Japanese 2025 0930_Monthly Update_150dpi.pdf

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About This Presentation

■ 2025年1-8月で世界PEV販売台数1,250万台で前年比25%増
 ◎ EV、2025年間予測2,250万台で世界シェア25% (2025年、世界の自動車販売台数予測約9,000万台)。
 ◎ 売れるOEMと売れないOEMが明確になってきており、更に差が拡大する傾...


Slide Content

September 30, 2025
名古屋大学 モビリティ社会研究所 客員教授
野辺 継男
CASE、MaaS、SDV (含:自動運転 )の
世界動向調査・分析

Agenda
1
1.重要なポイント
2.9月の海外動向 まとめ

2
重要ポイント
◼2025年1-8月で世界PEV販売台数1,250万台で前年比 25%増
➢EV、2025年間予測 2,250万台で世界シェア25% (2025年、世界の自動車販売 台数予測 約9,000万台)
◼米国;7月と8月の両方で、 EVの平均取引価格は内燃機関車を $600下回った
➢EV税額控除 廃止後自動車OEMは徐々にEVの供給を減らし一度高くなる。価格低下傾向から、数年後再度より安くなる。
◼欧州の自動車販売は EVへの関心の高まりにより 15ヶ月ぶりに過去最大の増加
➢一方、Teslaの販売台数は 7月40%減少し、市場 シェアはわずか0.8%に落ち込んだ
◼IAAでVW、BMW、MBは起死回生 BEVを発表。同時に排ガス規制緩和を求めた
➢BMW、MB、VWは米国Tesla、Rivian、中国新興 EV(Xpeng等)と同様の「ゾーン型 SDV」 としてBEVをゼロから作り直した
➢「ゾーン型SDV」にする事で BMW、MB、VWは、(ハードとしてのクルマは同じで )中国向けにソフトだけ総入替えして販売
➢ドイツのメルツ首相及び欧州自動車会社幹部は、排ガス規制緩和 (来年・再来年の数字、 2035年の延期)を求めたが 、
「2035年までに排出 ガスゼロ」という期限の延期や撤廃までに は至っていない。
◼中国のPHEV(特にEREV)が欧州進出で IAAミュンヘンを席巻
➢特に、BYD、Xpeng、Leapmotor
➢BYDの欧州での重要戦略車である PHEV「Sealion 6」(EREVではない)は来年1月から日本でも販売開始される予定。
◼RivianとFordのCEOが「中国製EV技術がはるかに優れて いる」ことを主張
➢以前から、VW、BMW、Mercedes、Volvo、更にはTeslaも同様の認識を公言している 。
◼中国の戦略的技術エリアでは、欧米 VCの国内投資が意味を持たない可能性
➢中国の成長エリア企業は利潤を追求しない傾向があり、欧米企業が競合 しても利益を生めなる可能性がある 。

3https://www.spglobal.com/mobility/en/products/global-auto-demand-
tracker.html?utm_medium=banner&utm_source=autonews.com&utm_campaign=PC023769
Global Automotive Demand Tracker (S&P Global)
非NEV
(ICE、HEV)
NEV
(BEV、PHEV)
欧州、韓国、 ME&A、
南米、南アジアは
35%以上の拡大。
中国の伸びは 1桁。
中国の市場の大きさ
故に全体の成長は
11%。
世界的に国境を越
えているEVはほぼ中
国製なので、如何に
中国製EVの輸出が
拡大しているかを示
している。

Agenda
4
1.重要なポイント
2.9月の海外動向 まとめ

5
◼欧州自動車業界幹部、 EVの優位性を称賛する一方内燃機関禁止には警告
➢今週のミュンヘンモーターショーで、 欧州の自動車メーカー幹部たちは自社の新型 EVの素晴らしさを喧伝 する
一方で、10年後にはEVだけを販売するのは不可能だと EUに警告している。
✓Mercedes-BenzのKalleniusCEOは、ハイブリッド車と燃費の良い内燃機関が自動車業界の製品ラインナップに
残れるよう、政治指導者に対し、より柔軟な対応を促した。
▪ 非営利団体 T&Eが今週発表した報告書によると、 Mercedes-Benzは2025~2027年のEU排出量目標を達成できない
見込みの唯一の欧州自動車メーカー だ。
✓メッセージが矛盾しているにせよ、 2035年までに内燃機関車の段階的廃止を目指す計画を撤回するよう、欧州
連合(EU)に圧力をかけることを意図 している。
▪ VW、Mercedes-Benzグループ、Stellantisのトップ幹部は 8日、停滞する欧州自動車市場、 EV需要の不均衡、 BYDを筆
頭とする中国メーカーとの競争激化に直面する中、この禁止措置に反対する姿勢を 表明
▪ しかし、2035年までに排出ガスゼロの自動車のみを販売するという期限の延期や撤廃までには 至っていない。
➢ドイツのメルツ首相は 9日、業界の要求を支持し、 EUに対し、輸送部門の排出量削減に取り組む中で、複数
の技術に対してオープンな姿勢を維持するよう 求めた。
✓自動車メーカーにとって、差し迫った EVの禁止措置は、数百万人を雇用し、ドイツからフランス、イタリアに至るま
で各国経済の中心となっているサプライチェーン全体に大混乱をもたらす恐れがある。
➢一方、規制当局にとって、いかなる後退も EUの気候変動対策への信頼性を損ない、 EVの普及において中国
にさらに後れを取るリスクがある。
✓欧州委員会は、 2030年と2035年の自動車部門の目標の見直しを開始しており、来年には変更案を提案する
予定だ。
Bloomberg、9月9日(41)、(42)
欧州の動向 (EU/規制緩和 )

6
◼トランプ関税導入後、中国は安価な輸出品を世界に氾濫させている
➢習近平国家主席率いる輸出エンジンは、 5ヶ月にわたる米国の高関税措置下でも過去最高の$ 1.2Tの貿
易黒字を達成 した。
✓インドからの購入は 8月に過去最高を記録し、アフリカへの出荷は年間記録更新に向けて順調に推移し、東南ア
ジアへの販売はパンデミック期のピークを上回った。
Bloomberg、9月22日(10)
中国の動向 (トランプ関税の影響 )
▪ トランプ政権との関税交渉に巻き込まれている
国々は、世界第 2位の経済大国である中国と
の新たな貿易戦争に踏み切ることに消極的
▪ 一方、インドネシアの前大統領は、国内産業を
保護するため 200%の関税を課すと警告し、ブ
ラジルは中国製鉄鋼への関税を引き上げた。
➢結局、多くの外国の指導者にとって、中国の膨大
な工場群から自国経済を守ることは困難だった。
✓「米国の保護主義は、中国の輸出業者が非常
に競争力が高いため、形骸化している」、「積
み替えや生産後工程の低関税国への移転と
いった回避策も豊富にある」 (Gavekal
Dragonomics)
▪ 中国が米国に販売した製品と BRICS諸国に輸
出した製品にはほぼ 50%の重複があり、米国
がもはや購入していない製品の多くは他の市
場に輸出できることを示唆している。

7
◼中国対米輸出は 33%減少したが貿易黒字は過去最高へ
➢中国の輸出の伸びは、米国向け出荷の落ち込みが再び深刻化したことで 6カ月ぶりの低水準に鈍化した。
✓しかし、他市場への販売が急増したことで、 今年の貿易黒字は$ 1.2T超と過去最高を更新する見込み 。
▪ トランプ大統領による中国製品への 55%の関税導入により米国からの直接的な需要が激減したことを受け、 8月の最新
統計は世界貿易の流れが分断されている状況を改めて浮き彫りにした。
➢輸入の伸びが低迷する中、 中国は輸出を米国以外の市場に振り向けることで、今年最初の 8ヶ月間で
$785B強の貿易黒字を計上 した。これは2024年の同時期と比べて約 3分の1増加している。
✓東南アジア 10カ国からなる貿易圏への 輸出は約23%増加し、EUへは10%、アフリカへは 26%増加した。
▪ しかし、価格の下落と熾烈な競争により、輸出収入が増加しているにもかかわらず、多くの企業が赤字に陥っており、 7
月までの1年間で工業利益は約 2%減少した
Bloomberg、9月8日(50)
中国の動向 (トランプ関税の影響 )

8
◼VCのロードトリップで中国投資不可能性が明らかに
➢欧米企業に所属するベンチャーキャピタリスト 8人が、中国を巡り「中国がバッテリーやエネルギーに関わるあ
らゆる分野で大幅に先行していることを目の当たりにし、欧米の競合企業がどうやって生き残れるのか疑問
に思った」。
➢現実的に「バッテリー製造・リサイクル、電解装置、太陽光発電、風力発電用ハードウェアなどでは、 (中国が
圧倒的に進んでおり )欧米のスタートアップ企業への投資はもはや意味がない 」と判断した。
➢また、中国では 株主の利益が「ほとんど無視され、慢性的な過剰生産能力と容赦ない価格競争によって企
業資産が毀損されている」ため、投資対象にならない とも述べている。
➢中国成長企業の特徴 :
Bloomberg、9月21日(11)
中国の動向 (VCが見た投資環境 )
資本の理論、
大きく言えば
資本主義が
通用しない。
(米国も別な
視点から、資
本の理論が
通用しなくな
りつつある)
✓VCによると、中国の悪名高い「 996モデル」(週6日、午前9時から午後 9時までの労働)は公式に
は禁止されているものの、依然として 労働市場の規範 を形成している 。
✓中国のモデルは「国家権力と消費者の力に大きく依存しているが、 (利益優先ではないため )投資
家の経済的利益はあまりない 」。
✓中国企業は「市場投入しやすく、理解しやすく、規模拡大しやすいもの」から始め、その後「 とんでも
ないことをやる 」。
✓「最先端の製造ラインを見ると、追いつくのは無駄だ、絶対に無理だと悟る ことになる」。
✓「あらゆる場面で現地のサプライヤーを見つけることができ、 多くのサプライヤーが自社の製造プロ
セスを適応させて協力してくれる 」。

9
Bloomberg、9月8日(48)
中国の動向 (対ロシア)
◼ロシアへの輸出減少で中国自動車メーカーの一部に再考を迫る
➢ウクライナ侵攻後、ロシアは中国自動車メーカーにとって魅力的な市場へと変貌を遂げ、外国ブランドが残し
た空白を埋めようと躍起になっていた。しかし、その容易なアクセスは終わりを迎えるかもしれない。
✓モスクワは2024年後半、輸入車に対する「リサイクル料金」の引き上げを開始した。これにより、 1リッターまたは
2リッターエンジン搭載の乗用車の価格は$ 8,000相当以上も上昇 する。
✓一方、高い借入コスト は消費者の重荷となり、 ロシアの自動車販売は上半期に 27%減少した。中国車の輸入は
同期間に62%も減少した。
➢ロシア市場の縮小は、すでにロシアで最も人気のある中国自動車ブランド上位 3社に打撃を与えている。
✓昨年の中国の自動車輸出全体の約 5分の1がロシア向けだった。
✓「ロシアにおける中国ブランドの市場シェアは 50~60%という
上限に近づいており、今後の成長は現地の政策や市場のキャ
パシティによって制約される可能性がある」 (Third Bridge)
▪ Geelyホールディングスの輸出は今年最初の 8ヶ月間で8%減少し
た一方、Great Wallはほぼ横ばいだった。中国最大の自動車輸
出メーカーである Cheryの海外出荷は同期間に 11%増加したが、
前年の25%増からは減少した。
▪ ロシアに公式拠点を持たない中国最大の自動車販売メーカー
BYDの海外販売台数は 2倍以上に伸び、 Cheryに対し輸出シェア
の座を狙っている。

10
◼中国製EVがカナダの農家を助けるために間もなく流入する可能性がある
➢カナダは昨年 10月に課した 100%の関税の撤廃を検討している 。(CTV News)
✓これにより、中国製のより安価な(そして多くの場合、より高品質な) EVがカナダに大量に流入する可能性 がある。
▪ 米国と同様に、カナダは中国からの EVの輸入に100%という高い関税を課し、それに対して中国政府は、カナダ産のキャ
ノーラ粕、キャノーラ油、エンドウ豆に 100%の関税を課した。
▪ カナダは2024年にキャノーラ油と関連製品を中国に約$ 3.6B輸出しており、大豆、大麦、エンドウ豆、食肉の主要供給
国でもある
✓カナダが中国製 EVへの100%の関税を撤廃すれば、中国へのアクセス が出来、カナダの農作物 を輸出できる可能
性がある。
➢カナダ政府のデータによると、 2025年第2四半期の新車登録台数は増加したものの、 EV販売台数は前年同
期比で39.2%減となっている。
✓第2四半期の新車販売台数に占める EVの割合は8.6%で、前年同期の 18.3%から減少した。
▪ 一部の州で EVに対する金銭的インセンティブが廃止されたこと も、EV購入者が減少している一因だ。
✓関税がかからない中国製 EVが流入すれば、購入者は EVに再び乗り換え、カナダの電動化を加速させる可能性が
ある。
insideEVs、9月11日(35)
カナダの動向

11
EVの動向(全世界販売台数 )
◼世界のEV(BEVとPHEV)販売台数、 8月170万台で前年同月比 15%増
➢Rho Motionによると、170万台の内訳は、 BEVが116万台、PHEVが57万台。
➢1-8月で、EVの販売台数は 累計1,250万台、2024年同時期比 で25%増。
+18%
+50%
+29%
+29%
+24%
+24%
+21%
➢中国; 760万台。25%増。
✓年初来成長率は鈍化 。
▪ 2024年7月と8月は、NEV下取り制度
の拡大により高成長となった時期 。
➢欧州; 260万台。31%増。
✓独45%増、伊41%増、英31%増。
▪ BYDがSeal Uが販売を拡大している。
➢北米; 130万台。6%増。
✓米国のEV販売が8月増加。
▪ 9月も好調だが、 4四半期は減と予測。
✓カナダは、累計で前年比33%減。
➢その他; 100万台。44%増。
➢直近3ヶ月間販売台数は年率 2,000万台。
✓IEAは2020年、2025末の世界の EV
の普及台数を 5,000万台と予測した
が、8月までに7,070万台に達した。
+15%
世界の自動車販売台数
年間予測約 9,000万台 (2025年)
EV 2,250万台でシェア25%
rho motion、9月12日(32)

12
EVの動向(米国/EV)
Automotive News、9月17日(20)
◼税額控除終了が近づく中、 7月のEV登録台数は 27%増加。テスラは減少
➢S&P Global Mobilityによると、EV購入者は7月、9月30日に期限を迎える$ 7,500の税額控除を申請する
ためディーラーに殺到し、既存メーカーの EV新規登録台数が 27%増加。
✓EVのシェアは、 2024年7月の8.5%
から8.9%に上昇した。
▪ 第3四半期のEVの新車販売台数
が過去最高を記録 し、8月の市
場シェアは10%に達する見込み
(Cox Automotive)
➢Teslaは7月の急成長の波に乗り遅れ、
5車種の売上は前年同月比で減少し、
全体では13%減少した。
✓Teslaは、引き続きEV市場をリード
しているが、 Chevrolet、ホンダ、
VWなどのブランド に購入者が殺到
したため、同月の EV登録台数を押
し下げた。これらのブランドは前年
同月比で2倍以上に増加した 。
▪ Tesla Model Yの7月のインセン
ティブは、1台あたり$ 7,429、
Prologueは$12,946

13
EVの動向(米国)
insideEVs、9月23日(9)
◼アメリカではEVがガソリン車より安くなっているが、長くは続かない
➢J.D. Powerのデータによると、 7月と8月の両方で、 EVの平均取引価格は内燃機関車を $600下回った。
✓「One Big Beautiful Bill法」により、EV税額控除の期限を 9月30日となり、EVの在庫処分に躍起になる中、 メー
カー各社はディーラーから車を売りさばくためのインセンティブを惜しみなく提供 している。
▪ 先月、平均的な新車 EVの価格は推定$ 44,908で、ガソリン車の実勢価格$ 45,521より約$600安かった。
▪ J.D.Powerによると、8月にはEV1台あたりのメーカーによる 補助金支出額は平均で約$ 7,500に達した(内燃機関車は
約$2,500)。この数字は最近さらに増加していた 。(差額$5,000)
➢8月には米国の自動車販売台数に占める EVの割合
が過去最高の 9.9%に達した。(Cox Automotive)
✓バッテリー駆動車の販売が急増しているが、その
成長ペース は鈍化している。
▪ 調査によると、その大きな要因は、 アメリカ人が EV
を購入できないこと にある
▪ EVの価格が来年内燃機関の価格を上回り、 EVの
販売は短期的には伸びないと予想 (J.D.Power)
✓EV税額控除 がなくなれば、自動車OEMは徐々に
供給を減らし、インセンティブも低下 していく
(J.D.Power)
▪ 排出ガス規制が緩和されたことで、自動車メー
カーはEVを販売しなければならないというプレッ
シャーが既に大幅に軽減されている。
但し、現在の
EVと内燃機
関車の販売
価格差
$5,000は、
これまでのEV
の価格低減
から見て1-
2年で再び、
安くなると予
測される

14
EVの動向(米国/ピックアップEV)
Bloomberg、9月17日(19)
◼これらのEVトラックメーカーは「手頃な価格」の再定義を目指している
➢10年前、$25,000以下の新車は、 43種類ものモデルがあった 。しかし、Cox Automotiveによると、現在で
は5種類しかない。そして EVは1つもない。
✓パンデミックによるサプライチェーンの逼迫がピークに達した際、自動車業界の幹部は部品の調達に苦労し、わ
ずかな部品をより高価で豪華な車に投入 した。
➢米国の新車平均価格は現在$ 49,100で推移しており、
2019年夏の価格から 3分の1近く上昇。
✓Cox Automotiveによると、EVの平均価格はさらに高く、
業界全体よりも$ 8000高くなっている。
▪ パンデミックによるサプライチェーンの逼迫がピークに達
した際、自動車業界の幹部は部品の調達に苦労し、わ
ずかな部品をより高価で豪華な車に投入した。
▪ 多くの点で、彼らは決して後戻りすることはなかった 。
✓$35,000以下の予算で購入を検討している人にとっ
ては、必要な機能 は少ない。
▪ 一般的に、予算を重視するドライバーは 安全機能には
惜しみなくお金を使う 一方で、革張りのシート、ヘッド
アップディスプレイ、先進運転支援システムには無関心
✓Slateは、タッチスクリーン、アンビエントライト、シート
ヒーター、エアコン、四輪駆動、ステレオ、そして事実上
あらゆる種類の運転支援機能 も除外し安くした。

15
EVの動向(欧州)
Bloomberg、8月28日(64)
◼欧州の自動車販売は消費者の EVへの関心の高まりにより 15ヶ月ぶりに過去
最大の増加
➢トランプ米大統領による関税導入でサプライチェーンが混乱し、 BYDをはじめとする中国メーカーが手頃な価
格のEVで市場を席巻する中、欧州の自動車メーカーは依然として逆風に直面している。
✓BEVとPHEVの需要は堅調だったものの、プラグイン充電器を搭載しないハイブリッド車が引き続き欧州市場で最
大のシェアを占め、新規登録車の 3分の1以上を占めている 。
▪ Teslaの販売台数は先月 40%減少し、市場シェアはわずか 0.8%に落ち込んだ。
✓一部の国では、補助金の復活や延長によって EV需要の喚起を図っている。

16
EVの動向(欧州/中国製EV)
Bloomberg、9月1日(62)
◼中国のハイブリッド車、 EVが欧州進出でミュンヘンを席巻
➢BYD、Xpeng、Leapmotorなどは、IAAモビリティ2025で新型モデルを披露し、ラインナップの拡充と近年の
業績拡大を目指している 。
✓中国国内ではEV価格競争が激化し、収益性の高い米国市場は貿易摩擦により事実上閉鎖状態にあるため、
欧州市場への進出はますます加速している。
▪ 関税の対象外となるハイブリッド車や内燃 機関車の追加、現地販売提携の締結、生産の一部現地移転 は進んでいる 。
✓7月の欧州市場における 中国製EVの好調が続き、ハイブリッド車の販売シェアは過去最高 の9.7%に達した。
➢欧州自動車工業会は先週、7月のEU、英国、EFTA加盟国
におけるPHEVの販売台数が 52%急増したと発表。
✓一方、EVの登録台数 は34%増加し、欧州の新車市場は
過去15ヶ月で最大の増加を記録。

17
EVの動向(欧州/EVバッテリー)
Bloomberg、8月28日(65)
◼欧州はEV用バッテリーの重要性を維持するためにリセットが必要
➢欧州はバッテリー製造における存在感を維持するため に、中国BYDとCATLの優位性に対処 したい。
✓国産産業育成の取り組みが行き詰まっている中 、欧州にとって最大のチャンスは、 中国の大手メーカーとの提携
を拡大すること だが、そのためには 貿易政策と補助金政策を見直す必要 がある。
➢BYDとCATLはここ数ヶ月、 欧米企業が市場に投入している技術を上回る超急速充電技術を発表 した。
✓BNEFのレポートによると、現在または計画中の全固体電池生産能力の 約83%が中国にある 。
▪ 欧州連合 (EU)と民間投資家は、中国のバッテリーメーカーに €数B規模の資金を投入してきたが、英国 のBritishvoltと
スウェーデン のNorthvoltの破綻など、目立った挫折もあった 。
▪ StellantisとMercedes-BenzのAutomotive Cells CompanyやVWのPowerCoも計画を縮小または延期している。
▪ 欧州の政策立案者は保護主義的な措置にますます注力しているが、その実施は容易ではない。
▪ 中国は頭脳だけでなく、製造能力も備えている。
✓EUは、規則を変更し、中国の優位性の現実を認める以外に選択肢はほとんどない。
▪ 欧州の有力バッテリー企業 2社、Automotive Cells CompanyとRenaultが出資する VerkorもEUの資金援助を受けており、
生産能力は約 24GWh。
▪ それに対して、全世界の生産能力は現在 3,860GWで、内CATL
は1,850GW。
▪ CATL、CALB、Gotionなどは、欧州での生産能力増強を進めて
おり、既にこの地域の企業と提携して いる。
▪ 一方、中国企業は利益率の高い欧州市場の一部を獲得したい
と考えており、北京は EUと協力して中国製EVへの関税を引き下
げ、自国のバッテリーが貿易上の障壁を防ぐことに熱心

18
EVの動向(中国製EV)
insideEVs、9月1日(60)
◼Rivian CEOが中国製EVに関する誤解を解説
➢中国のEVがアメリカに進出する脅威 について、「誰もがそれに備えて計画を立て、それを中心に技術スタッ
クを設計すべきだ と思います」と彼は述べた。しかし、 コストへのこだわりは全くの誤りだ と彼は主張する。
✓例えば、$10,000のBYDでも、アメリカでは その価格で売る 可能性はゼロ 。
✓アメリカで販売される中国車は、異なる安全基準を満たす必要があり、コストが上昇する。
▪ ヨーロッパでも同様で、超安価な BYD Seagullが、若干の改造を施した上で約 €23,000で発売された。
▪ 更に、関税要因がそれらを超えている。しかし、それでも欧米のクルマより安くなる 。
✓たとえBYDがアメリカで作ったとても、中国の販売価格と同じようには安く できない。
➢「憂慮すべきなのは 、(コストよりも)技術がはるかに優れているということ だ。車は実際に優れている」と彼は
中国のEV業界に言及 した。
✓その基盤となるアーキテクチャは、従来の自動車システムよりも、消費者向け電子機器の世界と多くの共通点を
持つことが多い。つまり、 TeslaやRivianと同様に、頻繁かつ大幅なソフトウェアアップデートが継続的に行われる。
✓業界を象徴する最良のモデルは、 XiaomiのSU7
▪ R.J.Scaringe氏はこれを「驚くほどよくできた車」と評した 。
▪ FordのCEO、Jim Farley氏は最近、 中国は「はるかに優れた車載技術」を有しており、中国の自動車産業は「私がこれま
で見てきた中で最も謙虚にさせられるものだ」 と述べている。
✓「起こるのは 2つのうちどちらかだ。関税を課してコストを同等にするか、中国メーカーがアメリカで生産することを
許可するかだ」 (R.J.Scaringe氏)

19
EVの動向(中国/EREV)
CarNewsChina、9月25日(3)
◼Xiaomi、GWM、LeapmotorのPHEVは来年80kWhのバッテリーを搭載する予定
➢中国メディア 36Kr Autoによると、Xiaomi Kunlun EREVクロスオーバー (YU9?)と長城汽車(GWM)の一部
モデル、およびLeapmotorのDシリーズのPHEVは来年、80kWhのバッテリーパックを搭載する予定。
✓これらのモデルの EV航続距離 のみで400~500kmに達する可能性がある。
➢中国でPHEVとEREVを購入する人の多くは、内燃機関を使わずに EVとして使用する傾向があり、 内燃機関
は、近隣都市への移動など、まれにしか使用されない 。
➢36Krは、上記の自動車メーカーの一部が、 PHEVの軽量化を目的として、 三元系8シリーズ(ニッケル、コバ
ルト、マンガンの比率の内ニッケルが 80%以上)の高ニッケルバッテリー を採用すると予測している。
✓このクラスの PHEVで80kWhバッテリーを搭載した 場合、重量が3トンを超える可能性がある 。
▪ CATLは、来年、新世代の 8シリーズ高ニッケルバッテリーを発売する予定
LeapmotorD16。画像提供: Yiche
Zeekr 9XIM LS

20
EVの動向(中国/EV)
Reuters、9月17日(21)
◼中国は世界トップの自動車産業を急落させている
➢Reutersの調査によると、 業界が消費者需要ではなく政府の政策に影響された生産目標の達成を目指して
いるため、中国には世界最大の自動車市場である中国が吸収できる以上の数の自動車を生産している。
➢昨年、Changan (長安汽車 )、Dongfeng (東風汽車 )、FAW (第一汽車)などの国営自動車メーカー がEV競
争で民間メーカーに遅れをとる中、国有企業を監督する国家規制当局は、国有企業に対し、 収益性を重視
するのではなく、市場シェアと生産量の拡大を求める と発表した。
✓地方政府は自動車 OEMに(土地の等)インセンティブを与え、その見返りに生産量と税収の目標値を要求する 。
▪ 例えば、広州市は 3年以内に新たな生産ラインを建設し 10万台を生産したメーカーに対し、年間最大 5億元(約
$70M)を補助金として支給する。
➢中国で129あるBEVおよびPHEVブランドのうち、 2030年まで
に経済的に存続できるのは 15ブランドだと予測 (AlixPartners)。
✓中国のディーラーのほとんどで、過剰在庫で駐車場が溢れ、
ディーラーは値下げで対応しているため、 8月黒字のディーラー
はわずか30%だった。(中国自動車販売協会 )
▪ 走行距離計が走行距離ゼロでも、「中古車」として、海外に輸出
される車もある。
▪ 一部の小売業者は、売れ残った車を一括登録し保険に加入す
る。これにより、自動車メーカーは販売済みとして記録し、ディー
ラーはメーカーからのリベートやボーナスを受け取ることができる 。
▪ ディーラーは原価を最大 20%下回る価格で販売している (自動
車業界団体 CADA)

21
EVの動向(中国/不正広告 )
Bloomberg、9月10日(38)
◼中国、自動車業界の不正広告戦略を標的に
➢中国当局は、自動車メーカーやメディア企業による広告行為を違法とみなし、「オンラインの混乱」の一因と
なっている可能性のあるものを取り締まるため、 3ヶ月間のキャンペーンを開始した。
✓工業情報化部やサイバースペース委員会など 6つの機関が 10日に発表した文書によると、違反行為には、自動
車メーカーが自社の車両やバッテリーの仕様や品質を誇張することが含まれる。
➢中国自動車業界における長期にわたる価格競争と過剰生産能力は、自動車メーカーの利益を圧迫し、中
小企業を倒産に追い込んでいる。
✓激しい競争は、自動車の品質と安全性が損なわれているのではないかという懸念も引き起こしている。
➢同協会の声明では、「悪質な」自動車プロモーションの停止を求めている。
✓中国広告協会は先週、深刻な詐欺的製品プロモーションには最長 2年の懲役または拘留、あるいは罰金が科さ
れる可能性があると発表した。

22
Teslaの動向(商品/バッテリー)
◼Model Y、パナソニックの新セルで航続距離を大幅に向上か
➢Tesla Model Yは今年、「Juniper」と呼ばれるモデルチェンジを受け、待望のアップグレードを果たした が、約2
年後に、最先端のバッテリーセルの搭載により、 Model Yの航続距離は大幅に延びる可能性がある。
➢パナソニックによると、アノードフリーセルを使用すれば、航続距離は約 145km伸び、1回の充電で約 740km
弱走行可能になる。
✓後輪駆動の Model Yは現在、EPA航続距離で約 560km。
✓パナソニックは、グラファイトを完全に廃止することを計画している。
▪ 同社は、これによりニッケル、マンガン、コバルトといった活性正極材料のためのスペースを確保できると主張
✓パナソニックは、この技術を航続距離の延長だけでなく、現在の航続距離を維持しながらコストと重量を削減
✓また、ニッケルへの依存を減らす計画も立てている。
▪ 一方、GMは、高価なニッケルへの依存を減らすことを目指し、 2028年からトラックと SUV向けにリチウムマンガンリッチ
(LMR)バッテリーの開発を進めている
➢他社のアノードフリーセルの動向。
✓カリフォルニア のQuantumScapeは、VWグループと提携してアノードフリーバッテリーを開発している。
✓ミシガンのOur Next Energyも、BMW iXのプロトタイプで 966kmの航続距離を約束したデュアルケミストリーパック
の実験を行った。
insideEVs、9月18日(18)

23
Teslaの動向(ドアハンドル)
◼Teslaはドアハンドルの見直しを試みた
➢ドアハンドルは、ドライバー、助手席の乗客、善意の人、消防士、警察官など、誰でも一瞬で開けられる、シン
プルで直感的なレバーであるべきだ。
✓この問題は今、立法府の注目を集めている。
▪ Tesla Model Yの乗員が、衝突後に車両の電源が自動的に切れた後、ドアハンドル(技術的には電子制御式)が操作不
能になり、車内に閉じ込められたという事故も含まれている 。
✓Bloombergはドアハンドルの不具合がいかに頻繁に発生しうるかを実例と伴に指摘 している。
▪ Teslaは政府機関が実施する衝突試験では良好な成績を収めているが、その特徴である平面ドアハンドル、電動式、機械
式リリースなどは、乗員や救急隊員を困惑させている。そのため、衝突直後、命がけの時間との闘いとなる可能性がある。
▪ バージニア州での事故は、このパラドックスを浮き彫りにする一連の事故の一つだ。昨年 11月、カリフォルニア州では
TeslaのCybertruckが木と壁に衝突して炎上し、車内に閉じ込められていた大学生 3人が死亡した。
▪ 同じ月、ウィスコンシン州では Model Sが火災を起こし、 5人が死亡した。前部座席に遺体が密集していたことから、刑事
は脱出に苦労した可能性を示唆した。
▪ 今春、ロサンゼルスでは、オールアメリカン・バスケットボール選手が Cybertruckの事故で窓を蹴破り、通行人に足を引っ張
られて一命を取り留めた。
insideEVs、9月11日(34)
✓中国規制当局は、車両の基本操作に焦点を合わせた規制案 を検討中。
▪ ある匿名の自動車会社の研究開発担当者が、中国の規制当局が完全格
納式のドアハンドルの全面禁止に向けて準備を進めており、中国で販売す
る自動車メーカーは早急にこの規制に追随する必要があると語った。
▪ 噂されている解決策では、完全に隠れた外側のドアハンドルは無くなるが、
半格納式ドアハンドルや従来のドアハンドルでも、物理的かつ機械的な冗
長リリース機構があれば問題ない。

24
Teslaの動向(Musk氏)
◼Musk氏による$ 1BのTesla株購入で株価上昇
➢Elon Musk氏は、Tesla取締役会による前例のない報酬提案に対し、約$ 1B相当の自社株を購入することで
応じ、Tesla株価は通期でプラス圏に急騰した。
✓Teslaの自動車事業は引き続き苦境に立たされており、 Cox Automotiveは、米国EV市場における Teslaのシェア
が8月に40%を下回ったと推定している。
▪ 一方、投資家が株価の割高感を測る指標である Teslaの株価収益率( PER)は、利益期待の低下に伴い急上昇している。
Tesla株は現在、 12ヶ月先予想利益の約 186倍で取引されているが、 S&P 500指数の平均は 23倍。
Bloomberg、9月15日(22)

25
Teslaの動向(Musk氏)
◼Teslaの新しい'Master Plan 4'はEVを後回しに
➢Teslaのいわゆる「 Master Plan」は、過去20年間の会社経営の指針として、いわばその役割を果たしてきた。
✓一般の人々が遡って読むことで、 Teslaがより持続可能な交通手段の構築に、そしてなぜ、どのように取り組んで
いるのかを理解するのに役立つ文書群だ。
✓かつてTeslaが究極の目標としていた「手頃な価格の EVを世界中に提供する」という目標に向けて、 Teslaを軌道
に乗せてきたのは、まさにこの Master Planだった。
➢Teslaの使命は変化した。
✓「Master Plan 4」はEVの優先順位を下げてい るようだが、EVが同社のルーツであり 礎であることを認めている。
insideEVs、9月2日(61)
➢‘Master Plan 4‘のキーメッセージ:
✓「私たちは、EV、エネルギー製品、ヒューマノ
イドロボットの開発を通じて、この技術的ル
ネサンスの基盤を築く ために、20年近くもた
ゆまぬ努力を続けてきた」。
✓「私たちは製造能力と自律走行技術の能力
を融合させ、誰もが共有できる経済成長に
よって世界の繁栄と人類の繁栄を加速させ
る新しい製品とサービスを提 供し続ける」。
✓私たちはハードウェアとソフトウェアを大規模
に統合し、より安全で、よりクリーンで、より
快適な世界を創造 し続ける」。

26
VWの動向(バッテリー)
◼VW、手頃な価格の EVにLFPと自社製エレクトロニクスを採用
➢先週ミュンヘンで開催された IAAモビリティショーで、 VWグループは、 ID. PoloとID. Crossを含む、欧州で
$29,000(€25,000)以下から販売される予定の、次期小型 EVに搭載される新型バッテリー、モーター、エ
レクトロニクスの詳細を発表した。
✓VWはAPP290と呼ばれる全く新しい電動ドライブユニットを開発した。
▪ このユニットは、 Skoda、Cupraなどのブランド のVWグループの都市型車ファミリー EVの全モデルに搭載される予定。
✓この新型モーターは自社開発の永久磁石式ドライブユニットで、約 290Nmのトルクと最大 214馬力(160kW)を
出力する。
insideEVs、9月12日(30)

27
VWの動向(戦略)
◼VWグループCEOがEVと将来計画について率直に語る
➢VWグループのBlume CEOが現在、直面している課題は、 車載ソフトウェアの開発方法の見直し、自動運転や
EV・ハイブリッド車といった新技術への投資、欧州にも浸透しつつある中国での熾烈な競争、米国における
関税引き上げ、米国における EV税額控除の終了、そして全ブランドが世界的に競争力を維持できるよう万
全を期すこと などが挙げられる。
✓米国における VWのEVは苦境に立たされている。
▪ 長期にわたるリコールで数ヶ月にわたり販売が途絶えた後、テネシー州で製造された ID.4は、今月に税額控除が期限切
れとなり、EV需要が鈍化すると予想されるため、生産が削減される。
▪ ID.7セダンは完全に生産中止となった。 ID. Buzzは、高い価格と短い航続距離のため、既に「失敗作」と呼ばれている。
▪ トランプ大統領の下、輸入中心の VWは欧州車と部品に 27.5%という高関税を課せられており、 Blume氏によると、今年
は€数Bの損失を被ったという。トランプ大統領が公約したように関税が 15%に引き下げられるのを待っている。
✓2030年迄に、米国におけるBEV販売比率は約 20%、残りは内燃機関車とハイブリッド車になると予想している。
▪ 当初の目標は 55%だった。
insideEVs、9月8日(51)
➢VWのような自動車会社が、世界中で同じ種類の車を販売できる
時代は過ぎ去った 。
✓「私たちの事業は、何十年にもわたり、 VWグループのために、
(車の)大半をドイツで開発・生産し、そして単一規格の車を世界
中に供給してきた」、「このモデルはもはや通用しない」 (Blume
CEO)。
IAAミュンヘンでVW ID.CrossコンセプトPhoto by: Patrick George

28
VWの動向(EV戦略)
◼VWはついに正しい方向へ向かった
➢VWが2019年にID.3を発表した際、同社はこれをブランドの「新時代」と宣言した。
✓VW ID.4やトヨタ bZ4xのような車は、これらの企業が次の時代への準備ができていることを証明するはずだった。
しかし、実際には まだ学ぶべきことが山ほどあることを露呈 した。
▪ ID.4はTeslaと同様に画面中心のデザインを採用したものの、はるかに劣悪なソフトウェアで消費者の不満を招いた
➢VWは苦い経験を経て、確かに学びを得た。
✓VWの新型エントリーレベル EV ID.1は、Rivianとの重要な提携の一環として開発された、新たなゾーン電気アーキ
テクチャを採用する。
▪ 新たなゾーン型アーキテクチャ により、車両全体のワイヤレスアップグレードが可能になり、配線やコンピューターにかかる
コストを大幅に削減できるため、将来の EVのコスト削減につながる 。
▪ VWは真の進歩を遂げてきた。 ID. Crossコンセプトのインテリアは素晴らしく、ボタンを復活させるという VWのコミットメント
を体現している。見た目も美しいソフトウェアも搭載されているが、まだ十分動作確認できていないが。
insideEVs、9月8日(52)
VW ID. Cross コンセプト 出典:VW

29
VWの動向(Porsche)
◼Porsche、EVへの野望を縮小し過去最大の落ち込み
➢Porsche、将来開発予定の高級 BEV SUVを棚上げし、ポートフォリオ強化 のため、内燃機関およびハイブリッ
ド車モデルを追加 すると発表し、通期業績見通しを下方修正。
✓この方針転換により、営業利益は €1.8B($2.1B)減少し、PorscheとVWは通期業績見通しを下方修正せざる
を得なくなった。
▪ これまでPorscheはVWの利益率を押し上げていた 。
▪ 高コストと販売低迷に苦しむドイツ自動車業界にとって、これ は更なる痛手となる 。
➢ドイツ勢は、欧州の StellantisやRenaultと同様に、EV技術に€数Bを投じたにもかかわらず、予想を下回る販
売に苦戦している。
Bloomberg、9月21日(12)
✓Porscheは2022年の上場したが、19日の
利益見通しの修正は、同社が今年 4度目の
業績見通し引き下げとなり、株価は大幅に
下落し、ドイツDAXから除外された。
➢Porsche・Piëch一族は新リーダーの候補者と既
に協議を開始している 。(Bloomberg)
➢問題の一つは、世界最大の自動車市場である
中国における Porscheの苦戦。
✓また、Porscheにとって最大の市場である米
国では、トランプ大統領の関税導入によって
最も大きな打撃を受けている。

30
VWの動向(Porsche)
◼Porscheのワイヤレス EV充電は$8,000かかる可能性も
➢Porsche、近日発売予定の Cayenne EVのバッテリー充電に使える、実用的なワイヤレスカーチャージャーを開
発した。
✓世界初の誘導式カーチャージャーではないが、 Porscheによると、11kWの充電パッドとしては初めて一般向けに
販売されるとのこと。
▪ IAAモビリティショーで、 Porscheの説明員は、来年発売されるドイツ国内で VAT込みで約€5,000($5,885)になると述
べた。但し、Cayenne EVには電磁誘導充電に対応するためのハードウェアも搭載する必要があり、システム総額は
7,000€ ($8,240)弱となる。
✓車両側では、レシーバーは液冷式で、車載 ACチャージャーを経由せずに高電圧バッテリーに直接 DC電力を送る。
✓一方、床置き型のトランスミッターは空冷式。
▪ Porscheによると、このシステムの効率は 90%で、通常は94%が上限となる導電性充電器ほどではないものの、ワイヤレ
スシステムとしては印象的
insideEVs、9月15日(25)

31
VWの動向(Audi)
◼Audiの「中国で、中国のための」 EVはすでに大ヒット
➢中国でAudiは、中国自動車メーカーに協力を要請し、中国市場に適した製品の開発 を進めている。
✓Audiは中国市場での勝利を切実に必要としている。
✓AudiのAUDIブランドは「これまで VWではカバーできなかった、中国の新たな顧客層」へのリーチを目指している。
▪ AUDIはEVのみを販売し、今後さらに 2つのモデルを投入する予定。
➢Audiとして象徴的な四輪駆動車を持たない E5 Sportbackは、上海汽車( SAIC)との現地提携による製品 で、
上海市にある SAIC-VW工場で生産され、中国でのみ販売される。
✓デュアルモーターのクワトロモデルは 776馬力を発生し、 100kWhバッテリーを搭載しながら、価格はわずか
$45,000。
✓800V対応でLiDARも搭載している。航続距離 647kmで、0-100km/h加速はわずか 3.4秒。
insideEVs、9月19日(15)

32
Mercedes-Benzの動向(商品)
◼中国製CLAが予約受付開始、価格$ 36,000から、航続距離 866km
➢本日、中国で新型 EV(EV)「CLA Long Wheelbase」の先行販売開始を正式に発表した。
✓2025年の上海モーターショーで初公開されたこの Long Wheelbase CLAは、標準ホイールベースモデルに比べ
て40mm長いホイールベースが特徴 。
▪ 「CLA 300 L Ultra-long Edition」は25万9000元($36,000)、「CLA 300 L Ultra-long Intelligent Edition」は29万
9000元($41,600)の2つのバリエーションが用意されている。
✓エネルギー消費量は 100kmあたり10.9kWh、最大航続距離は 866km。800V技術により最大 325kWの充電が
可能で、10分の充電で 325kmの走行距離を延長できる。
✓インテリジェントアシストドライビングとインフォテインメント領域は、最新の MB.OSアーキテクチャと L2++フルシナ
リオインテリジェントドライビングアシスタンス を搭載し、中国の Momenta製のインテリジェントドライビングソリュー
ションを採用 し主にMercedes-Benzの中国R&Dチームによって開発 された。
CarNewsChina、9月25日(2)

33
Mercedes-Benzの動向(商品)
◼Mercedes-Benz、売れ筋SUVを電動化し路線強化
➢Mercedes-Benzグループは、 これまでのBEVモデルがいくつか苦戦 した後、高級車市場への進出を再び加
速させるため、ベストセラーモデルの BEVを発表した。
✓7日にミュンヘンモーターショーで発表された GLC SUVは、BMWのiX3やTeslaのModel Yと競合する。航続距離
は最大713kmで、来年発売予定。
▪ GLCはMercedes-Benzのグローバルベストセラーであり、 販売台数の約 5分の1を占める。
▪ 当初のEQSおよびEQE電気セダンの需要が低迷したため、 Mercedes-BenzはGLCのより保守的なスタイリングと最新
技術が購入者を納得させると確信している。
✓Mercedes-Benzの株価は今年、ミュンヘンに拠点を置くライバル BMWのNeue Klasseとこれまでの EV販売の好
調を投資家が評価したため、 BMWを下回っている 。
Bloomberg、9月7日(54)
✓Mercedes-Benzは、過去の失敗を帳消しにするた
めにGLCに期待をかけている 。
➢これらの経緯により、Ola Källenius CEOが
Mercedes-Benzを高級志向に押し上げつつ低価格
モデルの縮小を図る戦略の実現可能性に疑問が生じ
ている。
✓この戦略は 1台あたりの売上高を押し上げたが、高
価格帯のEVに対する需要低迷の影響を受けやすく
なった。

34
Mercedes-Benzの動向(商品)
◼2026年型GLC EV:「マルチエージェント」 AI搭載で700km走行可能な EV
➢Mercedes-BenzはEVの「やり直し」に取り組んでいる。
✓Mercedes-Benzは当初EVに大きく賭けたが、 EQモデルは冷ややかな反応に終わった。
✓この教訓を踏まえ、 Mercedes-Benzの次世代EVは、より優れたソフトウェア、より伝統的なデザイン言語、そし
てはるかに効率的なドライブトレインを提供する。
✓コンパクトなCLAセダンでその全てを目の当たりにしてきたが、さらに重要なテストケースが登場 する。
➢EQテクノロジーを搭載した 2026年型Mercedes-Benz GLCで、Mercedes-Benzにとってこれまでで最も重
要なEV。新型BMW iX3と真っ向勝負することになる。
insideEVs、9月7日(56)

35
Mercedes-Benzの動向(人事)
◼CTOを交代、CEO 盟友を昇進
➢さらなるコスト削減に向けて準備を進める中、 Markus Schäfer CTOを交代させ、現生産責任者の Jörg
Burzer氏が12月1日付でCTOに就任する と発表。
✓高コストと中国における競争激化に苦しむ MBにおけるOla Källenius CEOの統制を強める 可能性がある
▪ Schäfer氏は、Mercedes-Benzで30年間勤務し、同社のデジタル化と電動化推進において中心的な役割を果たし、
自社製オペレーティングシステムである MB.OSの開発を主導 してきた。
▪ Burzer氏は、2019年から生産・サプライチェーンを統括し、同社の工場の柔軟性向上に貢献したと評価されている。彼
の指揮下で、 Mercedes-Benzは内燃機関、ハイブリッド車、バッテリー EVの混合生産を導入し、 EV需要が期待を下回る
中での事業調整に役立った。
▪ Michael Schiebe氏がBurzer氏の後任となり、取締役会にも加わる。
▪ 現在、AMG、Maybach、そしてオフロード仕様の Gクラスを統括する Schiebe氏は、Källenius CEOの最も親しい側近の
一人であり、同CEOによる高級車市場への進出を支援してきた。
✓Mercedes-Benzは、高コストと高級車戦略への疑問に悩まされている。
▪ 新技術への多額の投資と世界的な高級車市場の低迷は収益性を圧迫し、低価格モデルの生産縮小は、 Mercedes-
Benzを高価なEVへの需要への依存度を高めている。
✓Schäfer氏はすぐに新しい仕事を見つけた。
▪ 退任が発表された同日、 Luminar創業者で世界最年少の億万長者となった Austin Russell氏は、パロアルトに Russell
AI Labsを設立した。 Schäfer氏とソフトバンクグループ元幹部の Murtaza Ahmed氏が共同創業者を務めている。
▪ Russell AI Labsの最初の動きは、 AIスタートアップ企業エマージェンス AIへの$300Mの出資だ。
Bloomberg、9月24日(4)

36
Mercedes-Benz、BMWの動向
◼BMW iX3 vs. Mercedes GLC EQ:どちらの次世代 EVが優れているか?
➢中国メーカーや Teslaとの熾烈な競争に直面し、 VW、BMW、Mercedes-Benz等の老舗メーカーは魅力的な
SDVの開発に苦戦して きた。
✓しかし、ミュンヘン国際モーターショーで、 BMWとMercedes-Benzはこれまでで最高の試み、 iX3とGLCという電
気クロスオーバーを発表した。
▪ BMW iX3はゾーナルアーキテクチャを採用している 。
▪ Mercedes-Benz GLCは、ゾーナルアーキテクチャに関して明確にしていないが、 BMWと同様に、ソフトウェアスタック全
体が無線アップグレードに対応していると述べている。
▪ 運転支援機能は同等。
✓iX3とGLCは、どちらも無線アップデート対応で ゼロから構築された最新の 800V対応。
▪ どちらも従来のモデルよりも 効率性が向上し、コストも低くなる 見込みだ。
▪ 両車とも、既存のガソリン車とは機械的に類似点はない。
insideEVs、9月10日(39)
BMW iX3 Mercedes GLC EQ
パワー 469馬力 483馬力
トルク 475lb-ft 最大596lb-ft
0-62mph加速 4.9秒 4.3秒
航続距離 679~805km (109kWh) 640km (94kWh)
電費 6.23~7.39km/kWh 7.3kWh/h
充電速度 最大400kW 最大330kW

37
BMWの動向
◼BMW iX3は、BMWが生んだまさに次世代 EVだ
➢BMW iX3は、航続距離約 650km、TeslaやRivianのEVに匹敵する EVアーキテクチャ 、次世代ソフトウェア、人
工知能機能、双方向充電などを備えた EVだ。
✓新アーキテクチャへの切り替えで、 BMWが実際にコスト削減を実現できたことを示している。
✓4つのコンピューター「スーパーブレイン」によって制御されるゾーンアーキテクチャを採用した新しいプラットフォー
ムは、従来の EVと比較して配線長を 2,000ft.(約600m)削減している。
▪ これらの「Neue Klasse」EVのバッテリーは、既存モデルよりも 40~50%安価だ。BMWの幹部は、ガソリンエンジン搭載の
X3と同等の収益性を達成できると述べている。
▪ 来年夏に米国で発売される時点で、$ 60,000を切る予定(欧州では、 €68,900(約$80,000)から販売開始となる)。
✓EVは、バッテリーコストのせいで、多くの場合、従来の車よりも依然としてコストが高い。
▪ しかし、これらのコストが下がり、自動車メーカーがより費用対効果の高い新しい EV製造方法を見つければ、 EVはガソリ
ン車と同等の価格に達する。
Bloomberg、9月7日(55)
2026年型BMW iX3

38
BMWの動向
◼BMW、新型SUVで€10B規模の改良 EVラインを発表
➢5日に発表した「 iX3」は、洗練されたソフトウェア、超急速充電、そして刷新されたデザインを備えている。
✓これは、TeslaとBYDの座を奪うために BMWが€10B以上を投じた BEVシリーズ「Neue Klasse」の第1弾だ。
▪ 「当社は創業109年を迎えるが、 これはこれまでで最大の単一アーキテクチャへの投資 だ」 、「『古い』産業からいわゆる
『新しい(Neue)』産業への移行だ」 (Oliver Zipse CEO、8月4日)
Bloomberg、9月5日(59)、8月4日(68)
▪ 新しいデジタル神経系 を全てのドライブトレインに搭載する。これらの「スー
パーブレイン」は、 BMWの従来のシステムの 20倍の計算能力 を提供する
✓iX3は、欧州の試験手順において 最大805kmの航続距離を実現し、充
電システムにより わずか10分の充電で372kmの走行距離を 追加可能。
▪ Teslaの航続距離 最長Model Yは、フル充電で 最大622km走行可能。
✓SUVはほんの始まりに過ぎず、来年には EVセダンが発売される予定。
▪ BMWは金曜日にミュンヘンでカモフラージュ仕様のモデルを披露した。
▪ BMWは新しいソフトウェア、バッテリー、工場に €10B以上を投資した後、
2年以内にポートフォリオの大部分を Neue Klasseの技術で更新する予定 。
➢ドイツで€68,900から販売されている iX3は、業界が激動する中で
BMWにとって重要な試金石となる。
✓BMWは中国では、DeepSeek、Huawei、Alibabaなどの中国のパートナー
企業と協力し、現地の嗜好に合わせた車両開発を進めている 。中国で
販売される iX3は「これまで以上に中国らしさが際立つ」 (Zipse CEO)
▪ 「私たちは中国でも競争力を維持しており、今後も維持していきます」
(Zipse CEO)

39
Stellantisの動向
◼需要低迷で工場の生産停止へ
➢Stellantisは、需要低迷を受け 工場の生産をい一時停止
✓イタリア・ポミリアーノにある TonaleとFiat Pandaの生産を9月29日から一時停止
✓OpelとDSの車種を生産しているパリ近郊のポワシー工場を 10月13日から31日まで停止
✓他にポーランドのティヒ、ドイツのアイゼナハ、スペインの 2つの工場も一時停止
➢「欧州の一部工場の生産ペースを調整し、 年末までに、厳しい欧州市場に合わせて生産ペースを調整 し、在
庫を可能な限り効率的に管理する ことを目指す」 (Stellantis)
Bloomberg、9月23日(6)
StellantisはTonaleとFiat Pandaの生産を一時停止。 Photographer: Simon Wohlfahrt/Bloomberg
➢Stellantisはライバル企業と同様に、 BYDを筆頭とする
中国メーカーが競争力のある価格帯の自動車で事業を
拡大している欧州で、過剰生産能力に悩まされている。
✓JeepやDodgeなどのブランドを所有する同社は、 トラ
ンプ大統領の関税導入によりコストが上昇 し、サプラ
イチェーンに混乱が生じている主要市場である 米国で
も、売上の落ち込み を食い止めなければならない
➢新CEOのAntonio Filosa氏は最近、イタリアの自動車産
業救済のため EUに緊急の対策を求めており、 来年第1
四半期に新たな事業計画を発表する予定 。

40
BYDの動向(商品/日本)
◼BYDは日本市場向け初の PHEV「Sealion 6」を2026年1月に発売する
➢BYDは、2026年1月から日本で PHEVを発売する計画だと、日経中国版が報じている。
✓同社は、最初のPHEVモデルとして、 BYD Sealion 6(中国名:Song Plus)SUVを発売する予定 で、詳細は2025
年10月に東京で開催されるジャパンモビリティショーで発表される予定。
➢中国では、PHEVの市場シェアは 15.9%で、従来型ハイブリッド車の 3%を上回っている。
✓一方、日本では依然として従来型ハイブリッド車が販売台数の約 30%を占める一方、 PHEVはわずか1%。
▪ 2025年上半期の 世界新車販売台数に占める PHEVの割合は7.6%で、従来型ハイブリッド車の 7.7%とほぼ同水準 。
CarNewsChina、9月19日(17)
BYDは、2026年1月に日本初の PHEVとしてSealion 6
PHEVを発売する予定。写真提供: BYD Credit: BYD
BYD Sealion 6 (あるいは
“Sealion 6 DM-i / PHEV 版”)
は 「PHEV」 として設計されている
が、完全な「拡張レンジ EV
(EREV)」でも「純粋なシリーズ・ハ
イブリッド」でもない。
ハイブリッドと電動駆動を柔軟に
使う方式、すなわち BYD の
“DM-i” 系列(Dual Mode
Intelligence/ハイブリッド+電動
モード併用型) に属する

41
BYDの動向(欧州)
◼売上増に向け欧州モデルを 2倍に拡充
➢BYDのStella Li副社長は8日、IAAミュンヘンで、数百社の現
地サプライヤーと交渉を進めており、年末までに欧州 32カ国
で1,000以上の店舗を展開する 予定。
✓BYDは現在、欧州で 13車種を展開しており、 2年前の6車種
から増加している。
➢BYD、Xpeng、Leapmotorといった中国自動車メーカーは、近
年欧州で伸ばしてきた市場シェアの拡大を目指し、今週ドイツ
で開催されるモーターショーで自社のラインナップを披露する。
Bloomberg、9月8日(47)、insideEVs、9月12日(29)
◼IAAでBMW、Mercedes、VWのEVはレベルアップ したが十分だろうか?
➢ヨーロッパ最大の自動車見本市である IAA(国際自動車ショー) で、BMW、Mercedes-Benz、VWといった自動
車メーカーが次世代 EVで成し遂げた進歩には、感銘を受けずにはいられなかった。
✓最近のEV開発においては、欧州の方が 米国よりも速いペースで進んでいる。
▪ しかし、IAAでは中国の自動車メーカーがヨーロッパでいかに強力な存在になったかを示した 。
✓中国勢、特 にBYDに対しては明らかに守勢に立たされている。

42
BYDの動向(欧州)
◼BYD、Stellantis CEOのEV販売に関する発言に反論
➢BYDは、Stellantis CEOが、中国の提携先である Leapmotorが欧州で成功を収めているというコメントに異
議を唱え、異例のプレスリリースで販売実績を比較した。
✓「先月、LeapmotorはドイツでBYDよりも多くの BEVを販売したと思う」と Filosa CEOはKepler Cheuvreux主催の
イベントで述べた。
Bloomberg、9月12日(28)
➢BYDは12日、この発言に憤慨する声明
を発表し、今年最初の 8ヶ月間でドイツ
国内で8,610台の車両を登録したと発
表した。これはリープモーターの 3,536台
の2倍以上だ。
✓さらにBYDは、同時期に Stellantisの
Alpha Romeoブランドを追い抜き、
SUVブランドのJeepもほぼ上回った
と述べている 。

43
BYDの動向(インド)
◼BYDの幹部がインドを訪問、モディ首相と習近平国家主席の関係再構築へ
➢最近改善の兆候がある中印の外交関係が、 インド市場への進出への道を開く可能性があるため、 BYDはイ
ンドへの再進出に向けて準備を進めている 。
✓2020年の国境紛争以来、インドと中国の関係は悪化しているが、インド政府が中国から主要な鉱物や技術を
必要としていること、そして米国の関税に対する共通の経済的懸念が、両国が意見の相違を乗り越える動機と
なっている。
▪ インドと中国は先月、 5年以上中断されていた直行便の再開で合意した。
✓深圳に拠点を置く BYDは、既に上級管理職やエンジニアのビザ取得を開始 しており、これにより研修プログラム
の再開、機械の整備、南インド工場の状況評価が可能になると関係者は付け加えた。
➢BYDはすでにAtto 3を含む4つのモデル をインドで展開しており、 販売台数ではインドで第 4位のEVメーカー
となっている。
✓BYDは、来年初頭にインドでコンパクト EV SUV「Atto 2」の発売を検討 している。
Bloomberg、9月9日(43)
▪ BYDは、輸入車に 70%の地方税が課されているにもかかわらず、 Atto 2の
価格を200万ルピー(約$ 22,690)の下限を大きく下回る水準に設定 する
予定。(VinFastは、先週、コンパクト SUVでインドで最も安価なモデルとなる
VF6の発売を発表した。価格は 160万ルピーから となっている )
▪ この車はBYDにとってインドで最も低価格な製品となり、 Mahindra &
MahindraやTata Motorsといった現地のマスマーケットメーカーへの直接的
な挑戦となる。
▪ 年間2,500台という現在の輸入枠を超える車両を輸入できるよう、現地の
規制当局による道路使用許可の取得も計画している。

44
Geelyの動向(Volvo)
◼アメリカで「第 2世代ハイブリッド」 EREVを生産
➢世界的な販売不振とソフトウェアの苦戦の中、 VolvoはEV計画の大幅な見直し を計画している。
✓Volvoは23日、大幅に改良された EX90 EV SUV、サウスカロライナ州リッジビル工場での ガソリン車XC60の生
産開始、そして2020年代末までに米国で発売予定の新型 EVなど、一連の新製品を発表した
➢9月30日に期限を迎える連邦税額控除の終了に伴い、 EVの販売が減速すると予想されることから、 米国
で航続距離延長型 EV(EREV)を製造することを発表。
✓この技術は既に中国で普及しつつあり、一部の EREVは中国のテストサイクルで最大 900マイル(約1440km)の
航続距離を実現している。
▪ 「私たちはEREVを第2世代ハイブリッドと呼んでいる 」、「どちらかと言うと、バックアップエンジンを搭載した EVだ」
(Samuelsson CEO)
insideEVs、9月23日(8)
Photo by Volvo
▪ このEREVは米国中心の車 であり、2020年代末ま
でにサウスカロライナ州リッジビルの工場で製造され
る予定である。
▪ Hyundai、日産、Scout、Fordなど、複数の自動車
メーカーが米国市場向けに EREVを開発している。
✓「XC90のサイズと車種は、この市場にとって非常に
重要な製品だ」 、 「また、このセグメントでは PHEVや
Extended Range Technologyの需要が見込まれ
る」(Volvo Carsの最高商務責任者 )

45
Geelyの動向(Volvo)
◼Volvo CEO、一部の欧米ブランドは EVシフトを生き残れない と語る
➢販売不振、ソフトウェアの不具合、主要新モデルの発売遅延、さらには米国での販売禁止の危機に直面す
る中、Volvoの筆頭株主である中国の GeelyのLi Shufu氏はSamuelsson氏を復帰させた。
✓今後、Volvoは「BEVとEREVを単一のグローバルアーキテクチャで実現し、コストを抑えつつ、同時に地域限定モ
デルも可能にしたい」
➢今後の自動車業界はどの様にしんかすると考えるか?
✓「旧世界でFord、GM、トヨタ、VWがそうであったように、新たな支配的なプレーヤーが出現するでしょう。 新世界
では、2、3の非常に強力な中国ブランドが台頭するでしょう 。そのため、旧来のブランドが生き残る余地は狭ま
る」。
Bloomberg、9月9日(40)

46
Xiaomiの動向(黒字化)
◼YU7 BEVの生産促進を約束
➢「7月6日からYU7の納車を開始し、 2ヶ月と19日が経過したが、すでに 4万台以上を納車した。
✓YU7の確定受注台数は発売後 18時間以内に 24万台を超え、業界記録を樹立した」 (Lei Jun CEO)。
✓Xiaomiは、予想外の高需要に対応するため、可能な限り迅速に生産能力を増強しようとしている。
▪ YU7は、Xiaomi EVアプリで本日注文した場合、配送予定日数が 45~48週間と表示されている。
▪ これは、先月の予想配送予定日数 56~59週間から改善された。
✓生産能力増強の可否が、 Xiaomiが成功できるかどうかの最後の鍵になっている 。
➢Xiaomiは着実に目標を達成している。
✓7月時点で、自動車市場参入から 15ヶ月で30万台以上の EVを納車した。
✓7月と8月にはそれぞれ 3万台以上を納車し、過去最高を記録し、 BYDやTeslaを凌駕する勢いを見せている。
➢Lei Jun氏は25日、XiaomiのEV向け新サービスについても概要を発表した。
✓5つの新色、 2つの斬新なインテリアデザイン、そしてカスタマイズされたロゴやシートベルトといったその他の機能
が導入される予定 。
Bloomberg、9月26日(1)

47
Xiaomiの動向(リコール)
◼SU7 EVの約40%の運転支援機能不具合を修正へ
➢国家市場監督管理総局のウェブサイトに 17日に掲載された通知によると、 対象車両の運転支援システムが
危険な状況を適切に検知・警告できない可能性 がある。
✓中国自動車技術研究センターのデータによると、 Xiaomiは昨年3月に発売された SU7を7月時点で約 305,055
台出荷した。
▪ 今回のリコールは、オートパイロット機能をオンにした状態で標準モデルの SU7セダンが衝突事故を起こし、死亡事故が発
生してからほぼ 6か月後に実施された。
▪ 3人が死亡したこの事故を受け、中国当局は先進運転支援技術の導入を抑制し、ドアハンドルの凹みなど、 EVの設計に
おける他の側面を精査するようになった。
▪ 中国政府は、運転支援技術の可能な機能と不可能な機能を厳密に定義するガイドライン案の策定に取り組んでいる。
➢無線(OTA)ソフトウェアによる修正プログラムを導入する。
✓無線アップデートには、雨天や夜間などの複雑な状況下での走行速度調整機能の強化 が含まれる (Xiaomi)
➢安全上の問題を抱えているのは Xiaomiだけではない。
✓Xpengも先週、P7+セダン47,000台以上を対象に、ステアリング部品の不具合の可能性に関するリコールを実
施した。
Bloomberg、9月19日(14)

48
Nioの動向
◼中国NIO、EV事業の成長資金として$ 1Bの株式売却を計画
➢中国のEVメーカー、NIOは、成長資金として株式売却で$約 1Bを調達する計画。
✓Nioは、1株あたりHK$42.86($5.50)からHK$44.46で、最大1億8180万株の新株を発行する予定だ。つま
り、今回の株式売却で最大 10億ドルを調達できる可能性がある。
▪ NIOは、調達した資金を将来の車両プラットフォームとモデルの開発、バッテリー交換・充電ネットワークの拡大、そして研
究開発への投資に充てると述べている。
▪ NIOは3月にHK$4Bを得ており、今回が今年 2回目の株式売却となる。
➢2014年の設立以来、利益を上げていない 同社は、中国の EV市場における長引く価格競争と過剰供給とい
う課題に直面している。
✓NIOは、消耗したセルをわずか数分でフル充電のバッテリーに交換できるバッテリー交換モデルで知られている。し
かし、それは同時に、高価なバッテリー交換ステーションの建設も意味している。
Bloomberg、9月10日(37)

49
Xpengの動向(欧州)
◼Xpengが欧州でEVを生産開始
➢ライバルのBYDに大きく差をつけながらも先んじて、 欧州で電気乗用車の生産を正式に開始 した。
➢オーストリアの契約メーカー、 Magna Steyrと提携し、EVクロスオーバー SUV「G6」と「G9」の現地生産を開始。
✓最初のユニットはすでに生産ラインから出荷されている。
▪ Magnaはオーストリア・グラーツの工場では Mercedes-Benz GクラスやBMW Z4の組み立てを行っている
▪ Xpengは、新工場に$数 Bを投じる代わりに、高評価の契約メーカーに委託することで、欧州市場への進出を加速させた
➢Xpengは2014年に設立され、業界で最も若い企業の一つ。
✓手頃な価格と充実した装備で注目を集め、昨年は約 20万台を販売した。
▪ 同社の野心は高く、電気航空機、ロボット、人工知能は将来の計画の大きな部分を占めている
✓Xpengは2021年に初の欧州市場であるノルウェーに参入し、世界 46以上の国と地域に拡大している。
▪ 今年の最初の 7か月間では、輸出台数は 18,701台で、前年比 217%増を記録した。
➢BYDは年末にハンガリーで生産開始を計画 しており、これに先立ち、 来月には量産が本格化する見込み 。
insideEVs、9月15日(24)
Xpeng、オーストリア・グラーツにある Magna Steyrの工場で欧州向け EV生産を開始 出典:Xpeng

50
Xpengの動向(EREV)
◼1,600kmの混合航続距離を誇る Xpeng X9 EREVミニバンが10月にデビュー
➢Xpeng X9 EREVは、CALB製の63.3kWhのLFPバッテリーと、最高出力 110kW(148馬力)の1.5リッターター
ボエンジンを搭載し、 BEV走行で450kmの航続距離を実現し、 EREVとして1,600kmの航続距離 を誇る大型
ミニバン。
✓800Vの高電圧システムにより、 5C充電に対応しピーク出力は約 316.5kW。
✓2025年10月に中国で発売予定。
➢X9のBEVは、2024年1月に中国市場に投入され、累計販売台数は 32,765台に達した 。
CarNewsChina、9月15日(26)
Xpeng X9 EREV

51
Huaweiの動向 (半導体)
◼AIチップでNVIDIAを追い抜く3年間の戦略を計画
➢Huaweiは、自社の半導体が NVIDIAの純粋なパワーとスピードに及ばないことを公然と認めている が、18日、
AIブームにおける NVIDIAの優位性を揺るがすための 3カ年ビジョンを公表した。
✓Huaweiは、2020年に米国の規制により NVIDIAの主要チップメーカーである TSMCへのアクセスを失った 後、プレ
スリリースさえ出さずに AI製品を次々と発表してきた。
▪ 業界の専門家は、 Huaweiの技術的な内部構造を理解するために、デバイスを分解しなければならなくなった。
▪ 異例の発表 は、トランプ大統領と中国の習近平国家主席が 4ヶ月ぶりに2度目の電話会談を行う前日 に行われた 。
▪ 中国政府が米国との繊細な協議の中心に半導体政策を据える中、これらの技術は次々と明らかになりつつある。
➢輪番会長の Xu氏はステージに上がり、次世代 AIチップと、アップグレードされた「 SuperPod」設計を発表した。
✓SuperPodとは、NVIDIAの戦略から借用した用語で、 コンピューティング、ストレージ、ネットワーク、ソフトウェア、イ
ンフラ管理技術を網羅するデータセンタープラットフォーム を指す。
▪ 理論上、この技術により Huaweiは、自社開発の UnifiedBus相互接続プロトコルを用いて、最大 15,488個のAscendブラ
ンドのAIチップを接続できる。
▪ Huaweiによると、これは NVIDIAの次期NVLink144技術の最大 62倍の速度だという
✓Huaweiは、最大100万個のチップをグループ化、つまりクラスタリングする方法について発表し、理論的には
NVIDIAとのギャップを埋めることができるとした。
▪ Huaweiは、プロセッサの異なるコンポーネント間のデータ転送能力を強化できる自社設計の高帯域幅メモリアーキテク
チャを搭載し、 チップ内の接続速度とメモリアクセス速度を向上させる計画 。
✓2028年に発売予定の Ascend 970は、毎秒4テラビットの相互接続速度 を実現すると述べた。
▪ Nvidiaは現在、1.8テラビット/秒の相互接続速度を提供している 。
➢中国にとって NVIDIAチップへの依存を減らす上で最大 の壁は、高度なチップ製造設備の不足 (Jefferies)
Bloomberg、9月23日(5)

52
トヨタの動向 (ソフトウエア開発 )
◼「バグだらけ」:世界最大の自動車メーカーがソフトウェアで遅れをとった経緯
Financial Times、8月28日(66)
➢汎用な車載オペレーションシステムの構築において、
Tesla、Rivian、あるいは中国の主要 EVメーカーと競
合できる立場にある老舗自動車メーカーはごくわず
か。(野辺)
➢トヨタのソフトウェアプラットフォーム「 Arene」は、今年
後半に発売される RAV4 SUVのインフォテインメント
システムと先進安全技術にのみ搭載されるが、 「完
全統合システムの完成時期は不明で、トヨタは次世
代EV(EV)に搭載する 」と発表している。
➢最初のバージョンがゲームチェンジャーには程遠いこ
とを認めている。
✓「ビッグバンではない。 Areneは「ひどい」、「バグだ
らけだ。OSではなく、単なるツールの集まり だ」
(Woven by Toyota John AbsmeierCTO)

53
ホンダの動向
◼N-ONE Eは航続距離が長い小型 EV
➢N-One eの真骨頂は 29.3kWhのバッテリーパック。
✓WLTP航続距離は 295kmに達し、これほど小さなボディサイズながら、非常に長い航続距離を誇る。
▪ BYD Seagull、Hyundai Inster、Renault 5 E-Techなど、一つ上のサイズの車とほぼ同等の航続距離。
▪ 日産サクラは、 20kWhのバッテリーで走行距離 180km。
▪ 他の軽自動車と同様に 64馬力に制限 されているが、このサイズの車としては遅さを感じさせない十分な出力。
➢V2L(Vehicle-to-Load)とV2H(Vehicle-to-Home)による双方向充電機能を搭載し、最大 1.5kWの電力
を外部機器に供給できる。
✓6kWの車載AC充電器での充電には 4.5時間、50kWのDC急速充電では 80%まで約30分かかる
➢N-ONE eの軽自動車バージョンは、新車の 40%が軽自動車である日本市場専用 。
✓ラリーカーのような張り出したフェンダーとワイドなトレッドを備えた N-ONEの別バージョンも欧州などの市場で販
売される予定 。
insideEVs、9月12日(31)
ホンダN One e 出典:ホンダ

54
ホンダの動向
◼ハイブリッドラインナップを拡大し、 0シリーズEVの発売を準備中
➢今年、変化する事業環境の中、電動化戦略を転換し、 2030年までにEVの販売台数が当初見込んでいた
30%を下回ると予想。 (ホンダ)
➢ホンダはハイブリッド車ポートフォリオの拡充に注力し、 2027年から4年間で次世代技術を搭載した 13車種
を発売する計画だ。これにより、ガソリン車と EVを合わせた幅広いラインナップを構築し、増加する需要を取
り込む。(ホンダ)
➢ホンダはEVへの取り組みを縮小しているが、 EVは引き続き重要な位置を占める。 (アメリカホンダ )
Automotive News、8月31日(63)

55
E/Eアーキテクチャの動向
◼次世代E/E車両アーキテクチャの 接続性
➢機能の高度化と効率化への高まる期待に応えるため、 次世代のE/E車両アーキテクチャは、集中制御ユニッ
トとゾーン設計を活用 している。
✓自動車業界は、消費者ニーズの変化、パーソナライゼーション、コネクティビティ、安全性、電動化、そして高度な
機能に対する期待の高まりを背景に、大きな進化を遂げている。
▪ ゾーンアーキテクチャは、より現代的なコンピューティング構造を提供する。
▪ ワイヤーハーネスを簡素化・再編成するだけでなく、追加のセンサーデータや環境データのより効率的で高速な伝送とリア
ルタイム処理をサポートする。
▪ 目標は、ノード /ECUの数を減らしつつ、ノードあたりの接続機会(ポート)を大幅に増やし、それらを高速データバックボー
ンで接続する。
Charged、9月12日(33)
➢主なメリット:
✓スケーラブル設計、効率性向上、ハーネス 合理化
▪ 高速データ伝送 、省スペース設計、自動化ソリュー
ション対応、 12V→48V(電化安全性、重量・コス
ト削減、ハーネスの取回し改善 )、デバイス内接続。
➢モビリティの未来に何をもたらすのか :
✓次世代E/Eアーキテクチャは、自動運転 やADASか
ら、高度なインフォテインメントやバッテリー管理シ
ステムに至るまで、設計、性能、機能性に関する
革新的な機能をますます多く統合することを可能
にする。
Source: TE Connectivity

[ご参考]クルマのSDV化、その効用
56
ドライバーとしてのコンピュータ
56
56
Side CamerasCamera
LiDAR79GHz Rader
車載コンピュータ
Cloud (学習)
データ
センター
4Dマップ
データベース
走行
アルゴリズム
時折OTAで
アップデート
56
NW (Ethernet)
SDVの進化の背景と SDVの効用
https://www.vicorpower.com/resource-library/articles/automotive/tesla-commits-to-48v?utm_source=chatgpt.com
Vehicle Speed, Steering Angle,
Yaw Rate, Oil Pressure, etc..
センサー
ABS, Pre-crash Safety, Brake Control,
Air Suspension, Seat Belt Control, etc…
ブレーキ, シートベ
ルト機構, etc…
ECU アクチュエータ
565656
NW (Ethernet)
これまでの個別 ECUを高度な半導体を利用して
数個のゾーンに統合 、それらを中央 SoCで全体統括
48Vシステムでは、主要ケー
ブルが細くなり、銅線使用量
も少なくなるため、重量とコス
トが軽減される。
ケーブルの直径も小さいため、
車内での物理的な配線がは
るかに容易になる。

57
CPU
(Central Processing Unit)
Mem.
Cont.
PCH(Platform Controller Hub)
<CPUに主要機能 (メモリ、PCIe、GPU)接続
を集約し、残る周辺 I/O系をPCHに集約>
データ
入力・外部
デバイス
USB
ストアレッジ
装置への
アクセス
SATA
LAN
ネットワーク
拡張PCIe
(カード)
DMI(Direct Media I/F)
<PCIeベース、シリアル15.8GB/s>
I/O集約ハブ
ネットワーク
通信
(via PHY)
パフォーマンス
拡張カード
(iGPU)
(dGPU)
PCIe
x16
PCアーキ
テクチャ
中央SOC
(Central-SOC)
Mem.
ゾーン毎MCU(ECU)
コントローラ(数個)
アクチュエータ制御
(現状、FlexRayが多いが、
今後ゾーン型 SDVでは
Ethernet TSNが有力)
X-by-Wire
(ASIL-D対応の冗長化さ
れたリアルタイム通信 )
Ethernetや
CAN(含FD/XL)
“PCIe的”高速リンク
TSN対応
ネットワーク
CPU
クルマの
ゾーン・
アーキテ
クチャ GPU
AI推論
フュージョン
経路計画
PCIe類似の
高速リンク
CAN
FD/XLや
Ethernet
TSN経由
でアクチュ
エータ/
センサをゾ
ーン管理
ASILD、
デュアル
MCU、独
立電源、
フェール
オペ
[ご参考]PCとゾーン型SoC:I/O集約モデルの アナロジー
ケーブル・コネクターが変わる

58
[ご参考]電源ゾーンと Ethernet物理層設計の関係 (安全性とEMC)
12Vゾーン
PCU X-by-Wire
照明 HMIIVI
アイソレーショントランス
◼Ethernetの層構造と車載への適用範囲
➢EthernetのISO/OSI参照モデル:
✓ 第2層(データリンク):MACやフレーム (アドレス、QoS、TSN等)
✓ 第1層(物理):ケーブル・PHY(10、100、1000BASE-T1等)
▪ 各ECUにおいて、「MAC ⇔ PHY ⇔ アイソレーショント
ランス ⇔ ケーブル ⇔ PHY ⇔ MAC」
➢車載Ethernetと「12V/48V」の議論は、第 1層=物理
層と関係する
✓ 「信号電圧レベル」「コモンモード耐性」「アイソレーション設
計」が直結
➢車載電源系と Ethernet PHYの関係
✓ 12V系:IVI、従来のボディ制御・ ECU電源
✓ 48V系:電動ターボ、電動パワーステアリング、マイルド HV、
将来はアクチュエータ領域で拡大
▪ Ethernet PHY(T1シリーズなど)は、通常 差動信号
±1V以下 で動作するため、 12V/48V電源そのもの
が直接データ信号レベルに影響することはない
✓ 電源電圧が高くなるほど下記の設計要求が厳しくなる
▪ 絶縁設計(ガルバニックアイソレーション )
▪ コモンモードノイズ耐性
▪ ケーブル・コネクタ絶縁耐圧
▪ EMC/EMI対策
Gateway
回生ブレーキ
PCU(Power Control Unit):
高電圧バッテリ( 200〜800V) とモータ/インバータ/DC-
DCコンバータなどを制御・管理する電力変換ユニット。車載
48V系や高電圧系における「電力のハブ・頭脳」に相当
48Vゾーン
◼Ethernet PHY
ケーブル・コネクターが変わる

59
自動運転の動向 (Amazon/Zoox)
◼AmazonのZooxロボタクシーがラスベガスで運行開始
➢Amazonの自動運転タクシーサービス 「Zoox」が正式に一般向け配車サービスを開始した 。
✓これはロボタクシー業界にとって重要な節目となる。
✓この奇妙な形の無人ポッドは、 世界初の完全自動運転配車サービスを提供する専用ロボタクシー となった。
▪ WaymoやTeslaのロボタクシーとは異なり、アマゾンの Zoox専用自動運転タクシーにはペダルやハンドルはない。
▪ 対向式のベンチシート、両側のスライドドア、そして数台のスクリーンがあるだけだ。
➢Zooxによると、サービスエリアは「ラスベガス・ストリップとその周辺」で、利用者は同社のスマートフォンアプリ
を通じて無料で乗車できる。
✓有料乗車は、必要な規制当局の承認をすべて取得した後、数ヶ月以内に開始される予定。
▪ Zooxは現在約50台のロボタクシーを保有しており、そのほとんどがラスベガスに配備されている。
▪ サンフランシスコは Zooxの次の導入都市であり、サービスは数ヶ月以内に開始される予定。
➢Zooxのサービスが他のサービスと異なるのは、乗車と降車が指定された配車ゾーンで行われるという点。
✓Zooxはどこからでも呼び止められるわけではなく、目的地のすぐ前で降車することもできない。
insideEVs、9月11日(36)
▪ Topgolfなど複数の施設と提携しており、
Zooxコンシェルジュが乗客のスマ ホアプ
リの使い方をサポート する。
▪ アプリには、ロボタクシーのナンバープ
レート、予想乗車時刻、リアルタイムの到
着情報、乗車後の概要が表示される。ま
た、自動運転ポッド内の画面の 1つには
「ヘルプ」ボタンも設置されている 。

60
バスの動向 (VW Scania/PHEV)
◼バスにもPHEVパワートレインが登場
➢VWグループの子会社であるスウェーデンの Scaniaは、特にゼロエミッションゾーンが施行される可能性のあ
る混雑した都市部における有害な排出ガスの削減を目指し、 初のPHEVバスを発表 した。
✓新型13リッターディーゼルエンジン、高電圧バッテリー、そしてオートマチックトランスミッションに統合されたデュ
アル電動モーターを組み合わせている。
▪ 2基の電気モーターは合計 389馬力(290kW)を発生し、ディーゼルエンジンは 420馬力と460馬力の出力構成 。
▪ 自社設計・製造の 89kWhバッテリーは、フル充電で最大 80キロメートルの EV走行を可能にする。
▪ 200Aで130kWの充電が出来る。
✓このシステムにより、スウェーデン製の PHEVバスは長距離をディーゼルエンジンで走行し、市街地に入る際には
内燃エンジンを停止し、有害な排出ガスを出さずに電気モーターで全ての重労働をこなすことができる。
▪ さらに、ドライバーは同社の ジオフェンシング機能を使用して、完全電気駆動への切り替えを自動化 できる
insideEVs、9月19日(16)
Scania PHEVバス(2025年)長距離バス用 13リッター
ディーゼルエンジン 出典:Scania

61
充電インフラの動向 (中国)
◼中国のEV充電ネットワークは 1,670万台に達し、月間使用量は 7.7TWhを記録
➢中国はEV充電インフラにおいて世界をリードし 、2025年7月末までに 充電ポイントの総数 は1,670万カ所に
達し、前年比53%増を誇る。2020年と比較して10倍に増加した。
✓2025年の最初の7か月だけで、充電スタンド は3,878,000カ所増加し、 前年比93.2%増となった。公共充電施
設は623,000カ所(28.9%増)、民間充電施設 は3,255,000カ所(113.6%増)増加した 。
▪ 8月26日、中国で はEV5台につき充電 スタンド2台という比率を達成 した(国家エネルギー局 )
✓充電器と新エネルギー車 (NEV)の増加率は1:1.8で、インフラ整備 がEV販売台数の増加に追いついていることを
示している。EV販売台数は同期間に国内 で6,913,000台に達した 。
✓充電事業市場は、少数の大手事業者によって支配されている。
▪ 2025年7月現在、上位15事業者が公共充電スタンド全体 の84.1%を管理している。上位は 、TELD(807,000台)、Star
Charge(703,000台)、YunkuaiCharge [YKC:雲快充](656,000台)。小規模だった。
CarNewsChina、8月27日(67)
YKC充電ステーション。写真提供: Sina
➢電力消費量も大幅に 増加。
✓EV充電・交換サービスにおける電力消費量は、今年最初 の7ヶ月間で
40%以上増加。
▪ 2025年7月単月では、 全国の充電電力消費量は 約7.71TWhに達し、
前月比1.0TWh増加し、前年比53.9%、前月比14.9%の増加。(中国国
家能源局; National Energy Administration)
▪ この電力は 主にバスと乗用車に供給 され、衛生車両・物流車両やタク
シーへの供給は比較的小規模だった。

62
充電インフラの動向 (欧州/BYD)
◼BYDがEV生産とメガワット充電設備を欧州に導入
➢VW、BMW、Mercedes-Benz、Renaultといったメーカーが EV、自動運転、先進ソフトウェアといった新計画を
披露する一方で、中国の自動車メーカーが既に展開している技術に追いつこうとしていることは周知の事実。
✓そして、最も攻勢に出ているのは間違いなく BYDだろう。
➢BYDはしばらく欧州に進出しており、最近は 欧州の主要都市に行けば、 ほぼ必ずBYDの車を目にする。
✓BYDは現在、手頃な価格の Dolphin Surf(別名Seagull)から高級ブランド「 Denza」まで幅広く展開している 。
✓Stella Li氏は2028年までに欧州で販売される BYDのEVはすべて欧州製になる と述べた。
✓BYDは、欧州で人気があるワゴンに真剣に取り組んでいる。特に、 新型Seal 6 DM-iTouring (PHEV)だ。
▪ 1.5リッター自然吸気エンジン と19kWhのLFPバッテリーパック を搭載し、航続距離は合計 1,300km
➢BYDは欧州でメガワット級 (1MW)の充電システムを展開する。
✓Li氏によると、この「フラッシュ」充電システムにより 5分で400km(250マイル)の走行距離を延長できるという。
insideEVs、9月9日(44)
BYD Seal 6 DM-iTouring (2025)
出典:BYD

63
バッテリーの動向 (個体電池 )
◼中国の電池メーカー、固体電池技術への期待で躍進
➢固体電池の実用化時期が明確になりつつあるという期待が、 CATLの株価を押し上げている。
✓Wuxi (無錫) Lead Intelligent Equipmentは今月初めに「完全な」生産プロセスを確立し、固体電池技術の受注
増加を見込んでいると発表して以来、株価が約 25%上昇している。
✓バッテリーメーカーの Gotion(国軒) High-Techは、決算発表を引用し、来年「半固体」バッテリーの量産を開始
する予定だと述べている。また、 EVE Energy今月、成都に固体電池の研究拠点を開設した。
➢中国における最近の熱狂的な反応は時期尚早というリスクもある。
✓バッテリー関連株の不安定な動きは、投資家が技術革新やその他の市場動向にどれほど敏感であるかを示して
いる。
Bloomberg、9月15日(23)
✓一方で、既存リチウムイオン技術からより高い性能を
引き出すという大きな進歩も遂げられている 。
➢世界の固体電池生産能力のうち、稼働しているのは
わずか10%未満で、そのほぼ全てが液体と固体の両
方の化学組成を用いる半固体電池を製造する中国
メーカーによるもの 。
✓パイロットプラントから量産体制に移行するには、原
材料処理、電極製造、セル組立の各工程にわたる
新たな設備投資が必要となる。

64
バッテリーの動向 (個体電池 )
◼全固体電池搭載の Mercedes EQSは1回の充電で 1206km走行。まだ137km
分の航続距離が残っていた
➢Factorialの全固体電池を搭載した軽微な改造を施した Mercedes-Benz EQSが、ドイツのシュトゥットガルトか
らスウェーデンのマルメまで、 1回の充電で 1,206kmの長距離を走行した。
✓このプロトタイプ電気セダンのバッテリーにはまだ 137km分もの航続距離が残っていた。
▪ Mercedes-Benzは検証走行の平均速度や所要時間について明らかにしていない。
✓この全固体バッテリーに空気圧アクチュエータが搭載されている。
▪ このアクチュエータは、充放電中のセル容積の変化に反応し、常にセルを完璧にサポートすることで寿命を延ばす。
✓Factorialは2種類の固体電池を開発中。
▪ 最も量産化が進んでいるのは「 FEST」と呼ばれるもので、極薄リチウム金属アノード、準固体ポリマー電解質、そして高容
量カソードを採用 した半固体。
▪ もう1つの電池「Solstice」は、硫化物ベースの全固体電解質材料を使用 し、液体を一切使用していない。 ただし、乾式
コーティング用の新たな生産ラインが必要
insideEVs、9月9日(46)

65
バッテリーの動向 (個体電池 )
◼この新しい全固体 EVバッテリーは ガソリンを入れるよりも早く充電 できる
➢Rimacグループ傘下の部品開発・製造会社である Rimac Technologyは、EV向けの全固体電池パックを発表。
✓ProLogiumと三菱ケミカルグループとの共同開発によるこの最先端の液体不要高電圧パックは、本日 IAA
Mobility Showで、クロアチア企業の液体ベースの円筒形セルパックの最新モデルとともに公開された。
▪ Rimacの全固体電池は、 2027年第4四半期から、高性能 EVに搭載される予定 。
✓定格電圧は 540Vから907Vとされる。
▪ 出力密度は 2,210ワット/kg、2,980ワット/リットルで、最新の円筒形セルパック( 1,753W/kg、2,575W/リットル)と比
べて大幅に向上している。
▪ これにより、100kWhの固体電池パックは、同等の円筒形セルパックよりも設置面積が小さく、正確には 320リットルから
285リットルに縮小される。また、重量も 846ポンド(384kg)と、1,036ポンド(470kg)から軽量化されている。
✓Rimacによると、100kWhの個体バッテリーは 10%から80%まで6分半で充電できる 。
▪ -20℃でも95%以上のエネルギーを保持できると謳われている。
▪ また、セルレベルでは火災や爆発の危険性もない。これは大きなメリットで、火災安全性の問題は発生しない。
insideEVs、9月8日(53)

66
バッテリーの動向 (個体電池 )
◼(半)全固体電池を搭載した現行および今後発売 予定のEV(1/3)
➢固体電池を大量生産できれば、航続距離、安全性、性能、そして急速充電の理想的なバランスをより小型の
サイズで提供できる。
✓但し、一夜にして状況を変え機能させることはできない 。BloombergNEFは、2035年までに全固体電池が世界
のEVおよび蓄電池需要の わずか10%を占めると予測している。
➢半固体電池を搭載した EVは、少数ではあるものの、すでに中国で展開されている。
✓Nioや、この技術に早期投資した国営企業である上海汽車集団 (SAIC Motors)などのアーリーアダプターのおか
げで、顧客は今日から固体電池を購入し、運転することができる 。
➢Nio ET7/ET5
✓バッテリータイプ:半固体
✓エネルギー密度 :360ワット時/kg
✓サプライヤー:北京威霖新能源科技
✓公称航続距離 :652マイル(1,050キロメートル)
➢IM Motors L6
✓バッテリータイプ:半固体
✓サプライヤー:蘇州青島動力科技
✓航続距離:620マイル(1,000km)以上
insideEVs、9月7日(57)

◼(半)全固体電池を搭載した現行および今後発売 予定のEV(2/3)
➢MG4
✓バッテリータイプ:半固体
✓エネルギー密度: 180Wh/kg
✓サプライヤー:蘇州青島動力科技
➢VoyahPassion
✓電池タイプ:半固体
✓航続距離:360マイル(約580km)
➢Mercedes-Benz EQS (Concept EV)
✓バッテリータイプ:全固体、半固体
✓航続距離:620マイル以上
✓サプライヤー: Factorial Energy
➢BMW i7 (Concept EV)
✓バッテリータイプ:全個体
✓エネルギー密度:390Wh/kg
✓サプライヤー: Solid Power 67
バッテリーの動向 (個体電池 )
insideEVs、9月7日(57)

68
バッテリーの動向 (個体電池 )
◼(半)全固体電池を搭載した現行および今後発売 予定のEV(3/3)
➢東風風神E70 (Concept EV)
✓バッテリータイプ:半固体
✓航続距離: 620マイル以上
✓サプライヤー:贛鋒リチウム
➢Dodge Charger Daytona EV(Concept EV)
✓バッテリータイプ :半固体
✓エネルギー密度:375Wh/kg
✓サプライヤー: Factorial Energy
➢全固体電池を搭載 したEVの販売を計画している自動車 メーカー
✓Rimac、トヨタ、ホンダ、日産 、VW、BYD、Hyundai、Kia
insideEVs、9月7日(57)

69
バッテリーの動向 (個体電池 /SK On)
◼全固体電池は中国に勝つための「武器」になるかもしれない、と SK Onは主張
➢中国のバッテリーメーカーは既に半固体技術でリードしており、バッテリー専門家はこれを全固体電池( ASSB)
への架け橋と考えている。半固体パックを搭載した NioのEVは、既に中国の道路を走っている。
✓SK Onは、浸漬冷却による熱管理の改善に取り組んでおり、この技術 はEVだけでなく、AIデータセンターやエネル
ギー貯蔵システムを構築する顧客にも活用する予定。
➢固体電池技術の実現はまだ何年も先のことかもしれないが、巨額の資金、拡大する工場ネットワーク、そして
大手自動車メーカーを顧客とする同社は、画期的な技術革新が遂に到来した際に備え、万全の態勢を整え
ている。
insideEVs、9月7日(58)

70
バッテリーの動向 (CATL)
◼CATL:新型EVバッテリー技術、 60万マイル走行、 10分で充電
➢欧州市場向け に「ShenxingPro」と名付けた 2種類の新しい LFPバッテリーパックを開発し IAAで発表した。
✓どの車種に搭載されるかはまだ不明だが、 CATLによると、この技術は 超長距離走行と驚異的な高速充電を可
能にし、しかも経年劣化の少ないバッテリー を実現できると言う。
✓CATLは、欧州の消費者が EVへの移行に関して抱く最大の懸念を軽減することを目指し、 2種類のリン酸鉄リチ
ウム(LFP)バッテリーパックを開発した。
▪ 「超長寿命&長距離バッテリー」は、 122kWhの大容量バッテリーパック で、欧州WLTP試験手順において約 740kmという
十分な航続距離を実現 。20万km走行でわずか 9%の劣化。
▪ 「超急速充電バッテリー」は、 110kWhのバッテリーはわずか 10分で10%から80%の充電が可能だ。 CATLによると、10分
間の充電で WLTPモードで478kmの航続距離が追加されるという。
insideEVs、9月9日(45)
✓CATLによると、ShenxingProバッテリーの形状と
「Wave」セルの配置方法 により、多くの活性バッテ
リー材料を一定の面積に詰め込むことができるという。
✓CATLは、ハンガリー、ドイツ、スペインのバッテリー製
造施設を含む、欧州地域に$ 12.9Bを投資しており、
材料生産からバッテリー製造、再生製造、リサイクル
に至るまで、より広範なエコシステムの構築を目指し
ている。
Photo by CATL

71
バッテリーの動向 (Exxon/グラファイト)
◼Exxon CEO、新形状のグラファイトが EVバッテリーの寿命を延ばすと語る
➢Exxon Mobileは、EV用バッテリーの寿命を最大 30%延ばすことができる新しいタイプのグラファイトを発明し
たと発表した。
✓シカゴに拠点を置く Superior Graphiteから複数の生産資産を買収し、 2029年までに商業生産を開始することを
目指している。
➢バッテリーのアノード側に使用されるこの合成グラファイトは、 EVの充電速度向上、寿命の延長、そして航続
距離の延長を可能にする。
➢Exxonとしてもう一つの成長分野である水素の見通しは厳しいものとなっている。
✓Exxonは、顧客の関心が低いため、テキサス州ベイタウンで計画している低炭素水素・アンモニアプロジェクトを
延期する可能性があると警告している。
Bloomberg、9月12日(27)

72
資源の動向 (レアアース)
◼欧州唯一の希土類磁石生産拠点に EVメーカーが集結
➢欧州のEV業界幹部たちは、中国以外では入手困難なレアアース磁石を求めて、エストニア に足を運んでいる。
✓エストニアの工業都市ナルヴァ (川を挟んでロシアと隣接 )で、カナダ企業の Neo Performance Materialsが
$75Mを投じて建設した磁石工場が 17日に開業した。
▪ 新工場は当初、年間 2,000トンの磁石を生産する予定で、これは欧州の需要の約 10分の1に相当。
▪ 主要な納入は 2026年に開始される予定。 2027年に開始される拡張工事の後、生産能力を 3倍に増強する計画。
▪ 2035年までに内燃機関搭載車の新車販売を禁止する期限を前に、 EVへの転換を進めている欧州 OEMの需要の急増に
対応する。
➢Neo Performance Materialsのエストニア工場は、 中国が規制対象としている製品の一つであるネオジム磁
石を製造する。原材料はオーストラリアから調達 する予定。
Bloomberg、9月19日(13)
Neo Performance Materialsの工場.
Source: Neo Performance Materials
✓「Neoを除いて、欧米諸国には EVトラクションモーター用磁石の
製造能力がない」 (Paradigm Capital)
▪ 化学製品や金属製品も手掛け、米国や中国を含む世界 10カ所
の製造工場を持つ Neoは、ロシアによるウクライナへの全面侵攻
が欧州経済に混乱をもたらした数ヶ月後の 2022年末、エストニ
アに新工場を建設することを決定した。
➢米国唯一のレアアース採掘会社である MP Materialsは、Neoの
年間生産能力を上回り、今年後半に生産を開始する予定。
✓MP Materialsは生産拡大のため国防総省の資金援助を受けた
工場を増設する計画もある。

73
資源の動向 (レアアース)
◼レアアースが米国との貿易戦争における中国の切り札である理由
➢中国の優位性を支えているのは、経済的に採掘可能な鉱床であるレアアースの埋蔵量、世界のほぼ半分を
中国が占めているという事実だ 。
✓中国の4,400万トンという埋蔵量は 、2位のブラジル の2倍以上。米国は 約190万トンの埋蔵量で、世界 ランキン
グ7位に過ぎない 。また、米国はレアアースの精錬能力も低い 。
✓実際、レアアースを採掘できる数少ない国は、依然として中国に精錬のために送る必要があることが多い 。
Bloomberg、6月27日(69)
➢希土類を岩石から分離するには大量の水とエネルギーが必要
となるため、採掘は環境に悪影響を与える可能性がある。また、
レアアースはウランやトリウムなどの放射性元素と共存すること
が多いため、採掘によって土壌や地下水が汚染されるリスクも
ある。
✓米国は1960年代から1980年代にかけて世界最大の生産国
だったが、中国が採掘を拡大し始めると、その地位を 失った。
➢トランプ大統領はレアアースを 求め米国外 にも目を向けている 。
✓彼は、世界 で8番目に大きいレアアース埋蔵量を誇るグリーン
ランドの鉱物資源に狙いを定めており、このデンマーク領の接
収も検討している。
✓米国はまた、ウクライナの重要な鉱物資源を開発するための
協定にも署名した 。ロシアには国際的に経済的に採算が取れ
ると認められる大規模な埋蔵量は ない。

75
気候変動の動向
◼トランプ大統領の気候科学に対する認識がいかにして米国を弱体化させるか
➢7月下旬、トランプ大統領率いる環境保護庁( EPA)は、かつては考えられなかったほど大胆な内容を発表し
た。それは、EPAが地球温暖化を引き起こす汚染を規制する法的判断である「危機認定」を覆す ものだった。
✓2009年のこの認定は、温室効果ガスの排出が気候変動を引き起こし、公衆衛生を脅かすことを示す膨大な科
学的証拠に基づいている。
➢トランプ大統領は、化石燃料の採掘拡大を最優先事項としており、エネルギー緊急事態を宣言し、一部の石
炭火力発電所を汚染規制の適用除外とし、石油・ガスプロジェクトの認可手続きを迅速化している。
Bloomberg、9月8日(49)