 誰のためのデザイン? , 新曜社 . Human Computer Intaraciton ( HCI )の分野では、ジョージア工科大学の Aware Home Project が 1999 年に Living Laboratory という概念を取り上げて研究を行った( Cory et al.1999 ) 欧州委員会は 2013 年のダブリン宣言で、オープンイノベーション 2.0 をオープンイノベーションの新たなパラダイムとして考え、欧州全体で推進していくこと ・ 世界に発信していくことが決議され、「 Open Innovation 2.0 Yearbook 」では、 Living Lab が多く取り上げられている 1980 年代にパーソナルコンピューターが普及したとき、人としての使いやすさに焦点を当てたユーザ中心設計 Norman ( 1986 )が提唱された。 これは 限定的な関係者による設計の限界 に対して、 実際のユーザの巻き込 むアプローチ であり、その後 サービスデザイン [Stickdorn;2012] など に拡張されていった。また、企業イノベーションにおける オープンイノベーション [Chesbrough;2003] や行政運営における 市民参加の梯子 [ Arnstein ; 1969] など、さまざまなセクターのモノづくり(コトづくり)においても、関係者に開いてつくる文化( デザインの民主化 )へのシフトが志向されている。 特徴 • ユーザの巻き込み( user involvement ) • 共創( co-creation ) • 価値協創( joint-value ) • ガバナンス( governance )

系譜 3 : 参加型デザイン (使うものを自らつくる権利へ) ※S. Bodker et al. (2021) Participatory Design, Springer. 職場の生産性を高めるために技術システムを導入したい経営者と、自分たちの労働の現場に技術システムを入れることに不満を持つ労働者との対立に対して、第3の道として、民主主義的な方法で問題解決を図ったのが参加型デザイン ノルウェー鉄・金属労組の技術プロジェクト( 1970 年~) スウェーデンの DEMOS プロジェクト( 1975 ~ 1979 年) デンマークのプロジェクト DUE ( 1977 ~ 1980 年)など 北欧 リビングラボの源流と言われる 参加型デザイン [Nygaard,1975] は、 社会 民主主義的な 理念を持ち、 生活者やユーザ の 権利 として、自らが身の回りにある組織構造やプロセス(社会 技 術システム: Socio-technical system[Trist,1951] )に対して 主体的に関わっていくことが基本的な 考え方 となっている。形を持つ製品から、形を持たないサービス、さらには組織や社会についてまで、それを設計・運用することに主体的に関わる活動が展開されてきた。 特徴 • エンパワーメント( empowerment ) • 自発性( Spontaneity ) • ガバナンス( governance ) • ラピッドプロトタイピングと評価( rapid prototyping & testing )

リビングラボが示すパラダイムの変化 系譜1:現場で学びを得る科学へ 系譜2:みんなに開いてつくる文化へ 系譜3:使うものを自らつくる権利へ WHERE 現場で       学びを得る              WHO         みんなに         開いてつくる WHY 使うものを 自ら つくる

リビングラボで促される 3 つの効果 1.現場で学びを得る → 現場の統合性が    社会構造に対するリサーチを促す   ≒ システミックデザイン WHERE 現場で       学びを得る              WHO         みんなに         開いてつくる WHY 使うものを 自ら つくる 2.多様な当事者に開いてつくる → フェアな関係で   多面的なリサーチを促す   ≒ インクルーシブデザイン 3.使うものを自らつくる → 違和感・当事者性が   企画者の自分ごと化を促す   ≒ アクションリサーチ / 当事者デザイン

リビングラボのアプローチが有効な事業 領域 企業がサービスを一方的に提供するだけでなく、それを利用・運用す る 人・団体が 一体的 に変容する必要がある領域において、 Co デザイン / リビングラボのアプローチが有効 Carayannis , E.G., Campbell, D.F.J., 2009. “Mode 3″ and “Quadruple Helix”: toward a 21st century fractal innovation ecosystem. Int. J. Technol. Manag 46, 201. 4 重螺旋モデル: Q uadruple H elix Model 生活者 暮らしの現場にいる アクター 企業 テクノロジーや ビジネスによる実現 行政 公共的な政策の 再形成 大学 人文学、社会科学、 自然科学 の知の活用 リビングラボ 実生活環境に おける実験 産:住民との都市開発、地域事業者と地域銀行・インフラ会社、患者と製薬会社、(公益性  JT )、利用者とプラットフォーム提供者(バス会社、メルカリ ) 官:住民と地方公共団体 学:利用者と研究者(社会的インパクト、社会実装、 ELSI 、 RRI )  民:受益者と NPO ・市民団体(部分的解決では取り残されてしまう人々がいる) 地域銀行・インフラ会社・自治体等 地域事業者と 一緒に 地域経営を考える 中央官庁・自治体・デベロッパー等 生活者・当事者と一緒に 政策や官民協働プロジェクトを考える (プロセスエコノミー等) 図 1 :社会システムの構造 (個人と社会の相互関係) ※Kimura A., Haraguchi H., Yamauchi Y., Matsuura K., (2023) Social System Design Methodology for Transitioning to a New Social Structure - A Holistic Urban Living Lab Approach to the Well-being City -, Front. Sociol. Sec. Sociological Theory, Vol. 8. サービス・プラットフォーム提供者等 ( CtoC マーケットプレイス、製薬会社 ) 利用者と一緒に プラットフォーム利用体験を考える 社会的インパクトを志向する研究者・開発者 生活者・自治体・企業と一緒に 研究の社会実装を考える (現場の統合的な課題把握)

会議シンギュラリティ ~ AI たちと考えるこれからの地域

自治体職員 ・審議会などを開くが、ポジショントークで終わり、議論が深まらない ・統合的に政策課題を議論する場がない 企業担当者 企業の意図 複数の生成 AI が多様なアイデアを出す機能検証から、 空気社会において議論が深まらないという地域の構造的課題の解決へと課題設定を変更 地域住民 / 事業者 複数の生成 AI が対話する新たな技術開発を行っているが、具体的に社会や地域のどの場面で有用に使えるのかユースケースが見えていない ・従来の年功序列や忖度などで、限界に近付いている地域の現状が変わって行かない ・地域の未来についてフラットに話す機会がない 地域の意図 企業がリビングラボへ支払う対価(資金)を活用し、 地域の統合的な政策課題を従来の慣習(空気社会における議論の場)から離れて議論できる仕組みづくり検討 大牟田リビングラボでのあるプロジェクトの始まり 大牟田リビングラボ 課題の再設定・ 統合的実践

複数の生成 AI が対話する新たな技術のユースケース探索 NTT 研究所が掲げる「技術コンセプト」に対して、 地域の産業・福祉課題、また意思決定プロセスの課題等の リアリティを踏まえたユースケース・ UI ・ UX の具体化 をすることに 大牟田リビングラボが伴走

忖度と縦割りによる 地域 / 組織における「議論・意思決定」のボトルネック 地域においても、企業においても、忖度・縦割り・形式的な合意形成によって、実質的な議論や創発が生まれにくい構造がある (サービスデザインのプロジェクト範疇だと起こりづらいが。。。)

権力勾配や認知的不正義の起きやすい地域 / 組織における 「議論・意思決定」のボトルネック たとえば、介護予防がテーマで、医者、看護師、行政職員、市民が議論しているとすると、以下のようなボトルネックが発生する 医師 行政職員 看護師 市民 関係性上、言いたいことが言えない 専門的な知識がなくて話しづらい 民間人の発言には気を遣う 権力があり自分だけの目線で語 りがち

忖度と縦割りによる 地域 / 組織における「議論・意思決定」のボトルネック 空気社会、縦割り構造の日本においては、特に、現場の価値に根差した議論が深まりずらい構造(ボトルネック)がある アイデア出し ディスカッション 意思決定・優先順位付け 意見交換 (ポジショントーク) 目標・目的 / 論理・根拠 ビジョン・判断基準・制約 議論の広がり 議論の深まり 地域のイベント ( WS 等) 多くの審議会・協議会 ・業界団体内 ほとんど存在しない (「意見交換」化している) 意思決定者が決定 地域 / 組織における「議論」 地域の 審議会 企業の 経営会議 地域の 審議会 企業の 経営会議 アイデアの広がり 当事者参加:多 (市民、現場担当者、ユーザ) 当事者参加:少 当事者参加:なし 磨かれた意見 選ばれた意見 決定された施策 当事者参加: - それぞれ、担う役割としての意見はある(公式見解)

地域 には多くの「会議」がある 一方で、「議論」になりづらい (構造的な問題) テクノロジーが発展している 現状、効率化への活用 積極的な議論・意思決定 (やらないことを決める) 「人の可能性を引き出す」 テクノロジーの活用 労働供給制約と呼ばれる構造的な人手不足 地域の議論における構造的問題を解決する「会議シンギュラリティ」 ① 大牟田における中小企業の生産性向上に向けた施策の検討 ②大牟田における 介護予防施策の検討 議論・意思決定が 必要な地域のテーマ 知識はあるが文脈を読まない AI の発言機能

・本イベントの趣旨説明 ・生成 AI 技術についての説明 テーマ : 中小企業支援&介護予防 午後の部   14:30 – 16:30 テーマ |開会    15 分 ・ AI たちによるアイデア出し ( パート1 ) ・個人ワーク→グループ内共有→全体共有 |会議前半  40 分 |休憩 ・ AI たちによる議論 ( パート2 ) ・個人ワーク→グループ内共有 ・グループワーク→全体共有 |会議後半  45 分 ・アンケート記入等 |閉会    5 分 ・本イベントの趣旨説明 ・生成 AI 技術についての説明 14:30 – 14:45 |開会 ・ AI たちによるアイデア出し ( パート1 ) ・個人ワーク→グループ内共有→全体共有 14:45 – 15:25 |会議前半 15:25 – 15:30 |休憩 ・ AI たちによる議論 ( パート2 ) ・個人ワーク→グループ内共有 ・グループワーク→全体共有 15:30 – 16:15 |会議後半 ・アンケート記入等 16:15 – 16:20 |閉会 会議シンギュラリティの流れ

人間が安心して発言できる場で「 AI 同士の発言」を見る効果 AI が 余白 の ある 80 点程度の発言 人間側が無礼講状態になり、発言可能な領域が増えた ・ 「 AI に余白がある( 80 点程度の回答)」にチューニングしたことよって、人間の発言が引き出された ( 30 点では AI の発言に乗ることができず、 100 点では発言の余白がない) ・ AI のある程度の精度のポジショントーク発言は、同じ属性の専門家が「 AI には負けたくない」という意識になり、 「◯◯の観点が足りない」というような批判 が出やすい状況が生んだ ・一方で、 地域のコンテクストをできるだけ踏まえることで、人間が AI に親和的な印象 を持つとともに、抽象的な議論ではなく「地域の議論」を深めることができた(例:「スーパー」を固有名詞「ゆめタウン」「イオン」にする、介護予防の実情を事前学習させておく等) ・地域では序列があり、それに応じた意見しか言えない状況があるが、 AI が空気を読まず、通常言えない関係においてはっきりとした発言をすることで、 人間側が無礼講状態 になり、発言しやすくなった(例えば、作業療法士が医師に意見を言うことは難しい、など) 同じ属性の専門家が AI に付け足す・批判するなど発言が引き出された 通常言いづらい関係でも、 AI が空気を読まずはっきりと批判

地域 / 組織における権力勾配や認知的不正義を調整 たとえば、介護予防がテーマで、医者、看護師、行政職員、市民が議論しているとすると、以下のようなボトルネックが発生する 医師 行政職員 看護師 市民 関係性上、言いたいことが言えない 専門的な知識がなくて話しづらい 民間人の発言には気を遣う 権力があり自分だけの目線で語 りがち AI という人とは異なるバイアスを持つ存在を含めて対話することで 地域 / 組織で発生しやすい 権力勾配()や認知的不正義()を調整することができる

権力勾配や認知的不正義を調整するメカニズム  権力勾配と認識的不正義( epistemic injustice ) 通常の会議には、トークニズム(形式的な参加)や、権力勾配・認知的権力があるが、それを乗り越えられる可能性 ただし、客観的で正しいと思うバイアスと、いい加減と思うバイアスが、場・組織によって異なるがそのチューニングが必要 認識的不正義 参加者の主体性を奪わない体験設計 「認識的不正義( epistemic injustice )」**という哲学的概念は、 イギリスの哲学者 ミランダ・フリッカー( M 証言的不正義 女性は感情的 解釈的不正義 セクハラ・トラウマが説明できておらず、理解してもらえない  実態と言語の乖離 空気社会など、

AI 体験デザインのアプローチ 効率性 創造性 これまでにない 可能性を 引き出してくれる AI 前例を踏まえて 妥当な解を 導いてくれる AI 忖度と縦割りを超えて - 生成 AI と創る新たなイノベーションの土壌 - 新規事業・地域創生の壁である昭和型の忖度・縦割りを乗り越え、生成 AI と共に令和型イノベーションを拓く「会議シンギュラリティ」体験をご紹介します。

事例:地域事業者・行政職員等と考える生成 AI 技術 ( 1 )技術・社会実装課題 ・ 複数の生成 AI が多様なアイデアを出すという技術コンセプトが資する、具体的な社会課題 が見えていない →仕組みを変えることで、空気社会において議論が深まらないという地域の構造的課題が解決されうる可能性をを知った。 ( 2 )生活課題 ・従来の年功序列や忖度などで、限界に近付いている地域の現状が変わって行かない ・地域の未来についてフラットに話す機会がない ( 3 )政策課題 ・審議会などを開くが、ポジショントークで終わり、議論が深まらず、統合的に政策課題を議論する場がない ( 4 )課題の捉え返し ・地域の持続に向けた「問題の根源 ※1,2 」の議論がないと、多様なアイデアは無意味 ※1 : ⽣ 活を維持するための労働⼒を⽇本社会は供給できなくなる(古屋) ※2 :地域間・男女間の賃金格差や、様々な場面にある . アンコンシャス・バイアス(無意識の思い込み) (冨山) 技術の 社会実装課題 リアルな 生活・政策課題の把握 人文社会学の知に基づく 課題再設定 現場での統合的な 体験プロトタイピング (5) 会議シンギュラリティ それぞれ の課題が重なる領域を捉え返し新たな課題「自分の言葉が出る会議」を設定 ・具体的な示唆を得ることができる場として、 知識はあるが文脈を読まない AI の発言機能を活用した議論・意思決定ができる会議「会議シンギュラリティ」を 企画・開催

事例:専門職・行政職員等と考えるヘルスセンサー技術 ( 1 )技術・社会実装課題 ・睡眠センサー・電力センサー を 活用した軽度認知障害の検出アルゴリズムの開発をしている ・他地域で実証実験を行う際、参加者が集まらない。何が足りないか検討がつかない。 →仕組みを変えることで、空気社会において議論が深まらないという地域の構造的課題が解決されうる可能性をを知った。 ( 2 )生活課題 ・高齢者扱いをされる「デイサービス」、高齢者だけが集まる「サロン」以外の 居場所がない ( 3 )政策課題 ・ 介護予防、地域の担い手不足への対応において、高齢者の想いや意欲を中心に据え、引き出すような施策が検討・実施できていない。 ( 4 )課題の捉え返し ・参加へのためらいの背景には、「体調の変化、特に疾病の予兆をあらかじめ知る」ということへの不安や恐れがあり、さらに「センサーを介して知る」ということがその不安や恐れを大きくしているのではないか。 (村瀬、上岡、石川、北嶋) 技術の 社会実装課題 リアリティを踏まえた 生活・政策課題 有識者知見に基づく 課題再設定 地域の現場での プロトタイピング (5) わくわく人生サロン それぞれ の課題が重なる領域を捉え返し新たな課題 「知ることのデザイン」 を設定 ・具体的な示唆を得ることができる場として、一人ひとりにフォーカスした場で多様な人に出会い、ユニークな「自分を知り直す 」わくわく人生サロン を 企画・開催 技術の 社会実装課題 リアルな 生活・政策課題の把握 人文社会学の知に基づく 課題再設定 現場での統合的な 体験プロトタイピング
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