Japanese 2025 0731_Monthly Update_150dpi.pdf

n2go 23 views 91 slides Sep 03, 2025
Slide 1
Slide 1 of 91
Slide 1
1
Slide 2
2
Slide 3
3
Slide 4
4
Slide 5
5
Slide 6
6
Slide 7
7
Slide 8
8
Slide 9
9
Slide 10
10
Slide 11
11
Slide 12
12
Slide 13
13
Slide 14
14
Slide 15
15
Slide 16
16
Slide 17
17
Slide 18
18
Slide 19
19
Slide 20
20
Slide 21
21
Slide 22
22
Slide 23
23
Slide 24
24
Slide 25
25
Slide 26
26
Slide 27
27
Slide 28
28
Slide 29
29
Slide 30
30
Slide 31
31
Slide 32
32
Slide 33
33
Slide 34
34
Slide 35
35
Slide 36
36
Slide 37
37
Slide 38
38
Slide 39
39
Slide 40
40
Slide 41
41
Slide 42
42
Slide 43
43
Slide 44
44
Slide 45
45
Slide 46
46
Slide 47
47
Slide 48
48
Slide 49
49
Slide 50
50
Slide 51
51
Slide 52
52
Slide 53
53
Slide 54
54
Slide 55
55
Slide 56
56
Slide 57
57
Slide 58
58
Slide 59
59
Slide 60
60
Slide 61
61
Slide 62
62
Slide 63
63
Slide 64
64
Slide 65
65
Slide 66
66
Slide 67
67
Slide 68
68
Slide 69
69
Slide 70
70
Slide 71
71
Slide 72
72
Slide 73
73
Slide 74
74
Slide 75
75
Slide 76
76
Slide 77
77
Slide 78
78
Slide 79
79
Slide 80
80
Slide 81
81
Slide 82
82
Slide 83
83
Slide 84
84
Slide 85
85
Slide 86
86
Slide 87
87
Slide 88
88
Slide 89
89
Slide 90
90
Slide 91
91

About This Presentation

■ 2025年上期の世界PEV販売台数910万台で前年比28%増
 ◎ 1-6月、中国32%増、欧州26%増、米国6%増、その他地域40%増。カナダは23%減。
 ◎ 米国のEV競争は縮小。但し、中古EV市場は、第2四半期、第1四半期から27%増、前年同期...


Slide Content

June 30, 2025
名古屋大学 モビリティ社会研究所 客員教授
野辺 継男
CASE、MaaS、SDV (含:自動運転 )の
世界動向調査・分析

Agenda
1
1.重要なポイント
2.7月の海外動向 まとめ

2
重要ポイント
◼2025年上期の世界 PEV販売台数910万台で前年比 28%増
➢1-6月、中国32%増、欧州26%増、米国6%増、その他地域 40%増。カナダは 23%減。
➢米国のEV競争は縮小。但し、中古 EV市場は、第 2四半期、第 1四半期から 27%増、前年同期比で 45%増。
◼トランプ自動車関税:日本、欧州ともに相互関税と同じ 15%で合意
➢詳細は明らかにされていないが、欧州の報復関税は回避。
◼中国新興 EV大手がTeslaやVWを追い越した最大要因は「開発期間の半減」
➢車両開発期間を数年短縮することで、資本 投資を節約、価格 を低下、最新モデルを 早期に提供可能となる。
◼中国車はEuro NCAPのEV安全性評価でもリーダーとなった
➢今年Euro NCAPがテストした28台のうち、18台が5つ星評価を獲得。そのうち 13台は中国製で、 11台は中国車。
◼BYD Sealion 06は、中国で$19,300から、BEVとPHEV両対応
➢インテリジェントドライビングシステム「 God’s Eye」Cバージョン(DiPilot100)が標準装備、アップデートで機能拡張。
◼Xpengは中国VWGの次世代EV向けゾーン・アーキテクチャ開発 を契約締結
➢VWが欧米でRivianと行っている取り組みに似ている 。
◼Teslaの新しい「手頃な価格の」 EVはModel Y
➢Musk氏はその“Model Y”が第4四半期に発売される可能性を示唆した 。
◼OBBBを受け、FordはCATLベースのLFPバッテリーを製造可能になったと判断
➢GMはLGES製LFPバッテリーの製造を強力推進、米国製 BEVも安くなる可能性。

3https://www.spglobal.com/mobility/en/products/global-auto-demand-
tracker.html?utm_medium=banner&utm_source=autonews.com&utm_campaign=PC023769
Global Automotive Demand Tracker (S&P Global)
非NEV
(ICE、HEV)
NEV
(BEV、PHEV)

4https://www.spglobal.com/mobility/en/products/global-auto-demand-
tracker.html?utm_medium=banner&utm_source=autonews.com&utm_campaign=PC023769
Global Automotive Demand Tracker (S&P Global)
非NEV
(ICE、HEV)
NEV
(BEV、PHEV)

Agenda
5
1.重要なポイント
2.7月の海外動向 まとめ

6
◼トランプ氏は米国外交政策の新たな章を開く
➢トランプ大統領就任からほぼ 6ヶ月が経ち、 トランプ・ドクトリン(政策理念)が見えてきた 。
✓彼が追求してきた政策には独特のパターンがある 。
▪ トランプ・ドクトリンは、アメリカの力を積極的に(トランプ氏の直近の歴代大統領よりもさらに積極的に)活用し、重要な
関係を再構築し、競争の激しい世界においてアメリカの優位性を確立することを強調している。
▪ こうしてトランプ氏は、「ポスト・アメリカ」時代に関するあらゆる議論を粉砕した。しかし同時に、トランプ政権がアメリカの
圧倒的な影響力を効果的に行使し、それを維持できるのかという、懸念すべき疑問も提起している。
➢トランプ氏の重要な洞察は、世界唯一の超大国であるアメリカが、一般に認識されている以上に大きな力を
持っているという点である。
✓トランプ氏は 国際経済 (グローバリズム )の再構築を期待し、数十カ国との貿易戦争を開始 した。
✓外交的影響力と、あからさまな放棄の脅しによって、 欧州の同盟国に防衛費を大幅に増額させることで、大西洋
横断協定を再構築 した。
✓トランプ氏はまた、 高性能半導体の設計におけるアメリカのイノベーション力を活用 し、サウジアラビアと UAEをワ
シントンのテクノロジー圏に引き入れ、 「AI優位」を目指すパートナー とした。
➢それでもなお、トランプ・ドクトリンは 3つの大きな問題を抱えている。
✓知的一貫性よりも取引の技術を重視する大統領は、 時に矛盾した政策を追求 する。
✓友と敵の区別に苦労する大統領は、 時に米国の力を正しい方向に導くことに失敗する ことがある。
✓優れた大統領は将来に向けて米国の力を築き上げるが、 トランプ氏はむしろそれを枯渇させてしまうリスク を負っ
ている。
Bloomberg、7月8日(49)
米国の動向 (トランプ・ドクトリン:政策理念 )

7
◼米国とEU、15%の関税合意に近づく
➢EUと米国は、トランプ大統領が今週日本と締結した協定と同様、欧州からの輸入品に 15%の関税を課す貿
易協定に近づいている。
✓EUの貿易政策を担う欧州委員会は、米国との協議後、 23日に加盟国の特使に説明を行った。
✓外交官らによると、 EU加盟国はこのレベルの関税を受け入れる用意があり、 EU当局は自動車を含む分野への適
用を働きかけている。
▪ 外交官らは、 EUの交渉担当者は合意成立に楽観的である一方で、いかなる合意にもトランプ大統領の承認が必要であ
り、最終的な決定を予測することは困難であることを認識していると警告した。
➢加盟国は24日、8月1日までに合意に至らなかった場合に備えて、最大 30%に設定された €93B規模の報
復関税パッケージを賛成票で可決した。このパッケージは 8月7日に発効する。
➢EUはまた、いわゆる貿易バズーカ砲とも呼ばれる反強制措置( ACI)の発動も検討している。
✓ACIはこれまで一度も発動されたことがない措置であり、 EUに米国企業の公開入札を阻止し、知的財産権の保
護を取り消し、輸出入を制限する権限を与えることになる。
Financial Times、7月24日(10)、Automotive News、7月24日(11)
米国の動向 (トランプ関税:対 EU)

8
◼トランプ大統領、日本との合意は 相互関税率 15%で合意に達したと発表
➢トランプ大統領は、主要同盟国である日本からの輸入品に 15%の関税を課すとともに、米国への投資のため
の$550Bの基金を設立する貿易協定を締結した。
✓トランプ大統領は 22日、大統領執務室で行われた日本の交渉担当者との 75分間の最終会談で進展を見出した
後、「私は日本と史上最大の貿易協定、おそらく史上最大の協定に署名したばかりだ」と述べた。
▪ トランプ大統領は Truth Socialで、この協定は日本が米国からの 自動車輸入に加え、米などの農産物輸入に対して「国
を開く」ことを規定していると述べた が、詳細は明らかにしなかった。
▪ NHKは、匿名の政府関係者の話として、米国が自動車部門の関税を 15%に設定すると報じたが、日本との暫定合意に
関する詳細、 特に日本の自動車と部品が 25%の関税から除外されるかどうかなど、現時点では明らかにされていない 。
➢石破茂首相 は、この協定に基づき 自動車とその部品には他の輸出品と同じ 15%の関税が課されると述べた 。
✓見返りとして日本は 米国の自動車安全基準に適合した自動車とトラックを追加要件なしで受け入れる ことになる。
✓協定のもう一つの重点は、$550Bの投資約束 である。
▪ 当局者によると、 Lutnick商務長官は、この投資基金を今回の合意の中核となる柱として提唱し、その設計を支援した。
トランプ大統領のこれまでの貿易協定には、このメカニズムは含まれていなかった。
▪ 以前、日米当局者は、利益を均等に分配する約 $400Bの基金について協議していると伝えられていた。しかし、大統領
執務室での会談で合意された条件では、日本は利益の 90%を米国に還元するファンドを通じて、米国におけるプロジェク
トに$550Bを投資することで合意した。
▪ 匿名の米政府高官は、この約束はトランプ 氏が米国内での投資を監督できる政府系ファンドのようなものだと述べた。
▪ 投資のタイムラインは未確定であり、トランプ大統領が任期中に全額を配分できるかどうかも不明。
➢合意の最終条件は、正式な宣言に明記される必要がある。
✓当局者によると、この誓約に関する法的詳細やその他の詳細は、現在詰めている段階だという。
Bloomberg、7月23日(12)、7月22日(18)
米国の動向 (トランプ関税:対日本 )

9
◼トランプ大統領、日本との合意は相
互関税率 15%で合意に達したと発表
Bloomberg、7月23日(12)、7月22日(18)
米国の動向 (トランプ関税:対日本 )
Dan Scavino: https://pbs.twimg.com/media/GwgcpbVX0AA2RjD?format=jpg&name=small

10
◼トランプ大統領、日本への米国製自動車輸入拡大を再び求める
➢トランプ大統領の最新の貿易協定には、日本に対し米国からの自動車輸入を「受け入れる」よう求めるとい
う、お馴染みの要求が含まれていた。
➢2024年には日本から米国への自動車輸出台数は約 140万台と見込まれているが、米国製の自動車の輸
入台数はわずか約 1.6万台にとどまっている。
✓米国車が不人気である理由はよく知られている。
▪ 燃費が悪く、日本の狭い道路には大きすぎ、日本人の嗜好に合わない設計になっている。米国の自動車メーカーはこう
した批判に応えるモデルを開発しているものの、日本の自動車購入者はドイツ製を好む傾向があり、この傾向はすぐには
変わらないだろう 。
▪ 1990年代、日米間の緊張関係を背景に、米国からの輸入増加の動きが加速し、一部の日本の自動車メーカーは北米
で製造・組立された自動車を自国に「逆輸入」するに至った。こうした取り組みは貿易不均衡をいくらか是正するのに役
立ったものの、日米の自動車安全規制の違いが特に大きな障壁となり、実を結ばなかった。
▪ 1996年の初期の取り組みでは、 GMのChevy Cavalierがトヨタの自社ブランドで輸入販売されたが、普及しなかった。
▪ GMはSaturnブランドで日本市場参入を再度試みたが、 1999年に撤退した。
▪ トヨタは世界で最も売れている車の一つである Camryの逆輸入を試みたが、車体が大きく売れ行きは振るわなかった。
➢日本の貿易交渉官である赤沢氏によると、 23日に発表された貿易協定では、日本は米国からの輸入車に
対する追加的な安全試験を免除することに同意 した。
Bloomberg、7月23日(13)
米国の動向 (トランプ関税:対日本 )

11
◼トランプ大統領が相互関税を再び延期し、カナダに 35%の関税を課すと脅迫し
たことを受け、自動車業界は貿易の明確化を待っている
➢トランプ大統領が「解放記念日」関税の 90日間の一時停止措置の終了によって、米国の長期的な貿易政策
に関する明確な見通しが得られることを期待していた自動車メーカーとサプライヤーは、 当初7月9日に終了
予定だった関税一時停止は、 8月1日まで待つことになった 。
✓この延期は相互関税に適用され、これはトランプ大統領が自動車、鉄鋼、アルミニウムに課したセクター別関税
とは別である。
✓企業は、関税と貿易をめぐる不確実性のために、投資を延期し支出を削減している。
➢トランプ大統領は 7月10日遅く、カナダ製品に 8月1日から35%の関税を課すと警告した。
✓一方、中国は米国と暫定合意に達し、米国の中国製品に対する関税を、以前は最大 145%に達していたものを
30%に引き下げた。
➢中国による米国製品の輸入は現在 10%であるが、米中間の関税は合意に至らなければ、 8月10日に再び
非常に高い税率に戻る予定だ。
Automotive News、7月11日(40)
米国の動向 (トランプ関税:自動車関税 )

12
◼Tesla、トランプの減税法案による痛みを警告、 Elon Musk氏も批判
➢Teslaは、トランプ大統領の $3.4Tの財政支援策に含まれる条項が、今後数ヶ月間、 Teslaにとって大きな課
題となるだろうと警告 した。
✓トランプ大統領の署名法案は、 9月末以降に EV購入者に適用される $7,500の税額控除も廃止する。
✓これにより、長年 EVメーカーである Teslaにとって重要な収益源となってきたライバル自動車メーカーへの規制クレ
ジットの販売が打撃を受け、「収益の減少につながる」と、 Vaibhav Taneja CFOは23日の第2四半期決算発表で
述べた。
Bloomberg、7月23日(14)
米国の動向 (トランプ関税: Tesla)

13
◼トランプ関税の代償を払うのは外国企業ではなく、米国企業と消費者
➢GMは、関税がコスト増加に及ぼす影響を明らかにした最新の米国企業となった。
✓同社は22日、関税によって利益が $1B以上減少し、打撃を吸収することを選択したと発表した。
➢米国の輸入価格は 6月に大幅に上昇 しており、外国企業が米国企業に低価格を提供することで負担を負っ
ているわけではないことを示唆している。
✓これは、先週のインフレ率データで自動車価格が上昇しなかった理由を説明する一因となる。 (企業が関税を顧
客に転嫁することに躊躇している ことが浮き彫りになっている )
▪ 一方、玩具や家電製品 等、他の輸入製品の大幅な値上がり は、関税による費用が消費者に転嫁されている 事を示唆。
✓関税は米国の歳入を大幅に押し上げているが、データは その財源が国内で賄われていることを示している 。
▪ 「消費者と外国企業が関税コストを負担していないのであれば、国内企業が負担することになる。これは最終的に企業
業績に反映されるはずだ」 (Citigroup)
✓6月の燃料を除く輸入価格 の大幅上昇 は、外国企業が米国企業に低価格を提供することで負担を負っているわ
けではないこと も示唆している 。
▪ 一方、日本の輸出価格は 3ヶ月連続で下落しており、日本の自動車メーカーは 6月に米国向け価格を 2016年以降で過
去最高の値下げを行った。
Bloomberg、7月23日(15)
米国の動向 (トランプ関税: GM)

14
◼トランプ氏の法案可決を受け、 Musk氏は「アメリカ党」の結成を宣言
➢Elon Musk氏は、トランプ大統領が減税・歳出法案 (Musk氏はこの法案を非難してきた )に署名した翌日、自
身が設立を示唆していた 新政党が「結成された」と述べた 。
✓Musk氏は自身の「 X」でこの発表を行った。
▪ 同プラットフォームで実施した世論調査の結果では、回答者の 65%がアメリカ党の設立に賛成しているという結果が出て
いるという。
▪ 議会がトランプ大統領の予算案を可決する準備を進める中で、この構想を提起した。
➢トランプ大統領との公然たる口論から数週間後、上院案が EV税額控除の終了を早めたことを受け、 Musk氏
はXチャンネルに一連の投稿を行い、増税・歳出法案への批判を強め始めた。
✓Musk氏は法案を支持する議員を標的にし、新政党の設立をちらつかせ、次回の米国大統領選挙で同法案に賛
成票を投じた議員の議席を奪うため、政治資金を増額すると宣言した。
Bloomberg、7月6日(60)
米国の動向 (トランプ関税: Tesla)

15
Bloomberg、7月22日(20)
中国の動向 (関税:対欧州 )
◼米国の関税が欧州への中国投資のアプローチを変えている
➢米国市場への参入の難しさ、単一市場の規模、優秀な人材、そして高い利益率といった要因により、欧州は
中国の自動車・バッテリー企業にとって理想的な投資先 となっている。
✓数年の間に、中国の自動車メーカーは自国市場で
後進から圧倒的な地位を築き、今ではより安価で
洗練された EVを世界に展開している。
✓同時に、数十年前の日本や韓国のメーカーと同様
に、中国も顧客の近くに工場を建設、あるいは建
設を検討している。これは、 EUが課したような関税
を回避するためでもある。
➢欧州各国政府は、トランプ大統領の貿易関税に苦慮
する中、こうした工場の誘致に熱心に取り組んでいる。
✓しかし、EU加盟国の多くは、米国から中国への路
線転換に依然として大きな懸念 を抱いており、特
に習近平国家主席が ウクライナ戦争におけるロシ
アへの公然たる支持 や、最近の レアアースの兵器
化を懸念している。
▪ EUによるロシアへの最新の制裁措置は、中国の企
業や銀行に打撃を与えており、中国政府は 21日、
両国関係に深刻な悪影響が生じると警告し た。

16
Bloomberg、7月22日(20)
中国の動向 (関税:対欧州 )
◼米国の関税が欧州への中国投資のアプローチを変えている
➢中国による欧州企業の買収は 2010年代に活発化した。
✓例えばポルトガルでは、中国三峡集団がポルトガルの公益企業 EDP SAの株式21%を買収した。香港上場の消費
者団体Fosun International Ltd.による2015年のフランス企業 Club Medの買収は、フランス当局から、旅行会社
Club Medのグローバル展開を可能にした成功例とみなされている。
▪ 2016年までに、COSCOがPiraeusの経営権を取得したことで、習近平国家主席が掲げる一帯一路構想の下、中国が戦
略的インフラを掌握しようとしていることに対し、欧州で警鐘が鳴らされるようになった。
▪ 同年、中国の家電メーカー、美的集団がドイツのロボット
メーカー、Kukaを買収し、続いて中国化工集団がスイス
の農薬大手 Syngentaを$43Bで買収するという衝撃的な
出来事が起こり、中国によるテクノロジー分野と食料安
全保障への進出への懸念が高まった。
➢現在では、中ロ関係、東欧との関係、欧州内の資源開発
等で利害のコンフリクトが起こり、以前よりも停滞している。
✓そうした中、自動車関連の比率が高まっている。
➢米国と中国に次ぐ世界第 3位の経済大国であり、北京
にとって欧州最大の貿易相手国であるドイツと中国の
経済関係は「転換点」を迎えている 。
✓グローバリゼーションモデルは中国と米国両
国によって試され、揺るがされている。そして、
ドイツはその影響の最前線に立っている 。

17
Bloomberg、7月11日(38)
中国の動向 (補助金)
◼BYDやCheryなど自動車メーカーが追加補助金を不正請求していたことが判明
➢中国の業界規制当局は、 BYDやCheryなどの自動車メーカーが、 2016年からの5年間に、実際には受給資格
のないEV補助金を申請していたこと を明らかにした。
✓その額は8億6,400万元(約$121M)以上に上る。
▪ 中国工業情報化部が先月末に発表した暫定結果によると、中国最大の自動車輸出メーカーである Cheryは、受給資格の
ない約8,760台のEVとハイブリッド車に対し、約 2億4,000万元の補助金を申請していたことが判明した。
▪ また、BYDが販売した約 4,900台の自動車に対し、 1億4,300万元が帳簿から削除されていた。
✓監査でEVが不合格とな る理由は、メーカーが車両の運行データを提供できなかったことや、燃費が基準を満たし
ていなかったことなどが挙げられる。 (工業情報化部 :MIIT)
▪ 販売目標達成のプレッシャーにさらされている自動車メーカーは、新車をトレーダーやディーラーに一括売却することがある。
彼らは車両の登録を手伝い、メーカーが販売車両として計上できるようにする。こうして、実質的新車を中古市場で流通
し、「走行距離ゼロの中古車」と化す。
▪ 中国商務省もこの問題に対処するため、中国の一部地域では消費補助金の支給を停止し、ディーラーがこれらの車を利
用して不正にリベートを請求していないか調査している。
✓中国は2010年代初頭から 10年間にわたり、 BEVとPHEVの普及促進を目的とした国家補助金制度を実施し、 1
台あたり最大 6万元を支給していた。
▪ このリベートはメーカーに一括で支払われ、メーカーは顧客向け販売価格を値引いていた。この制度は詐欺を助長する可
能性があり、 2016年の人民日報の報道によると、数十社が約 93億元の補助金を不正に請求していたと推定されている 。
➢中国政府は自動車業界への監視を強化している。
✓2年以上続く価格競争は、サプライチェーン全体の企業の収益に影響を及ぼし始めており、中国製自動車の品質
と評判が損なわれるのではないかとの懸念が高まっている。

18
◼米国への出荷が落ち込み、ドイツの輸出は予想以上に減少
➢トランプ大統領による関税導入の脅威を受け、 ドイツの5月の対米輸出額が予想以上に落ち込み 、3年以上
ぶりの低水準となった。
✓ドイツ統計局は 7日、総輸出額が前月比 1.4%減少したと発表した。
▪ 「輸出部門では、企業や輸出業者が年初に米国の関税を前倒し、成長を支えたフロントローディング効果の反転が依然
として本格化している」 (ING)
✓輸入は前月比3.8%減少し、米国からの売上高が 10%以上減少したことが響いた。
✓貿易収支は修正値の 15.7B€から18.4B€($21.6B)に増加した。
Bloomberg、7月8日(51)
ドイツの動向 (対米)
➢ドイツ連邦銀行( BNB)のJoachim Nagel総裁
は、関税の影響で欧州最大の経済大国であ
るドイツが景気後退に陥る危険性がある と警
告している。
✓ドイツは米国の関税に対して特に脆弱と見
られており、現在も自動車などのセクター
別関税の対象となっている。

19
◼日本の自動車メーカー、対米輸出価格を約 20%引き下げ、関税の影響を相殺
➢日本銀行が 10日に発表した 輸出物価指数によると、先月の北米向け自動車輸出価格指数は、 契約通貨
ベースで前年同月比 19.4%急落し、2016年以降で最大の下落幅を記録した。
✓これらのデータは、 トランプ大統領が 4月初旬に25%の自動車関税を課し始めた後も、日本の自動車メーカーが
米国での競争力維持のため、大幅な値上げを回避しようとしていることを示唆 している。
▪ この動きの裏返しとして、 企業の収益性、そして日銀の持続可能なインフレ目標の重要な要素である賃金上昇を継続で
きるかどうかという懸念 が生じている。
Bloomberg、7月10日(43)
日本の動向(対米)
➢スバルを含む日本の自動車メーカーは一部で
値上げを発表しているものの、日本が値上げ
を控える戦略は他のデータにも表れている。
✓米国向け輸出の約 4分の1を占める米国へ
の自動車輸出は、 5月に金額ベースで
24.7%減少したものの、数量ベースではわ
ずか3.9%の減少にとどまった。

20
EVの動向 (二酸化炭素排出 )
◼EVはバッテリー生産を含めてもガソリン車より 73%クリーン
➢国際クリーン交通評議会( ICCT)の最新調査によると、現在 欧州で販売されている BEVは、生産段階を考慮
しても、ガソリン車に比べて ライフサイクル全体での温室効果ガス排出量が 73%少ない。
✓これは2021年の59%減から大きな改善。
✓一方、HEVとPHEVは大きな進歩を遂げていない。
▪ HEVとPHEVは、ガソリン車と比較して、生涯排出量をそれぞれ 20%と30%しか削減できない。
▪ これは、PHEVが予想以上にガソリンを多く使用する傾向があることが一因。
➢BEVの改善は、欧州大陸における再生可能エネルギーへの急速な移行と、 EVの高いエネルギー効率による 。
✓EUの電力網の構成は急速に変化している。
✓2025年までに、再生可能エネルギーはヨーロッパの電力供給の 56%を担うと予想されており、これは 2020年の
38%から増加している。
✓2045年までにその割合は 86%に達する可能性がある。
➢但し、まだEVの製造では初期排出量が多く、 ガソリン車の製造よりも約 40%多く排出される。
✓これは主にバッテリー 製造によるもの。
✓しかし、EVはそれをすぐに補 う。この排出量の差は通常、約 17,000km(10,563マイル)走行で解消される。
▪ ほとんどのドライバーは 1~2年でこの距離に達する
electrek、7月9日(45)

21
EVの動向 (バッテリー再利用 )
◼EVバッテリーの再利用 (セカンドライフ )は、急増するエネルギー需要を満たす
上で重要な役割を果たす可能性がある
➢Redwood MaterialsのJB Straubel CEOは2年余り前、EVの再利用バッテリーをエネルギー貯蔵用途に活用
する可能性を探り始めた。
✓同社は、トヨタ、 GM、VWなどを含むメーカーから回収した 792個のEVバッテリーパックを用いて、ネバダ州の砂漠
地帯にマイクログリッドを構築した。
▪ Redwood Materialsは、これを北米最大の再利用バッテリー導入と謳っている。
▪ このバッテリーは 12MW、63MWhの電力を供給し、敷地内に建設された人工知能データセンターに電力を供給 している。
➢AIデータセンターは多くの電力を消費している。
✓米国エネルギー省 (DoE)によると、AIデータセンターは 2024年に米国の電力の 4.4%を消費しており、 2028年
には12%にまで増加する可能性がある 。3年でデータセンターは最大 580TWhの電力を消費する可能性がある。
Automotive News、7月9日(48)
▪ BCGによると、エネルギーシステムプロバイダーは 2025年上半
期に北米で過去最高の数のエネルギー貯蔵システムを設置し
た。同社は、需要が今年の 52GWhから10年後には90GWhに
増加すると予測している 。
▪ これまでセカンドライフが難しかったのは、経済性をうまく実現
することだった。 (BCG)
▪ 事業規模の大きさこそが Redwoodの「魅力的な」要素であり、
Whあたりのコストを低く抑えてセカンドライフ・ストレージを提供
できる。(Redwood Materials)
Redwoodの再利用EVバッテリーストレージシステム

22
EV販売台数 (全世界)
◼2025年上半期、世界の EV販売台数は 910万台で前年比 28%増
➢このまま推移すれば 2030年には世界の自動車販売台数の 40%以上をEVが占めることになる。(IEA)
➢今年、世界の EVの半分以上が中国で購入された。
➢中国; 550万台、前年比 32%増。
✓中国で購入された新車の約半数が EV。
▪ 中国の一部の都市では補助金が打ち
切られているが、 Rho Motionは、資金
がさらに投入され、今年後半には市場
が再び活況 化すると予想
➢欧州; 200万台、前年比 26%増。
✓スペイン85%、独40%、英国32%増。仏
は補助金削減の影響で 13%減。
▪ Renault 4や5といった手頃な価格のモ
デルの市場投入。
▪ 中国自動車メーカーは、 EUのBEVに対
する新たな関税を回避する手段として、
PHEVへの注力を進めている。
➢北米; 90万台、前年比 3%増。
✓墨20%増、米6%増、カナダ23%減。
➢その他地域 ; 70万台、前年比 40%増。
+18%
+50%
+29%
+29%
+24%
+24%
electrek、7月14日(34)

23
米国の動向 (EV)
insideEVs、7月3日(58)
◼EV税額控除は廃止。それでも希望がある理由
➢米国下院はトランプ大統領の国内政策を可決した。
✓この政策には、 $7,500の連邦クリーン車両税額控除と製造業向けの各種優遇措置の廃止が含まれている。
✓9月末以降、 EVは大幅に値上がりすることになる。
➢しかし、EV革命を止めるには遅すぎる。
✓内燃機関車の販売台数は 2017年に記録を更新し、それ以降は着実に減少しており、専門家は、ガソリン車の
販売台数が再びこの記録を更新することはないと予想している。
➢EVはより良い車だからだ。
✓EVはどれも、同等の内燃機関車よりも静かでスムーズだ。
▪ RivianやTeslaといった企業が提供する真の SDVは、従来のレガシー OEMをはるかに凌駕する機能とユーザーインター
フェースを提供している。
▪ 世界市場の現実は既にその方向に進んでいるのは明らか 。

24
米国の動向 (EV)
Bloomberg、7月4日(62)
◼税額控除の廃止が EV市場に及ぼす影響
➢トランプ政権による EVへの連邦優遇措置の廃止計画は、米国のバッテリー駆動型交通機関にとって大きな
障害となるものの、完全な障壁にはならないだろうと予測されている。
✓元GMのエコノミストで、現在はハーバード大学サラタ気候・持続可能性研究所に所属する Elaine Buckberg氏は、
連邦減税が廃止されたとしても、 2030年に購入される新車の約 37%がEVになると推定 している。
▪ これは、現在の優遇措置が維持された場合の 48%という予測よりも低いが、需要を押し上げている要因は EVが以前よ
りもはるかに高性能で安価になり、選択肢も大幅に増えている点だ。
▪ Edmunds.comによると、IRA導入後、米国のドライバーが EVに支払う平均価格は、 2023年1月の$64,700から4月に
は$59,900へとわずかに下落した。これは、 インフレ調整なしで 7.4%の下落で、また選択肢は劇的に広がった 。

25
米国の動向 (EV)
Bloomberg、7月4日(63)
◼BNP Paribas、RivianとLucidがトランプ税法案で恩恵を受けると予測
➢「Rivianと同様にLucidはOEM各社が米国での EV開発への意欲を後退させているため、 EV競争の縮小から
恩恵を受ける と我々は考えている」。 (BNP)
✓GM、Ford、Hyundai、そして傘下の Kiaといった自動車メーカーは近年、 EV生産を増強してきたが、政府のインセ
ンティブがなく、消費者需要も低迷していることから、 BNPはこうした取り組みが減速すると予想している。
✓「Rivianはトランプ政権への関与をめぐる Musk氏とTeslaに対する継続的な批判からも恩恵を受ける可能性があ
る」。(BNP)
▪ Teslaは2日、第2四半期の納車台数が 384,122台で、前年同期比 13%減となったと発表した 。
▪ RivianとLucidは、ともに第 2四半期の納車台数が予想を下回った。
✓税額控除の終了を前に消費者が購入に駆け
込むため、第 3四半期の納車台数は増加する
と予想。(BNP)
▪ Lucidの生産台数増加ペースが鈍いこと、また
同社のSUV「Gravity」が2025年末まで、クロ
スオーバー・ユーティリティ・ビークル「 Gravity」
が2027年まで発売されない見込みであるこ
とを考えると、 RivianはLucidよりも恩恵を受け
る可能性が高いだろう

26
米国の動向 (EV)
insideEVs、6月30日(78)
◼PHEVはBEVよりも多くの問題を抱えている
➢J.D.Powerの2025年米国初期品質調査では、 100台あたりの不具合件数( PP100)において、PHEVが初
めてBEVを下回った。
✓PP100とは、購入後 90日間に発生する不具合件数を測る同社のベンチマーク。
➢2024年6月から2025年5月にかけて実施された調査で、 PHEVのスコアが237PP100であるのに対し、 EV
は212PP100という結果だった。特に、 Teslaが62PP100改善した事が大きかった。
✓調査によると、ガソリン車と通常のハイブリッド車は、 EVとPHEVをそれぞれ184PP100と196PP100で上回って
いる。ほとんどの苦情は機械的な問題ではなく、ソフトウェアやインフォテインメントシステムに関するもの。

27
米国の動向 (中古EV)
insideEVs、6月27日(81)
◼中古EV市場が活況
➢Cox Automotiveの暫定推計によると、米国では第 2四半期に10万台以上の中古 EVを購入する見込みで、
中古EVの販売台数は第 1四半期から 27%、前年同期比で 45%増加する見込み 。
✓「中古EVがお買い得だと人々が認識していることを示している」。 (Recurrent)
➢5月、Coxの調査によると、中古 Teslaの売れ残り在庫はわずか 28日で、中古 EV市場におけるどのブランド
よりも少ない。これは、中古の ICE車の在庫44日を大きく下回る。
➢成長の理由:
✓現代のアメリカの EV市場はまだ比較的新しい。
2020年には約25万台のEVが販売され、 100万
台を超えたのは 2023年になってから 。
▪ これは、これまで以上に多くの EVが中古市場に流
入することを意味する 。
✓連邦EV税額控除のいわゆる「リース抜け穴」、つま
り「車両購入ではなくリース契約による車両に対す
る様々な規制を緩和する規定」は、 2022年以降、
EVリースの爆発的な増加を促し 、それが市場に出
てきた。
✓中古EVは以前よりも新しく、性能も向上し、航続
距離や機能も向上している。
✓中古EVは新車よりはるかに安い。

28
米国の動向 (Rivian Scaringe CEOの認識)
insideEVs、7月8日(53)
◼旧来の自動車メーカーは「 EVが消え去ればいいのに」と願っている
➢これまでRivianのあらゆる段階で立ちはだかってきたのは、 Ford、GM、トヨタといった老舗自動車メーカーだ。
✓これらの企業は、 Rivianが消費者に直接販売することを阻止し、 また排ガス規制の撤廃を求めて闘ってきた。
➢しかし今、急速に変化する規制環境、中国自動車メーカーの予想外の台頭、そして関連しつつも SDV
(Software Defined Vehicle) への移行など、他の多くの 順風が押し寄せている。
✓但し、EV税額控除の撤回と関税の導入は、米国と既存自動車メーカーの競争力にとって悪影響を与える可能
性が高い。(Scaringe CEO)
▪ しかし、これらの変更は「 Rivianにとっては、競争環境の観点からおそらく良いことだろう」 (以下、Scaringe CEO)
▪ Ford、Chevy、ホンダ、トヨタなどの競合する EVとは異なり、 R2は全て米国で生産される 。もしR2がR1と同等のフラッグ
シップグレードのソフトウェアとインテリアを提供できるのであれば、税額控除がなくてもヒット商品になるかもしれない。
▪ 既存OEMは競争力のない製品への補助金支給とガソリン車製品の維持を両立させなければならないため、競争力の高
いEV開発へ資金が廻らない。
▪ 米国で本格的な一歩を踏み出す前に EVへの野心を後退させてしまったホンダにとって、 EVへの野望を真剣に考えるこ
とは難しい。
➢EVの乗り心地はよりスムーズで、より静かで、よりシンプルだ。そして、 EVの技術は、最高の内燃機関製品よ
りも安価で信頼性の高いものへと進化している 。

29
米国の動向 (自動車第二の不況期 )
insideEVs、6月20日(83)
◼アメリカの自動車産業は第二の不況期に突入している
➢1975年、内燃機関車の環境リスクに気づき始めた規制当局は、排ガス規制を厳格化した。アメリカをはじ
めとする欧米の自動車メーカーは反発し、これほど厳しい環境基準では素晴らしい車を作ることは不可能だ
と主張した。しかし、アジアの研究開発では、より効率的な技術開発に成功し、より小規模ながらも意欲的
な企業のエンジニアたちが、彼らの誤りを証明してきた。
✓専門家たちは 1975年から1980年代半ばまでの期間を「不況の時代」と呼んだ。アメリカの自動車メーカーが新
たな規制への適応に苦戦し、輸入車への懸念が高まり、消費者の満足にも苦戦している今、私は第二の不安
(malaise)の時代が始まったばかりだと考える。
➢ある意味、これは最初の「不安時代」のねじれと言えるだろう。
✓トランプ政権による規制削減は、長期的にはイノベーションの減少と停滞を招く可能性がある。
✓未来の車は EVだ。

30
中国の動向 (EV)
Reuters、7月3日(64)
◼中国の新興 EV大手がGM、VW、Teslaを圧倒した経緯 (1/5)
➢中国の自動車産業における台頭 は、主に製造業における唯一の成果、すなわち 車両開発期間を半分以下
に短縮し、新型車または改良型モデルの開発期間をわずか 18か月に短縮したこと による。
✓中国国内で販売されている 中国ブランドの BEVやPHEVの平均車齢は 1.6年であるのに対し、外国ブランドは 5.4
年。(AlixPartners)
➢中国自動車メーカーの開発スピードは、コストと技術面で外国の競合他社に対する優位性の最大の要因と
なっている。(Reuters)
✓車両開発サイクルを数年短縮することで、 資本を節約し、価格を下げ、 この技術革新の時期に中国メーカーが
最新モデルを提供できる 。
▪ 5年に1回、ピックアップトラックの場合は 10年に1回程度、車両のデザイン変更を行ってきた老舗自動車メーカーを動
揺させている 。
➢例:2023年10月、Cheryは欧州向けSUV「Omoda5」の設計変更に必要性を理解した。
✓中国版サスペンションとステアリングが、中国の滑らかな道路と低速走行向けに設計されていたため、欧州の曲
がりくねった凸凹道にも耐える必要があった 。
▪ わずか6週間後、Cheryは新しいステアリング、トラクションコントロール、ブレーキ、振動ダンパー、タイヤを装備した欧州
仕様のOmoda5を販売店に出荷し始めた 。
▪ 欧米メーカー が比較的官僚的な組織で同様の改善を進めるには 1年以上かかる 。(Chery)
✓CheryのOmodaへの刷新は、かつて優勢だった外国の競合他社から世界最大の国内市場を掌握した中国自動
車メーカーの破壊的なスピードと柔軟性を象徴する 。

31
中国の動向 (EV)
Reuters、7月3日(64)
◼中国の新興 EV大手がGM、VW、Teslaを圧倒した経緯 (2/5)
➢この迅速なスピードは BYDの組織構造に組み込まれている。
✓中国の低い人件費を活用し、 BYDは約90万人の従業員を配置している。
▪ これはトヨタと VWの従業員数を合わせた数にほぼ匹敵する規模。
▪ BYDは2024年8月から10月にかけての採用活動で、 GMの全従業員数を上回る 20万人を新たに雇用した。
✓BYD本社では、会社が住宅、交通機関、学校を補助するなど、仕事中心の生活を推進してい る。
✓多くの自動車メーカーとは異なり、 BYDはサプライヤーに依存せず、ほとんどの部品を自社で製造している。
▪ これらも開発のスピードアップとコスト削減に寄与している 。
➢中国の自動車メーカーの従業員は週 6日、12時間労働であることが多い。 (Chery)
✓「世界の自動車メーカーは、自分たちがどんな状況に直面しているか全く分かっていない」 (Chery)
➢BYDとCheryは、Teslaが、主にモデルラインナップの老朽化により、初めて年間売上高が減少したため、
2024年にはそれぞれ世界売上高が約 40%増加する見込み。
✓Musk氏は昨年、中国の自動車メーカーは競合他社を「打ち負かす」可能性があると述べていた 。
✓BYDの新製品投入ペースは Teslaをはるかに上回っており、年間販売台数は Teslaの2倍以上。
▪ Teslaが2020年にベストセラーの Model Yを発売して以来、 BYDは40台以上の新型車と 139台以上の改良・刷新モデ
ルを発売している 。
✓BYDの創業者兼会長の Wang氏は、政治や他事業を幅広く手掛ける Musk氏よりも、自動車に注力している 。

32
中国の動向 (EV)
Reuters、7月3日(64)
◼中国の新興 EV大手がGM、VW、Teslaを圧倒した経緯 (3/5)
➢2020年から2024年にかけて、中国における外資系自動車メーカー上位 5社(VW、トヨタ、ホンダ、 GM、日
産)の乗用車販売台数は、合計で年間 940万台から640万台に急減する見込み 。
✓中国系自動車メーカー上位 5社の販売台数は、 2020年の460万台から昨年は 950万台へと倍増以上 。
➢中国を代表する外資系自動車メーカーである VWは、現在、急成 のXpengと共同で車両開発を行っている。
✓トヨタやStellantisといった他のグローバル自動車メーカーも、中国メーカーの事業運営方法を学ぶため、同様の
提携関係を模索している。
✓Ford、VW、Stellantis、GM、Renaultなど、世界の自動車メーカーの CEOや幹部は、中国のライバル企業がもたら
す激しい競争上の脅威を公然と認めており、その開発スピードをしばしば例に挙げている。

33
中国の動向 (EV)
Reuters、7月3日(64)
◼中国の新興 EV大手がGM、VW、Teslaを圧倒した経緯 (4/5)
➢逆転の現象が起きている 。
✓中国の自動車業界は外国車の模倣から脱却し、競合他社のエンジニアリングプロセスを精査し、独自の、そし
てより迅速な製品発売の道筋を考案し始めた 。(上海同済大学自動車学科教授 )
▪ 約10年前まで、中国の自動車メーカーは外国のライバル企業を模倣することが多かった。 CheryはかつてChevyそっくり
の車を製造し、 BYDはトヨタの模倣車を製造していた。
✓中国のエンジニアたちは、世界的な業界の審査プロセスは「過剰な品質」の無駄な追求だと結論づけている。
▪ VWの実世界テストの手順は厳格で、わずかなソフトウェアの調整でさえ、物理コンポーネントの変更と同様に扱われ、変
更ごとに2万5000キロ(15,534マイル)の路上テストが必要だったという 。(Zeekr)
▪ 審査プロセスを省略しているにもかかわらず、中国ブランドのモデルは、主要な衝突試験機関であるユーロ新車アセスメ
ントプログラム( NCAP)から、常に最高の 5つ星安全評価を獲得している
✓安全性と耐久性については、実地試験よりもシミュレーションや人工知能( AI)を重視している。
▪ 彼らはモデルの発売を開発の終わりではなく始まりと捉え、消費者のフィードバックに基づいて頻繁にアップグレードを加
えている。
➢厳格なタイムラインとマイルストーンに基づく審査を行う海外の競合他社と異なり、モデル開発プロセスの後
半でも設計や部品の変更に積極的
✓トヨタBYD JVの関係者の1人によると、トヨタのチームは開発後半でも設計や部品の変更に積極的に取り組む
BYDの姿勢に「驚愕」したという 。
▪ 4年間の開発プロセスの開始時にモデルの仕様を決定したら、その後は大幅な変更をほとんど行わないという 。
▪ トヨタエンジニアは BYDのスピード重視のアプローチに感銘を受けたものの、長期的な信頼性へのリスクを懸念している。

34
中国の動向 (EV)
Reuters、7月3日(64)
◼中国の新興 EV大手がGM、VW、Teslaを圧倒した経緯 (5/5)
➢旧来の自動車メーカーはスピードを出せない 。
✓Zeekrでは車のアイデアから組み立てまでの工程は、 24時間体制の開発体制によって加速されている。
▪ 上海と杭州の Zeekrのエンジニアは、毎日仕事の終わりにスウェーデンのヨーテボリにあるデザインセンターの同僚に作
業を引き継ぎ、最大 20時間もの途切れない開発を可能にしている。
➢標準化された車両プラットフォームと部品を使用
✓中国の自動車メーカーはまた、多くのグローバル自動車メーカーよりも、モデルライン全体で標準化された車両プ
ラットフォームと部品を使用することで、時間とコストを節約している 。
▪ Geelyは、20年分のGeelyの設計データを蓄積したデジタルライブラリから人工知能( AI)を活用し、既存の部品のうち最
も性能が高くコストが最も低い部品をエンジニアに提示している 。
➢三位一体の脅威: EV、ハイブリッド、ガソリン
✓Cheryのもう一つの強みは、中国以外のほぼすべての市場で依然として主流となっている内燃機関車を含む、
あらゆる種類の自動車を製造している 。
▪ 2023年に欧州向けに改良を急いでいた「 Omoda5」は、ガソリン車だった。しかし、 CheryはBEVのOmoda5も製造して
いる。今年後半には、より大型の PHEVであるオモダ 7とオモダ9を発売する予定 。
➢敗者を生み出す激しい競争
✓中国で事業を展開する 169の自動車メーカーのうち 93社の市場シェアは 0.1%を下回っている。
▪ 「生き残った企業は非常に強力になるでしょう」、「しかし、これは非常に残酷で競争の激しいプロセスだ」 (Xpeng)
▪ 「従来の自動車メーカーは、中国車に勝つような価格競争をすることはできない」 (Stax Consulting)

35
中国の動向 (世界の自動車市場シェア )
Bloomberg、7月17日(25)
◼中国は2030年までに世界の自動車のほぼ 3分の1を生産するだろう
➢中国車輸出の急増は世界中の自動車市場を再構築し、手頃な価格の車が各国に溢れかえり、メキシコか
らマレーシアに至るまでのショールームに波及する価格競争を引き起こしている。
✓市場シェアをめぐる争いが激化し、規模の小さいメーカーの生き残りはますます危うくなって いる。
▪ 約70社の現役自動車メーカーのうち、工場稼働率が 70%以上だったのはわずか 15%程度だった。
✓中国の自動車メーカーは、 2024年の21%から2030年までに
世界の自動車販売の 30%を占めると予測 (AlixPartners)

36
中国の動向 (安全性能)
insideEVs、7月11日(39)
◼中国車は自動車業界の笑いものから、今や EV
パワートレイン、車載インフォテインメントシステ
ム、そして安全性評価のリーダーへと躍進した
➢中国車はかつて、欧米車の模倣品として知られていた。
✓その多くは粗雑で、デザインは安っぽく、パワートレインも機能し
ないといった問題を抱えていた。
✓安全性も優先事項ではなかったが、ここ数年で劇的に変化した。
➢今年Euro NCAPがテストした28台のうち、18台が5つ星評価を
獲得したが、そのうち 13台は中国製 で、さらに11台は中国車
だった。

37
中国の動向 (安全性能)
insideEVs、6月30日(77)
◼「これまで見た中で最も謙虚になる出来事」: Ford CEO、中国の自動車産業
について語る
➢Farley CEOは6月27日に開催された Aspen Ideas Summitで「これまで見てきた中で最も謙虚な気持ちにな
る出来事だ」と中国の技術について語った。
✓Farley氏の説明によると、中国企業は車内でのデジタル体験を数段階向上させており、 米国では、ほとんどの車
に搭載されている「テクノロジー」は、メディアプレーヤー、ナビゲーションシステム、そして場合によってはスマート・
クルーズ・コントロール程度だが、中国はそれをはるかに超えるレベルにまで達している 。
✓「さらに、中国の車のコストと品質は、欧米の車よりもはるかに優れている 。私たちは中国と世界的な競争を繰り
広げており、それは EVだけではない。もしこれに負ければ、 Fordに未来はない」、「中国にはアメリカが必要とする
知的財産があることを人々は理解していない」。 (Farley CEO)

38
中国の動向 (BEV+PHEV)
Bloomberg、7月1日(70)
◼中国自動車メーカー、 PHEVで欧州市場シェア記録更新
➢中国自動車メーカーは 5月も欧州での足場を拡大し続け、ハイブリッド車販売で過去最高のシェアを獲得し、
EV市場でも過去 10ヶ月で最大のシェアを獲得した。
✓中国自動車メーカーが世界最大級の自動車市場の一つである欧州への進出にほぼ成功していることを示す新
たな証拠となっている。
➢中国のEV販売台数は現在、欧州連合( EU)が中国製EVへの関税を導入する前の 2024年半ばの水準に
戻っている。

39
欧州の動向 (自動車全般 )
Bloomberg、7月24日(3)
◼欧州の自動車販売、 EVの成長鈍化で 10ヶ月ぶりの大幅減
➢6月の新車販売台数が過去 10ヶ月で最大の落ち込みを記録 したことを受け、自動車メーカー各社は欧州に
対し、EVの需要をさらに刺激するよう求めた。
✓欧州自動車工業会( ACEA)は24日、登録台数が 5.1%減の124万台となったと発表した。
▪ EVの需要は引き続き増加しているものの、販売台数の伸びは今年最も鈍化した。
▪ EVの販売台数は、新型車の発売と一部の国における政府の優遇措置の継続に支えられ、 14%増加した。
✓「消費者は明らかに慎重な姿勢を維持しており、より強力な需要対策は、 EVへの移行を加速させる上で引き続
き重要な要素となるだろう」 (欧州自動車工業会 )
✓欧州の自動車メーカーは、自国市場における EV需要の低迷を許容できない。
▪ 米国で事業を展開するメーカーは、トランプ大統領による輸入車と部品への関税導入により、数 B €相当の収益が危
機に瀕している。

40
Teslaの動向(販売)
◼Teslaの納車台数は 2025年第2四半期も減少が続き、 13%減少
➢Teslaは2日、第2四半期の世界販売台数が 384,122台で、前年同期比 13%減となったと発表した。
✓Model YとModel 3は373,835台で、「その他のモデル」はわずか 13,409台だった。そこには、 Cybertruck、Model
S、Model Xが含まれる。
➢1年半の厳しい状況が続いたものの、 Teslaはまだ危機を脱したわけではない。
✓Musk氏が政府効率化局( DOGE)で果たした役割によってブランドが受けた評判の失墜から、 Teslaが立ち直れる
かどうかは不透明だ。
➢ウォール街のアナリストは、 Teslaの売上が2025年に再び減少すると予想している。
✓しかし、それがどの程度になるかは、 Teslaの次期モデル、あるいは複数のモデルに大きく左右される。
insideEVs、7月2日(67)

41
Teslaの動向(商品)
◼Musk氏、Teslaの新しい「手頃な価格の」 EVについて語る:それは Model Y
➢23日の決算発表後の株主向け電話会議で、 Teslaは新型手頃な価格モデルのデザインについて質問を受け、
Vaibhav Taneja CFOは当初、デザインの詳細は明らかにしないと述べていたが、 Musk氏はそれを遮り、
「Model Yだ」と発言した。
✓Musk氏は、Teslaが需要問題に直面し、 Model 3とModel Yの生産ラインが十分に活用されなくなってきている こ
とを認識し、 新プラットフォームをベースとした車両プログラムを中止 し、同じ生産ラインを用いて Model 3/Yプラッ
トフォームで新型車を製造することを決定 した。
➢Musk氏はより手頃な価格の Model Yの主な目標は、より幅広い顧客層に車両を届けることで市場を拡大する
ことだと述べ、 Model Yが第4四半期に発売される可能性を示唆 した。
electrek、7月24日(8)

42
Teslaの動向(商品)
◼Grokを使うアップデートをリリースしたが、まだ車とのインターフェースが無い
electrek、7月13日(37)、Bloomberg、7月10日(42)
✓xAIは、X上で反ユダヤ主義的なコメントやユーザーへの返信など、不適切な投稿を削除した約 1日後にGrok 4をリ
リースした。
▪ Teslaは4月、xAIが昨年の収益源であり、 Teslaとの商用契約、コンサルティング契約、サポート契約に関連して $198.3M
の費用を計上したと公表した。この取引の大半( $191M)は、xAIがTeslaの大規模蓄電池「メガパック」を買収したことに
よるものだった。
➢今週初め、 Elon Musk CEOは、自身の非公開企業である
xAIが開発した大規模言語モデルである GrokをTeslaの車
両に統合する と述べた。
✓GrokはAMDインフォテインメントコンピューターを搭載した
米国向け車両、つまり 2021年半ば以降に製造された車
両でのみ利用可能。
➢一方、Xiaomi YU7では、車載AIは車とインタラクトできる
だけでなく、車がカメラを通して捉えた映像も認識し、その
映像についてドライバーに伝えることができる 。
✓Teslaはこの点で明らかに大きく遅れをとっている。
➢1週間前、Musk氏とxAIチームのメンバーは、音声会話の
改善と、新しい AIシステムがOpenAIなどのモデルよりも高
いスコアを示すベンチマークテストを誇示した。

43
Teslaの動向(中国向け商品 )
◼今秋発売予定の大型 6人乗りSUV「Model YL」を発表
➢16日、Teslaは中国のWeiboで、ホイールベースが長く、 6人乗りの大型Model Yの「Model YL」を今秋中国で
発売すると発表した。
✓これは、ここ数ヶ月で中国で発売された複数の新型電気 3列シートSUVへの反応と思われる。
✓バッテリーは Model YがCATLのLFPであるのに対して、 Model YLはLGES ManjingのNCMとなっている。
electrek、7月16日(27)

44
Teslaの動向(中国向け商品 )
◼バッテリーに手を加えずに航続距離を延長
➢Teslaは中国における Model 3ロングレンジ AWDの公式ページを更新し、バッテリーの変更なく、 CLTC航続距
離を25マイル(40km)延長した。
✓これにより、CLTC航続距離は 467マイル(753km)となり、価格が $1,400上昇し、中国における価格は 4万ドル
弱となる。Model Y LR AWDの航続距離も 447マイル(719km)から471マイル(750km)に延長したが、価格は変
更なく約$43,700。
➢Teslaが市場地位を失っているのは、 中国自動車メーカーの動向や EVブームに追いつけていない からだ。
✓中国における Teslaのイメージ問題は、欧米における Teslaのイメージとは全く関係がないが、 Teslaのミニマリズム
というブランドは、もはや中国の消費者の心を掴んでいない。
▪ 今や中国には、 Teslaの4倍の速さで充電できる 1MWのEV セダンが存在する。
➢中国のライバル企業は Teslaよりも価格を抑え、一般的にはより豪華な内装の車を提供しており、 AI搭載の
バーチャルアシスタントなど、現地の消費者が求めるような機能が搭載されている。
insideEVs、7月1日(72)

45
Teslaの動向(スーパーチャージャー )
◼スーパーチャージャーは現在 Teslaの事業の中で唯一成長している部分
➢Teslaの事業は、スーパーチャージャー事業の売上を除けば、あらゆる面で縮小傾向にある。
✓Teslaは23日、第2四半期決算を発表した。素晴らしい業績とは言えないが、第 1四半期の惨憺たる状況から若
干の回復を見せている。
➢車両サービスとスーパーチャージングを含む利益カテゴリー「 Services and other revenue」の売上高は、 2024
年第2四半期の$2.61Bから2025年には$3Bへと大幅に増加した。
electrek、7月23日(17)

46
VWの動向(販売/トランプ関税 )
◼米国の関税が欧州車に打撃を与え、 VWの高級ブランドの売上が減少 (1/2)
➢トランプ大統領の関税が 、VWの高利益率ブランド Porsche、Audi、Lamborghini、Bentleyに圧力を及ぼし、販
売台数が、6月までの3か月間で7.7%減の48,200台となった。
✓関税の影響は高級ブランド以外にも及んでいる。 VWグループの米国での販売台数は第 2四半期に16%減少し、
新たな関税発効前の今年最初の 3か月間の4.4%増から急激に減少した。
➢一方、利益率の低い VWブランドとSkodaブランドの好調な業績が支えとなり、 VWは第2四半期も総販売台
数を伸ばす ことができた。
✓世界販売台数は前年同期比 1.2%増の2,271,700台で、特に中央・東ヨーロッパ、南米、中東・アフリカで顕著な
増加が見られた。
➢VWグループのBEVの世界販売台数は伸び、同四半期に 38%増の248,700台だった。
✓BEV販売台数は 欧州で73%増の189,700台となったが、 中国では33%減の33,400台、北米では5.2%減の
11,400台となった
✓上半期は465,500台となり、2024年上半期の 317,200台から47%の増加。
✓BEVはVWグループの世界販売台数全体の 11%を占め、前年のわずか 7%から増加した。
▪ 2025年上半期の BEVの成長率が最も高かったのは欧州で、販売台数はほぼ倍増の 89%増となった。
▪ 米国も24%増と堅調な伸び を示し、中国は国内ブランドとの激しい競争により 34%減少した。
➢こうした地域情勢の変化は、収益に大きな重しとなり始めている。 VWは第1四半期に利益が 40%減少した。
✓売上を支えるために 利益率の低いブランドへの依存度が高まって おり、今後の四半期で同社の利益にさらなる
圧力がかかることを示唆している。
Bloomberg(44)、electrek(46)、Automotive News(47)、7月9日

47
VWの動向(販売/トランプ関税 )
◼米国の関税が欧州車に打撃を与え、 VWの高級ブランドの売上が減少 (2/2)
➢VWグループ、第2四半期の販売台数は、 SkodaとVWブランドの売上増に支えられ、 1.2%増加した。
Bloomberg(44)、electrek(46)、Automotive News(47)、7月9日

48
Mercedes-Benzの動向(商品)
◼印象的な航続距離を誇る新型 CLAシューティングブレーク EVを発表
➢新型CLA Shooting Brakeは、Mercedes-Benz初のEVワゴン。これまで以上に広々とした室内空間、優れ
た走行性能、そしてハイテク装備を備えている。
✓このEVワゴンは、数週間前に発表された新型 CLAの優れた特徴を受け継ぎ、さらに広い室内空間と走行性能
を備えている。新型 Shooting Brakeのインテリアは、 CLAセダンとほぼ同一。
▪ 新しいMercedes-Benz Modular Architectureと85kWhバッテリーを搭載した新型 Shooting Brake EVは、WLTPモード
で最大761kmの航続距離を実現する。
▪ 800Vアーキテクチャを採用したこの新型 EVは、10分以内でWLTP航続距離を 310km延長できる。
electrek、7月15日(31)
Mercedes-Benz CLA Shooting Brake EV (出典:Mercedes-Benz)

49
Mercedes-Benzの動向(商品)
◼新型Mercedes-Benz CLAは実のところ売れ行き好調
➢受注件数は未定ながらも、今年後半には 3交代制生産に移行する予定だ。
✓インターネットでは新型 CLAに必ずしも好意的とは言えないが、 Mercedes-Benzは、EV セダンの需要が好調で
あることを喜んで報告して いる。
➢Mercedes-Benzはドイツで4月から受注を開始しているが、「 Automobilwoche」によると、国内の一部購入
者は納車まで 2026年まで待たなければならない可能性がある。
✓レアアースの確保に問題があったが、現在は制限はない 。(Mercedes-Benz)
➢Aクラスのハッチバックとセダン、そして Bクラスのミニバンの後継モデルは計画されておらず、事実上 CLAが
新たなエントリーモデルとなる。
✓年末にはガソリン車も追加される予定 。(価格は安くなる見込み )
motor1、7月4日(61)

50
Mercedes-Benzの動向(販売)
◼米国と中国の関税による需要減退で Mercedes-Benzの販売が減少
➢Mercedes-Benzは7日、第2四半期の世界販売台数が前年同期比 9%減の453,700台となったと発表した。
✓米国では12%減、中国では19%減となった。
➢特に中国向け米国製車両への貿易摩擦の影響拡大は顕著。
✓Mercedes-Benzはアラバマ州タスカルーサの工場で GLSやGLEなどの大型 SUVを生産し、中国に輸出している。
▪ 米国が中国製品への関税を引き上げると、中国政府は報復として米国製 SUVに10%の関税を課し、需要を抑制した。
➢Mercedes-BenzのEVの世界販売台数は、第2四半期に前年同期比で 24%減少した。
✓同社は、航続距離を最大化するために設計された新しい EV専用プラットフォームを採用した、次期型 CLAセダン
の受注が伸びていると述べた。
Bloomberg、7月7日(55)

51
Mercedes-Benzの動向(個体電池 )
◼すでに600マイル以上の航続距離を持つ EVで固体電池をテストしている
➢全固体電池を搭載した Mercedes-Benz初のEVは2020年代に登場する予定 。
✓Mercedes-Benzは2月から英国で試作車の試験走行を行っている。
▪ 試験走行には、新型バッテリーなどの部品を搭載した 改良型EQS試作車を使用 した。
▪ このバッテリーパックは、 Mercedes-BenzとAMGハイパフォーマンスパワートレイン( HPP)によって開発された 。
✓Mercedes-Benzは、この新型バッテリー技術 で米国に拠点を置く Factorial Energyと提携している。
▪ 昨年9月には、FactorialとMercedes-Benzが全固体電池「 Solstice」を発表した 。
▪ より安全で効率的と言われている硫化物ベースの固体電解質を使用している。
▪ Factionalは、HyundaiやStellantisなどの主要 OEMと協力し、2030年までに全固体 EVバッテリーを市場に投入する予定。
➢MBは、航続距離の延長 (25%)に加え、新型バッテリーによって コストを大幅に削減できる と考えている。
electrek、7月24日(9)
全固体電池を搭載した Mercedes-Benz EQS(出典:Mercedes-Benz)

52
BMWの動向(BEV)
◼BMWのBEV、7万台以上が突然の電力喪失の恐れでリコール
➢BMWは、駆動モーターのソフトウェアに欠陥があるとしてリコールを発表した。
✓突然パワーを失い、最大 20秒間惰性走行する。これは、 2022年から2024年の間に製造された。 70,852台の
BMW BEVに潜在的に発生する問題だ。
▪ BMWは当初、この問題は駆動ユニット自体の問題であり、それを制御するソフトウェアの問題ではないと説明していたが、
非常に稀な発生であったため、原因を特定できなかった。
insideEVs、7月1日(75)

53
Bentleyの動向(BEV)
◼1930年代のスタイルと 2030年代の技術を融合
➢英国の超高級ブランド、 Bentleyは、1930年代の象徴的な「 Blue Train」
Speed Sixクーペにインスパイアされた新しいコンセプトカーで、 2030年
代まで続く初の BEVモデルを予告している。
✓今、既に自社製エンジンを持たない Bentleyは、目の肥えた顧客に対し、
自社の車が VW、Audi、Porscheといった機械式ブランドよりも高い価格
に見合う価値があることを証明するという課題に直面している。
electrek、7月13日(36)
▪ これまでと同様に、スペックや航続距離の見積もりは公表されておらず、
度々約束されてきた BEVのBentleyがついに登場するかどうか、そしていつ
登場するかについても明確な確証はない。
✓ユニークな3ドア3人乗りレイアウト を特徴としている。
▪ 確かなのは、登場 の暁には、大きく、力強く、そして速い車になるということ。

54
GMの動向(トランプ関税 )
◼GMの利益は、トランプ関税による $1.1Bのコスト増で減少
➢GMは、トランプ大統領の 関税導入により $1.1Bの利益が打撃を受けた と発表し、関税導入前の利益水準へ
の当面の回復計画はない と明らかにした。
✓GMの決算は、世界的に統合された部品サプライチェーンと国境を越えた自動車販売に新たな打撃を与える環境
下で、自動車メーカーが利益を維持することの難しさを浮き彫りにした。
▪ カナダ、メキシコ、韓国製車両への輸入関税の影響 を受け、極めて重要な 米国事業の利益 は打撃を受けた。
▪ GMの利益は、トランプ大統領が最近可決した予算案により 連邦政府の補助金が打ち切られる予定の EVの在庫増によっ
ても打撃を受けた 。
▪ GMは先月、ミシガン州、カンザス州、テネシー州の工場の生産能力増強のため、 $4Bを投資すると発表した。
✓GMは、関税引き上げにもかかわらず、第 3四半期の米国での自動車販売を伸ばし、中国での利益は 2四半期連
続で前年同期比 $175M増加した。しかし、 純利益は前年同期の $2.9Bから35%減少し、$1.9Bとなった。
Bloomberg、7月22日(19)
▪ GMの北米事業における利払い前税引前利益は、前年同期比
で$2B減少した。売上高は、価格下落の影響もあり、 1.8%減の
$47.1Bとなった。
➢GMは、関税負担を回収するほど販売価格を引き上げる動きを
見せておらず、コスト削減と生産の一部本国回帰によって打撃
を吸収することを選択している。
✓しかし、これらの関税の影響は、 4~6月期よりも今四半期の
方が大きくなる可能性もあると示唆した。

55
GMの動向(販売)
◼GMのEV販売は倍増、 Teslaの販売は減少
➢GMによると、2025年上半期の EV販売台数は約 78,000台で、米国 EV市場の13%のシェアを占める見込み。
✓GMは昨年、米国で約 114,000台のEVを販売し、初めて 10万台を突破した。
▪ この勢いは、 Cadillac Escalade IQやOptiqといった新型車の投入により、 2025年最初の数ヶ月も続く見込み。
✓昨年発売された Chevy Equinox EVは、$34,995という開始価格と約 480kmを超える航続距離を誇り、 GMのラ
インナップの真のヒーローと言える 。
▪ GMによると、2025年上半期の販売台数は 27,000台を超えている。
▪ Equinox EVは上半期に Ford Mustang Mach-Eを抜き、米国で Tesla以外のEVの中で最も売れている車となった 。
▪ GMは現在11種類のEVをラインナップしているが、そのうちのいくつかは売上に大きく貢献していない。 Escalade IQや
Vistiqのように販売台数を伸ばしているモデルもある。
▪ GMの大型トラックの電気版である Chevy Silverado EVは、第2四半期にわずか 3,056台、今年に入ってからの販売台数
は約5,500台にとどまっている。高級ピックアップトラックの GMC Sierra EVは、その約半分の販売台数にとどまっている。
✓GMは来年、EV ピックアップトラックの生産を開始する予定だったオリオン組立工場 を、ガソリン車と SUVの生産に
切り替えると 最近発表した。
▪ さらに、共和党の国内政策法案では EVへの税額控除とバッテリー補助金が削減対象となっているため、 GMをはじめとす
るEVメーカーは、今後、 EV販売においてより厳しい一年を迎えることに なる可能性がある 。
➢Cox Automotiveは、Teslaの第2四半期米国での販売台数が 20%減少したと推定。
✓Coxによると、Teslaの不振が、第 2四半期の米国 EV市場全体の売上が 6%減少した主な要因となっている。
insideEVs、7月1日(73)

56
Fordの動向(販売)
◼Fordのハイブリッド車の販売が好調
➢Fordは、今年上半期の EV販売台数が過去最高の 156,059台に達したと報告した。
✓HEVの販売台数は前年同期比 27%増の117,000台を超えた。
✓Fordによると、F-150 HybridやMaverick Hybridといったモデルが販売台数増加を牽引したという。
➢HEVは最近まで、米国自動車市場における市場シェアは約 2%で停滞していた。
✓2025年第1四半期には、ハイブリッド車が新車販売の約 12%を占めた。
✓さらに、より長い航続距離と自宅での充電機能を備えた PHEVを加えると、第 1四半期の市場シェアは約 14%に
達した。
➢FordのBEV販売は昨年よりも低迷しており、第 2四半期は31%減、年初来では 11.8%減となっている。
✓Mustang Mach-E、F-150 Lightning、E-Transitの販売台数はいずれも今年に入って減少している。
✓1月から6月までのEV販売台数は 39,000台弱で、前年同期の 44,000台強から減少している。
insideEVs、7月1日(74)

57
Rivianの動向
◼VWからさらに$1Bを調達
➢2日、Rivianは第2四半期の納車台数が 10,661台で、2024年の同時期と比べて 23%少ないと発表した。
✓2026年モデルのトラックと SUVへの切り替えにより、イリノイ州ノーマルの工場での生産が停滞したと述べている。
✓2025年の年間納車台数は、 4万台から4万6000台と大幅に減少する見込み。
▪ Rivianは、トランプ大統領による自動車部品・材料への関税措置を理由に、今年の見通しを引き下げた。
▪ 2024年の年間納車台数は 51,579台。
➢同日、6月30日にVWグループからさらに $1Bを調達したと発表した。
➢Rivianの今後の成長は、次なる戦略である $45,000のR2クロスオーバーにかかっている。
✓Rivianは、真のスケールメリットを実現できる初の量産車として、 2026年にR2の生産開始を目指している。
▪ 既存のR1 (R1SとR1T) は量販するには価格が高すぎる可能性があ った。
✓Rivianはこの目標達成に $数Bを費やしてきたものの、まだ純利益を上げていないため、 VWとの契約は極めて重
要だ。
insideEVs、7月2日(68)

58
Rivianの動向(英国ロンドンオフィス )
◼AIと自動運転技術に重点を置く英国オフィスを開設
➢このオフィスは AI中心の開発拠点となる。
✓Rivianは英国が急速に人工知能( AI)エンジニアリングの世界的リーダーになりつつあると見ており、新しい国際
オフィスを通じてその人材プールを活用したいと考えている。
▪ Rivianの現在のプラットフォームは、ドライバーが高速道路でハンズフリー・アイズ・オン・ザ・ウェイ(視線を離さない運転)
を可能にするが、同社は今後もこの技術を進化させ、より高度な自動運転機能を提供していく予定。
➢Rivianは、第2世代EVは「AI中心のアプローチ」で設計されていると発表している。
✓第2世代EVの開発と拡大に伴い、 ADAS技術の改良を加速させるためより多くのデータを収集している。
▪ 自社の認知プラットフォームと車載データインフラの強みを組み合わせることで、大規模運転モデルを構築し、複雑な運
転シナリオを比類のないレベルで理解し、より安全で高性能な自動運転機能への道を加速できる 。(Rivian)
➢Rivianは今年後半に「 AI and Autonomy Day」を開催する計画を明らかにし、製品と技術のロードマップにつ
いてさらに詳しく発表することを約束した 。
electrek、7月16日(29)

59
Lucidの動向(SDV)
◼主要なソフトウェアアップデートでハンズフリー運転などの機能を導入
➢Lucid Motorsの車両は、ますますスマート化と高度化を続けている。
✓15日に行われた主要ソフトウェアアップデートでハンズフリー運転機能を導入した。
▪ 7月30日より、Lucid Airのすべてのオーナーは、 OTAアップデートを通じてこれらの新機能を利用できるようになる。
▪ 先月、Lucidオーナーはソフトウェアアップデート( Lucid OS 2.7.0)を通じてAndroid Auto Smart Driving Companionにア
クセスできるようになった。
electrek、7月15日(32)
➢Lucidの自社製ソフトウエアスタックは32個のセンサー 対応。
✓今後もOTAアップデートが予定されており、 Lucidは将来的に
オーナーの皆様にさらに多くの機能を提供し続けるロードマップ
を持っている。
▪ DreamDriveProは、LiDAR、可視光カメラ、サラウンドビューカメラ、
超音波センサーを搭載したオプションの ADASシステムだ。 3Dレー
ン可視化や、近日中にハンズフリー運転といった高度な安全機能
を提供する。価格は $950(税別)。
➢Lucid Airは現在、米国で最も売れている高級 EV セダンであり、
Tesla Model Sや同セグメントの多くのガソリン車を凌駕している。
✓Gravityの生産台数が増加し、さらなるアップデートが予定されて
いることから、 Lucidは今年後半もこの勢いを維持していくと見
込まれている 。

60
Lucidの動向(トランプ関税 )
◼LucidのCEO、アメリカ製でもクルマの値段は高くなると警告
➢Lucidグループのトップは、自動車業界のグローバルサプライチェーンは、国内メーカーが依然として原材料や
一部の部品を他国から輸入しなければならないため、トランプ大統領の関税導入により、米国国内において
も自動車製造コストが上昇すると警告した。
✓サプライチェーン、特にリチウムイオン電池の原材料の現地化を進めることでコスト削減策を模索している。
✓6月、バッテリーの主要部品である米国産グラファイトの供給を強化するため、 Graphite Oneと契約を締結した。
➢現在、Lucidは「パナソニックと協力し、米国内でセルの原材料をより多く調達する方法を模索しているがま
だ改善の余地がある」。 (Lucid CEO)
Bloomberg、7月14日(33)

61
Slateの動向(トランプ関税 )
◼Slate Truckの2万ドル以下の価格が政治的犠牲に
➢Slate Autoの電気ピックアップトラックの $20,000以下の価格は、トランプ政権の「ビッグ・ビューティフル・ビ
ル」の犠牲になるかもしれない。
✓Slateは「連邦政府の優遇措置後、 $20,000以下になる見込み」の超低価格 EVトラックとして公約した。
▪ しかし、トランプ政権が可決した歳出法案によって、このような価格設定を可能にした連邦税額控除が廃止された。
✓$20,000未満の目標価格を達成するために、ベースモデルは必要最低限 の機能だけに絞り込まれたグレーの単
色、2つの座席、フラットベッド、ステアリングホイール、そしてバッテリーの状態と充電情報を表示するシンプルな
メータークラスターだ。
▪ その他の装備 ―塗装オプションやパワーウィンドウ、インフォテインメントシステム、カップホルダー、スピーカーまで ―は追
加料金がかかる。購入者は、ボルトオン式のルーフパネルを使って、 SUVやファストバックに改造することも可能。
➢バッテリー価格の低下と Slateの必要最低限 の機能に絞ったアプローチにより、同社は依然として競争力の
ある価格設定が可能だ。
insideEVs、7月4日(59)
Photo by:Slate
✓しかし、連邦税額控除がなくなることで、同社は最大の売り込み
ポイントを失い、より厳しい売り込みに直面することになる。
▪ Teslaや既存自動車メーカーが、必要最低限 の機能だけを備えた
$30,000未満のEVの開発に徐々に近づいている中、 Slateは、政
府の支援なしに、その簡素化されたトラックが依然として意味を成
すことを証明しなければならないだろう 。

62
BYDの動向(商品)
◼Sealion 06、中国で$19,300から発売、BEVとPHEVのバリエーションを提供
➢BYDは、中国でミッドサイズ SUV「Sealion 06」を正式に発売 開始した。
✓価格は構成とバッテリー仕様に応じて 139,800元から163,800元(約$19,300~22,700)。
▪ BEVはBYDのe-Platform 3.0 Evoアーキテクチャを採用。 BEVは600mを誇る。
▪ PHEVは第5世代DM-iハイブリッド技術を搭載。
➢先進の安全機能と運転支援機能は全ラインナップに標準装備 されている。
CarNewsChina、7月24日(4)、electrek、7月24日(5)
✓BYDのインテリジェントドライビングシステム「 God’s Eye」Cバージョン
(DiPilot100)が含まれる。
▪ 現在は高速道路 NOA(ナビゲーション支援運転)に限定されているが、
今後のアップデートで機能が拡張される予定 。

63
BYDの動向(欧州戦略 )
◼ヨーロッパに向けて新たな超高級 EVブランドを展開
➢今年初めに「 Denza」を発売したBYDは、新たな高級ブランドを欧州に投入する予定。 Yangwangは、BYDの
最高級NEVラインナップであり、先進技術と高性能を誇る。
✓BYDは2023年1月に超高級 EVブランドYangwangを発表し、最初のモデル YangwangU8を同年9月に発売。
▪ YangwangU8は、Range Roverのような航続距離延長型 EV SUV(EREV)で、1,100馬力(880kW)以上のパワー。
✓2024年2月に2番目のモデルとなる YangwangU9を発売した。
▪ YangwangU9は、BYD独自のボディコントロールシステム DiSus-Xを搭載し、ジャンプやダンスも楽しめる EVスーパーカー。
✓YangwangU8とU9の中国での価格は、それぞれ 109万8000人民元(約 $150,000)、168万人民元(約
$230,000)から。どちらもヨーロッパで販売される予定 。
▪ 17%の追加関税、輸出コスト、その他の要因により、欧州での価格は大幅に上昇すると予想される
electrek、7月21日(23)
BYD YangwangU8L(出典:Yangwang) BYD YangwangU9 EVスーパーカー(出典: BYD)

64
BYDの動向(販売台数 )
◼中国自動車市場トップの BYD、揺らぎ始める
➢アナリストたちは現在、 BYDが2025年に550万台を達成できるかどうか疑問視しており、コンセンサス予想
は引き続き下方修正されている。
✓多くの市場関係者が現在、現実的に 500万台前後の販売台数を予想 している。
➢値引きも北京政府から厳しい視線を浴びており、中国政府は先週、 EV分野における「不合理な競争」を抑
制すると表明した。
✓規制当局の監視により、車両価格の直接的な値下げは抑制されるだろうが、競争は依然として続いており、販
売の勢いを維持するには依然として小売プロモーションが必要。
▪ 5月下旬には、 BYDは価格を最大 34%引き下げ、業界全体で新たな値下げを誘発した。
➢海外販売と商用車販売を除くと、 BYDの中国における主力車種の納車台数は減少している。
Bloomberg、7月21日(22)

65
Geelyの動向(Volvo)
◼Volvo、中国の関税回避のためスロバキアで Polestar 7を生産へ
➢Polestar 7は、Volvoにとって欧州で生産される初のモデルとなり、同ブランドの他のモデルと並んで販売さ
れる。この工場は年間 25万台の生産能力を持つ予定。
✓Volvoのプレミアムでパフォーマンス重視の EV部門である Polestarは、市場での支持獲得に苦戦している。
▪ 米国では、トランプ大統領の関税措置により、 Polestar 2の受注を停止した。
▪ このEVは親会社である Geelyグループの中国工場で生産されている。
▪ Polestarのモデルのほとんどは中国で製造されているが、 Polestar3は現在、Volvoのサウスカロライナ工場でも組み立
てられている。
▪ また、Polestar 4は中国に加え、ルノーの韓国工場でも生産されている。
✓Polestar 7とVolvoの新型モデルには、ギガキャスティング、セル・トゥ・ボディ・バッテリーパック、そして自社開発
のモーターが採用される。
▪ Polestar 7には、VolvoのSupersetソフトウェアスタックも搭載される。
▪ これは基本的に、標準化されたモジュール、ハードウェア、ソフトウェアのセット。
▪ VolvoはOTA(Over-The-Air)アップデートによって車両を継続的にアップグレードできる。
▪ Volvo EX60には、毎秒 1,000兆回の演算処理が可能な NVIDIAの最新SoC Drive Thorが搭載されることも確認されて
いる。この種のデータ処理速度は、先進運転支援システム( ADAS)に必須。
✓生産開始はまだ数年先だが、このモデルは 2028年までに米国で発売される予定だ。スロバキアで製造するこ
とで、Polestarは中国での製造に伴う高額な関税を回避できる 。
▪ Polestarは、ほぼすべての主要自動車メーカーが次世代プラットフォームを搭載した新型 EVの発売準備を進めている こ
とから、2020年代後半まで競争力を維持するために、斬新で魅力的なモデルを必要 としている。
insideEVs、7月3日(66)

66
Xiaomiの動向(対Apple Car)
◼Appleの失敗に対して Xiaomiが成功した方法
➢Appleのムーンショットカーの失敗は、 Xiaomiの地に足のついたアプローチの有効性を改めて浮き彫りにした。
✓TeslaやPorscheの実績あるデザインにインスピレーションを得ながらも、 Z世代の消費者にカルト的な人気を博し
た価格設定という理念を忠実に守り抜いた。
▪ Appleが自動車開発を中止して以来、 XiaomiはAppleユーザーに特別な配慮をし 、XiaomiはiPhoneを含むスマホをクルマ
とシームレスに同期できるようにした 。
▪ 「自宅にXiaomi製品が溢れている若い消費者にとって、これは大きな影響力を持っている。 EVを買う時期になると、彼ら
は自然とXiaomiを思い浮かべる」 (Automotive Foresight)
▪ ディーラーの報告によると、顧客の約 50%が他ブランドと比較することなく SU7を選んでいるという。
➢Xiaomiが世界で最も肥沃な EVエコシステム である中国に存在 すること。
✓政府の補助金、充電インフラ、そして整備されたサプライチェーンという、 Appleにはない構造的 優位性があった 。
➢Appleの失敗:Appleの自動車プロジェクト 「Project Titan」は、EVに集中しなかったことが失敗の大きな要因 。
✓ある時点では、 完全自律型レベル 5の自動運転車 で自動車業界を飛び越えようとした試みだった 。
➢Lei氏自身、時間とリソースを惜しみなく投入 し、自動車製造が「最後の起業プロジェクト」と宣言した。
✓Xiaomiの公式見解では、 Lei氏と彼のチームは GeelyやGreat Wallなど複数の中国自動車メーカーを訪問し、約
80回の会合で 200人以上の業界専門家と対話することで、様々なことを学んだ とされている。
➢自律的なサプライチェーンへの投資 という先見の明のある賭けに出た。
✓Xiaomiは自動車製造事業に参入した後、バッテリーやチップからエアサスペンションやセンサーに至るまで、 EVサ
プライチェーンのほぼすべてに投資 した。
▪ スマホを始めた初期の頃、外部サプライヤーが予期せず部品供給を停止した際に得た苦い教訓に基づいている。
Bloomberg、7月7日(54)

67
Cheryの動向(インド市場)
◼Chery、インドJSWのEV発売に技術提供
➢中国のCheryは、億万長者の Sajjan Jindal氏が率いる JSWグループに技術と部品を供給し、 2027年までに
インドで新エネルギー車ブランドを立ち上げる計画だと、事情に詳しい関係者が明らかにした。
✓両社間の合意に基づき、 JSWはCheryに対し、一回限り (one-off)の技術移転料と継続的なロイヤルティを支払
うことになると、関係者らは非公開情報として匿名を条件に語った。
▪ インドが戦略的セクターへの中国からの投資を制限していることを踏まえ、 株式譲渡契約は締結されていない 。
▪ この契約は、 2020年に両国間の国境紛争が拡大して以来、中国自動車メーカーからインド企業への乗用車に関する大
型技術移転としては初の事例となる。
✓インドの新興 EVエコシステムは、レアアース磁石からリチウムイオン電池に至るまで、中国のサプライチェーンに深
く依存している。
▪ 中国はEVや半導体といった重要分野における技術の海外移転を厳しく監視しているが、インド企業も、 SVOLT Energy
Technology、GotionHigh-techといった中国のセルメーカーとライセンス契約や提携を結んでいる 。
➢Cheryは、22年連続で中国の乗用車輸出量トップ。自動車メーカーとしては第 4位である。100カ国以上に
拠点を展開し、インドの Tata Motors傘下の高級ブランド、 Jaguar Land Roverとの合弁事業も展開している。
✓Cheryは約$1.5Bの調達が見込まれる香港での新規株式公開( IPO)も検討している 。
▪ しかし、ロシアでの販売台数トップのブランドとなったことで、上場実現への道のりは困難を極めている 。
➢関係者によると、 JSWはインドのマハラシュトラ州に工場を建設し、 2027年から自社ブランドの乗用 EVを、来
年からは電気トラックとバスのラインアップを生産する予定 。
✓JSWグループは、 MG Motorとの合弁会社における SAICの株式をさらに取得することで、 MG Motorへの出資比率
を引き上げる計画もある 。
Bloomberg、7月24日(2)

68
Xpengの動向
◼Tesla Model Yを過去のものとするもう一つの有望な EV
➢洗練されたデザインと VWグループも注目するほどの優れた技術で知られる新興メーカー Xpengは、新型車の
投入で好調を維持している。
✓最新モデルとして、 Tesla Model Yのライバルとなる 魅力的な価格設定と優れたスペックを誇る G7が加わった。
▪ Xpeng G6はModel Yの直接的なライバルだが、 わずかにサイズが大きい G7は、特に価格がかなり安いことから、 Teslaか
ら顧客を遠ざける一因となることは間違いない 。
▪ サイズが大きいにもかかわらず、価格は 195,800元(約$27,300)から。ベースモデルの後輪駆動モデルは 263,500元
(約$36,750)。
▪ Teslaの充電出力は最大 250kWだが、Xpengは最大451kWの定格出力。
➢Xpengは中国でVWグループの次世代 EV向けゾーン・アーキテクチャ ※とソフトウェアを開発する契約を締結。
✓VWが欧米でRivianと行っている取り組みに似ている。
insideEVs、7月7日(56)

69
◼ゾーン・アーキテクチャ( Zonal Architecture)とは
➢従来の「機能ごとに分散配置された ECU構成」から脱却し、車体の空間的なゾーン単位で電子制御を集約・
再構成するアーキテクチャ。
➢構造の概要
✓従来型(ドメインアーキテクチャ):
▪ 機能ごとに ECUを持つ(例:ADAS、パワートレイン、ボディ制御など)、各 ECUは車両内に分散して配置される、通信は
CANやLINなど複数のバスで結ばれる
✓ゾーンアーキテクチャ:
▪ 車体を前後左右・中央などゾーン単位で分割(例: Front Left Zone, Rear Right Zone)、各ゾーンにゾーンコントロー
ラー(Zone Controller)を配置、センサーやアクチュエータを物理的に近いゾーン内でローカル接続、複数の機能(例:照
明、ドア制御、ブレーキ検出)を 1つのゾーン ECUでまとめる、各ゾーンから中央のコンピュータ( Vehicle Computer)へ
データ統合( ≒サーバー構成)
[※ご参考]SDV:ゾーン・アーキテクチャはキーワード
課題(従来 のドメイン型 ) 解決策(ゾーン型)
ECUが100個以上に分散 → 複雑・高コスト 物理的に統合 → 配線削減・管理簡素化
ハーネス(配線)が重く、複雑化 短距離通信でローカル制御に
ソフトウェア更新が困難 アプリ層を中央で OSが一元制御
熱・振動に弱い設置構成 ロバスト性の高い配置設計が可能
項目 ドメイン型 ゾーン型
配線距離 配線距離 配線距離
機能ECU 機能ごと 物理的位置ごと
保守性 低い 障害切り分け容易
配線重量 重い(100kg超も)最大30〜50%削減
SDV対応性 難 高(中央制御が前提)

70
Hyundaiの動向(販売)
◼Hyundaiの第2四半期の売上:ハイブリッド車が好調
➢HyundaiとKiaは1日、米国で過去最高の上半期販売実績を発表した。
✓両社とも今年上半期の米国販売台数は約 50万台に達し、 EVは期待を下回ったものの、 HEVが牽引役となった。
▪ Tucson HEV、PHEV、そしてSanta Fe HEVは、今年上半期に総販売台数と小売販売台数の記録を更新した。
insideEVs、7月2日(69)
✓BEVのIoniq 5は19,092台販売し、前年同期比で
約2%減少した。Ioniq 6は前年同期の 6,912台か
ら今年上半期には 6,322台となり、9%の大幅な減
少となった。
✓KiaのBEVであるEV6とEV9の販売台数も今年は減
少している。
Hyundai Santa Fe Hybrid 2025. Photo by Kevin Williams/insideEVs Kia EV9 Nightfall Edition. Photo by Kia

71
Hyundaiの動向(商品)
◼2万ドルのEVをアップグレード: 2026年型Casper Electric
➢Hyundaiの最低価格 EV SUVであるCasper Electricは、海外では InsterEVという名称で販売されている。
✓Hyundaiは15日、韓国で 2026年型Casper Electricを2,740万ウォン(約$19,800)からで発売した。
▪ 韓国での補助金を利用すれば、実際の購入価格は $15,000近くになる可能性がある 。
▪ 昨年7月に発売開始した 2025年モデルは、約 $23,000からだった。
✓約$22,512のInspirationトリムには、ハイウェイ・ドライビング・アシスト、ナビゲーション・ベースのスマート・クルー
ズ・コントロール、後方ブラインドスポット、衝突回避アシストなど、追加の安全機能が搭載されている。
▪ 現地報道によると、韓国では Casper Electricの需要が非常に高く、納車まで 1年以上も待っているという。
electrek、7月15日(30)
Hyundai 2026 Casper Electricのインテリア(出典: Hyundai)Hyundai Casper Electric(出典:Hyundai)

72
Hyundaiの動向(開発)
◼新研究所でユーザーエクスペリエンスに注力
➢Hyundaiは、ソウルに新たなショールームと研究所を開設し、ドライバーが車両をどのように体験するかを理解
する取り組みを強化している。
✓これは、次世代ソフトウェアを自社の車両に組み込むための幅広い取り組みの一環。
▪ この動きは、世界中の自動車メーカーがソフトウェア定義車両( SDV)への投資を加速させている中で起きている。
▪ SDVとは、インフォテインメントから自動運転まで、コア機能をテクノロジーで実現する自動車 。
➢Morgan Stanleyによると、SDVは2021年のわずか 3.4%から、2029年には世界の自動車生産台数の 90%を
占めるようになると予想されている。日本の経済産業省は、 SDVの世界販売台数が 2030年には最大 4,100
万台に達すると予測している。
Bloomberg、7月1日(71)
UXスタジオ ソウルのシミュレーションルーム。出典: HyundaiUXスタジオ・ソウルのオープン・ラボ。出典 : Hyundai

73
Kiaの動向
◼EV販売台数は、新型 EV SUV、セダン、バンなどにより 50万台に迫っている
➢Kiaが初の専用 EVであるEV6を発売してから 5年が経ったが、今後は急速に成長が加速すると予想される。
✓1月にHyundaiがIONIQシリーズで50万台を突破 したのに続き、 Kiaも今月、世界累計 EV販売台数が 50万台を突
破すると予想されている 。
▪ KiaのEV販売台数は、 2021年29,482台、2022年83,411台、2023年131,242台、2024年124,835台で、今年は
すでに116,000台以上のEVを販売している 。新型車の投入により、販売台数はさらに増加する可能性がある 。
✓KiaのEV3は、昨年末に発売されて以来、 6月時点で既にヨーロッパで 6番目に売れている EVとなっている。
✓EV3は35,000台以上販売しており、 Tesla Model YとModel 3、そしてVWのID.4、ID.7、ID.3に次ぐ販売台数。
▪ 2026年初頭に米国で EV4(セダン)を発売する予定。
▪ 2026年に欧州およびその他の世界市場で新型コンパクトエントリーレベルの EV2(SUV)を発売する予定。
electrek、7月24日(6)
2025 Kia EV DayでEV4セダンとハッチバック、 PV5 EVバン、EV2コンセプトを発表 Kia PV5 Tech Day (出典:Kia)

74
トヨタの動向 (販売)
◼世界で最も売れている車はもはや Teslaではない
➢Tesla Model Yは、2023年に世界で最も売れている車となり、あらゆるものを揺るがした。
The Drive、6月30日(80)
Carindustryanalysis
✓販売台数は前年比 11%増の1,223,000台に達し、
トヨタRAV4を約15万台上回った。しかし、 2024年
のデータによると、 RAV4が1,187,000台を超え、昨
年は世界で最も売れた車となった。
▪ Model YはRAV4に非常に近い数字だったが、推定
2000台差で及ばなかったとされている。
➢RAV4は前年比11%増の販売台数で首位 となった。
✓現行モデルが最終年であることを考えると、古いモ
デルでこれほどの販売台数の増加は予想外だ。
✓2026年型RAV4は、箱型のデザイン変更と、最大
320馬力のフルハイブリッドラインナップを特徴とし
て既に発表されている。

75
トヨタの動向 (BEVの海外生産 )
◼数ヶ月以内に新市場で EVや電気ピックアップトラックの製造を開始する予定
➢台頭する中国メーカーに対抗するため、 今年インドネシアで EV「bZ4X」の生産を開始する計画 を発表した。
✓トヨタ・インドネシアは世界 80カ国以上に車両を輸出し 、過去5年間でインドネシアの CPU(完成車)輸出全体の
約61%を占めている 。
✓トヨタは現在、 インドネシア市場の 30%以上を占めている が、中国メーカーは先進的な EVを投入し、急速にインド
ネシア市場を席巻している。
▪ インドネシアは、中国と日本に続き、トヨタにとって 3番目のEV生産国となる。
▪ インドネシアは昨年、国内 EV生産を促進し、新規ブランドを誘致するための新たな政策と税制優遇措置を導入した。こ
れには、国内生産比率が 40%以上のEVに対する付加価値税( VAT)を1%に引き下げることが含まれる。
➢また、年内にはタイでEVピックアップトラックの生産を開始する予定 。
electrek、7月23日(16)
トヨタのハイブリッド車、輸出へ向けて準備中 (出典: トヨタ・インドネシア )

76
トヨタの動向 (トランプ関税 )
◼さらなる関税削減と日米関係改善を訴え
➢トヨタは、トランプ大統領が待望の日本との貿易協定を発表した翌日、日米関係の改善に期待を示し、さら
なる関税引き下げを訴えた。
✓トヨタは24日の声明で、「 トヨタは、公正かつ開かれた貿易に基づき、関税のさらなる引き下げを含め、日米両
国の自動車産業を取り巻く環境が引き続き改善することを期待している 」と述べた。
▪ トヨタは、両国の交渉担当者を称賛し、声明の中で自動車部門が協定に含まれたことを高く評価すると付け加えた 。
✓トヨタは、米国への自動車および自動車部品の輸入に対する 25%の関税により、 1,800億円($1.2B)の損失を
想定していた。この税率は、 トランプ大統領が 24日に発表した協定で 15%に引き下げられた 。
▪ トヨタの株価は 23日に一時16.4%上昇し、日中ベースでは 1987年以来の大幅上昇となった。
✓関税が現在 15%になったことで、業界全体の影響は約 1.9兆円になると予測している。
▪ これは、Goldman Sachs証券が従来予想していた約 3.5兆円から下方修正された。
✓日本の自動車産業は $60B以上の投資と 230万人の雇用創出を通じて米国経済に多大な貢献を果たしてきた
と主張している
▪ 自動車産業は日本の対米輸出の約 3分の1を占め、賃金動向の指標とみなされることが多い。また、日本の国内総生
産(GDP)の約10%を生み出している。
Bloomberg、7月24日(1)

77
トヨタの動向 (中国戦略 )
◼中国のEV競争に遅れを取らないための新たな秘密兵器を手に入れた
➢中国で熾烈な EV価格競争に打ち勝つため、 新型モーターの現地生産化によりコスト削減 を進め、最も手頃
な価格のBEV bZ3X (約$15,000から)で中国で好調なスタートを切っている。
✓中国で製造された日本電産の新型 EVモーターのおかげで 低価格化が 可能になった。
➢3月にbZ3Xを発売した際、トヨタの合弁会社である GACトヨタは、この新型 EV SUVが「サーバーがクラッシュ
するほど人気が高かった」と発表した。
✓発売2ヶ月目となる 5月には、bZ3Xは中国で最も売れている外国ブランド EVとなり、VW ID.3とID.4 Crozz、
BMW i3、日産の新型 N7を上回った。
▪ 広汽トヨタは、bZ3Xを6月に6030台を納車し、このタイトルを維持したと発表した。
✓Momentaのエンドツーエンド・インテリジェント・ドライビング・モデル を搭載したこの EV SUVは、レベル2の運転支
援機能を含む約50の先進安全機能を備えている。
electrek、7月16日(26)
トヨタbZ3X EV SUV (出典: トヨタ)

78
トヨタの動向 (中国戦略 )
◼トヨタはBYDのEV開発スピードに「驚愕」
➢彼らはEVの開発期間をわずか 2年に短縮し、矢継ぎ早に市場投入する新時代の到来を告げている。このア
プローチはデトロイトというより、むしろシリコンバレーのそれだ。中国では、新車はスマートフォンやノートパソ
コンの買い替えとほぼ同程度の頻度で登場する。
➢Reutersの報道によると、トヨタは通常 1つのモデルにつき 6つの異なるプロトタイプを製作し、それぞれを数
万マイルの実走行テストで試験している。これは、揺るぎない信頼性を確保するためだ。
➢トヨタはBYDのスピードと機敏さに心から感銘を受け、若いライバルから学ぶべき点があると認めながらも、
慎重な姿勢を崩さない。
insideEVs、7月3日(65)

79
スバルの動向
◼競争が激化する中、スバルもより手頃な価格の EVに目を向けている
➢VW、Hyundai、Kiaといった、より手頃な価格の EVに注力している他の OEMに、スバルも加わろうとしている。
✓スバルのグローバル EVプロダクトマネージャーは、 「Uncharted EV」の下位に位置付けられる新しい EVの発売を
検討している と語った。
▪ 「検討している」ものの、スバルの新型エントリーレベル EVが登場するのは、少なくとも数年先になりそうだ。
✓今年初めに $31,100相当で発売された Renault 5 EVは、今年すでに 35,000台以上販売している。
✓KiaとHyundaiも、新型エントリーレベルの EVであるEV3とInstar EVの初期需要が好調。
▪ Kia EV3は欧州で6番目に売れている EVで、Renault 5をわずかに上回っている。
▪ HyundaiのInstar EVは6月、欧州で 3,300台以上を販売して 19位にランクインした。
✓中国ブランドは欧州で急速に市場シェアを拡大しており、 2025年上半期には Fordの累計販売台数を上回る見
込み。BYD、Jaecoo、Omoda、Leapmotor、Xpengを含む5つのブランドがこの急成長を牽引している 。(Jato)
➢新型スバル EVが登場するまでには、少なくともあと数年はかかる見込み。
electrek、7月24日(7)
✓「その頃には、多くの自動車メーカーがより航続距離の長い、
より低価格の EVの発売準備を進めているため、 手遅れになる
可能性が高い 」。(electrek)
▪ 「ラインナップを拡大する前に Unchartedの売れ行きを見守る必
要がある」、「パフォーマンスを確認するには約 2年かかると考え
ている」、「2年後にはまた話し合いができるでしょう」 。(スバル)
▪ 現在、スバルの欧州 EVラインナップには、刷新された Solterra、
Uncharted SUV、そして新型 E-Outback (米国ではTrail
Seeker)が含まれている。
2026年型スバル Uncharted EV (出典:スバル)

80
いすゞの動向
◼いすゞ初の電気ピックアップは素晴らしいが、安くはない
➢いすゞは4月末に左ハンドルの D-MAX EVモデルの生産を開始したと発表し、
第3四半期には欧州への出荷を開始すると発表した。
✓いすゞの新型 EVピックアップトラックは強力だ。 D-MAX EVは3,500kg以上の
牽引能力を持ち、約 600mmの水深を突き抜け、さらに過酷なオフロード走行を
可能にする専用テレインモードも搭載している。 66.9kWhのバッテリーを搭載し、
WLTPモードで163マイル(約264km)の航続距離。最大 50kWの充電速度で、
D-MAX EVは約1時間で20%から80%まで充電できる。
✓EV版は、内外装ともに現行のディーゼルエンジン搭載 D-MAX ($50,000)と
ほぼ同じだが、 価格は$81,000と大幅に高くなる 。
electrek、7月22日(21)

81
ソニー・ホンダの動向
◼ソニー・ホンダの EV合弁会社、 Afeela発売を前に損失拡大
➢ソニーグループとホンダによる共同 EVプロジェクトは、最初の EV「Afeela」の発売を今年中に開始する計画だ
が、年間営業損失が 2倍以上の520億円($362M)に膨らんだ 。
✓前年の年間損失は 205億円だった。
▪ ソニーとホンダは、ホンダの車両開発・生産能力とソニーグループの画像センサーおよびエンターテインメント分野の専
門知識を融合させ、プレミアム EV市場をターゲットにすることを目標に、 2022年に協業を開始すると発表した。
「Afeela」は今年発売予定で、価格は $89,900からとなる。
▪ 直近の会計年度において 2.6兆円を超える営業利益を計上 している。
Bloomberg、6月30日(76)

82
自動運転の動向 (Uber/Baidu)
◼Uber、中国のBaiduと提携し、ロボタクシーを世界展開へ
➢Uber TechnologiesとBaiduは15日の声明で、 Baiduの自動運転車は今年後半にアジアと中東の Uberアプリ
でロボタクシーサービスが利用可能になると述べた。
✓Uberによると、将来的には欧州とオセアニアにも展開される予定。
✓この提携の一環として、数千台の車両が配備される予定。
➢Baiduのロボタクシーサービス「 Apollo Go」は、世界12以上の都市で 1100万回以上の公共交通機関による
乗車を提供し、 5月末時点で Waymoの1000万回を上回った。
✓Baiduは、スイス、シンガポール、マレーシアでのサービス拡大も視野に入れている 。
electrek、7月15日(29)
✓Uberは、Waymoを含む技術開発会社や自動車メーカーと
10以上のグローバルパートナーシップを締結しており、自
動運転車の技術開発を自社で行 わず、投資家および商
業化プラットフォームとしての立場を確立している。
➢米国上場の WeRide、Pony AI、Momentaといった他の中国
企業も、今後数年間で一部の欧州および中東市場で Uber
のプラットフォーム上でロボタクシーサービスを提供すること
で合意している。

83
自動運転の動向 (Tesla)
◼ロボタクシーをカリフォルニア州とアリゾナ州に拡大する計画
➢Elon Musk CEOは、自身のソーシャルメディア「 X」で、規制当局の承認が得られれば、 Teslaのロボタクシーが
サンフランシスコ ・ベイエリアで「おそらく1~2か月以内」に導入される可能性があると 予告した。
✓Teslaはカリフォルニア州運輸局( DCV)に対し、州内での事業展開は段階的に進めていく計画だと伝えており、ま
ずは従業員にセーフティドライバーを同乗させて事前に手配した配車サービスを開始する予定。
▪ TeslaはDMV(運輸省)に対し、無人運転の試験や導入の許可 はまだ申請していないと、 DMVは木曜日遅くに発表した 。
✓従来の自動車事業が苦戦する中、 Musk氏はTeslaの方向性を無人運転車、人工知能、ヒューマノイドロボットと
いった未来志向の事業へと転換させている。
▪ Musk CEOは、自動運転に関する計画を長年提示してきたが、実現には至っていない
✓テキサス州での導入では Model Yがわずか数台しか投入されなかったが、 Musk氏は数ヶ月以内に 1000台に拡
大し、その後、ペダルやハンドルのない専用 Cybercabを導入する予定だと述べている。
Bloomberg、7月10日(41)
オースティンでの Tesla ロボタクシー
Photographer: Tim Goessman/Bloomberg

84
自動運転の動向 (Waymo)
◼Waymoのテストにより、ニューヨーク市は自動運転タクシーに一歩近づく
➢Waymoは今週、ニューヨーク市に最初の “自動運転タクシー “を導入し、人間が運転する状態でデータ収集を
開始した。
Bloomberg、7月8日(52)
✓同社は自動運転試験の許可取得を目指している。
▪ ニューヨーク市交通局の試験許可が下りれば、車内に人間の安全モ
ニターを乗せた状態で自動運転試験を行う予定。
➢ニューヨーク州法では、自動運転技術の使用中は運転者が同乗す
ることが義務付けられている ため、Waymoはニューヨーク州内で、他
の地域でのサービスと同等のロボタクシーサービスを提供することが
できない。
✓Waymoの広報担当者は、同社は州法の改正を要請している。

85
充電インフラの動向 (米国:Tesla)
◼世界最大の Teslaスーパーチャージャー・ステーションは 完全にオフグリッド
➢カリフォルニア州ロストヒルズに、巨大なスーパーチャージャー・ステーション「 Project Oasis」をオープンした。
✓現在稼働中のスタンドは 84台で、すべて太陽光発電で稼働している。
insideEVs、7月7日(57)
▪ Teslaによると、このステーションは 電力網には一切接続されていない という。
✓今年末までに 168基のスーパーチャージャーがすべて稼働すれば、正式に世
界最大のTesla充電ステーションとなり、電力網に依存しない化石燃料フリー
の充電ステーションがどのようなものになる 。
▪ これまでの方向性を 最も明確に 検証するものの一つとなるだろう。
✓すべてのキャノピーにはソーラーパネルが設置され、駐車スペースのすぐ隣に
は巨大な太陽光発電所もある。
▪ これらを合わせると 11MWの電力を発電する。発電された電気は、 10個のメガ
パックに蓄えられる 。
▪ 10個のメガパックの合計蓄電容量は約 39MWh(メガパック1個あたり3.9MWh)
だこれだけの電力があれば、 1日に数百回の充電サイクルを余裕でこなすことが
でき、太陽光エネルギーを活用することで、完全に持続可能なゼロエミッション
走行が可能になる。
▪ Teslaによると、このステーションは建設開始からわずか 8ヶ月で稼働を開始した。
➢太陽光パネル、メガパック、スーパーチャージャー・ステーションは、依然として驚くべき成果と言える。
✓Teslaは7月4日の週末直前にこのステーションを開設したが、これはトランプ政権が EVや太陽光発電を含むク
リーンエネルギープログラムへのインセンティブを廃止する「 One Big Beautiful Bill」を可決した時期と重なってお
り、バイデン政権下で達成された進歩をすべて覆そうとしている 。

86
充電インフラの動向 (米国)
◼連邦判事、トランプ政権に 14
州でのEV充電器への資金援
助を命じる
➢ワシントン州の Tana Lin連邦地裁判事は、
トランプ政権が 2021年に超党派インフ
ラ法の一環として議会で承認された。資
金を凍結したことは、憲法上の権限を逸
脱したと述べた。
✓Lin判事は、アリゾナ州、カリフォルニ
ア州、ニューヨーク州を含む 14州への
資金支出を命じた。しかし、 Lin氏は
ワシントンD.C.、ミネソタ州、バーモン
ト州に対する仮差し止め命令の発令
を否定し、資金が直ちに解放されな
ければ「取り返しのつかない損害」に
直面することを示す十分な証拠が提
示されていないと述べた。
✓トランプ政権が控訴しない限り、この
命令は7月2日に発効する。
APnews、6月25日(82)

87
バッテリーの動向 (GM/LFP)
◼テネシー州で LFPバッテリーの製造に向けて準備を進めている
➢昨年、FordとHyundaiを抜いて米国で 2番目に売れている EVメーカーとなった GMは、2025年にはそのリード
をさらに広げる予定。
✓GMのEV販売台数は、好調な Chevy Equinox EVの牽引により、第 2四半期に2倍以上に増加した。
▪ 同社は第2四半期に約 46,300台のEVを販売し、前年同期比 11%増となった。
▪ GMはすでにChevy Equinox EVを「アメリカで最も手頃な価格の 315マイル以上の EV」と謳っているが、次世代の Chevy
Bolt EVなど、さらに低価格なモデルを投入する予定 。
➢GMとLG Energy Solutionとの合弁会社である UltiumCellsは14日、LFPバッテリーの導入準備としてテネシー
州のバッテリー工場をアップグレードする計画。
electrek、7月14日(35)
GMはカンザス州で「次世代の手頃な価格の EV」を生産する計画 (出典:GM)
✓LFPの導入により「現在の高ニッケルバッテリーパック
と比較して、バッテリーパックのコストを大幅に削減す
ると同時に、消費者の EV選択肢を拡大する」 (GM)
▪ 2027年後半には商業生産を開始する予定 。
✓複数の化学組成のバッテリーを生産できるこの工場は、
GMのバッテリー戦略の「次の段階を導く」ものとなる 。
▪ GMによると、LFPバッテリーの供給元としてスプリング
ヒルを選んだ後、次のステップはリチウムマンガンリッチ
バッテリーの供給先を見つけること 。
▪ GMのオハイオ州ウォーレン工場は、航続距離約
480km以上を実現したとされる NCMバッテリーの生産
を継続。

88
バッテリーの動向 (Ford/LFP)
◼Ford会長は、米国のバッテリー工場はもはやトランプ法案によって「危険にさら
されていない」と述べた
➢Fordは、トランプ大統領の $3.4Tの財政法案が、 工場の財務的存続に不可欠な生産税額控除の制限を緩
和した上で可決されたこと を受け、ミシガン州に建設中のバッテリー工場における雇用や投資がもはや危険
にさらされているとは考えていない。
✓Fordは7日の声明で、ミシガン州マーシャルのバッテリー工場は「 生産税額控除の対象となる見込みだ 」と述べた。
▪ 「$3B規模のこの工場は来年の開設予定で、 2023年後半にプロジェクト規模を縮小した際に想定していた通り、最終的
には1700人の従業員を雇用する予定だ 」(Ford広報)と述べた
➢Bill Ford会長は5月、中国のCATLを「懸念すべき外国企業」とみなし、同社からの技術ライセンス供与を禁じ
る法案の文言によって、バッテリー工場が「危険にさらされている」と警告していた。
✓しかし、法案が米国上院に提出されると、これらの 制限は緩和 され、7月4日にトランプ大統領によって署名 され、
法律として成立 した。
➢Fordは、マーシャル工場で製造される低コストのリン酸鉄リチウム( LFP)バッテリーを、 2027年に発売予定の
$30,000以下のより手頃な価格の EVの製造に活用する予定 だ。
✓FordはCATLから技術ライセンスを取得することで、中国の EVメーカーへの追い上げを加速できると主張している。
▪ Fordはマーシャル工場を完全所有・管理しており、同社によると、この工場は米国で初めて自動車用 LFPセルを生産する
工場となる予定だ 。
Bloomberg、7月8日(50)

89
バッテリーの動向 (グラファイト)
◼米国がグラファイト関税を発表したことを受け、バッテリー材料株が急騰
➢米国が中国からの黒鉛輸入に対し、 93.5%の暫定的な反ダンピング関税を課すと発表したことを受け、バッ
テリー素材メーカーの株価は上昇した。
✓新たな関税は既存の税率に加算され、実質的な関税は 160%となる。
✓商務省は17日に暫定的な判断を下し、最終計画は 12月5日までに発表される予定。
➢中国は2023年以降、一部の種類のグラファイトに対する輸出規制を強化しているにもかかわらず、昨年米
国が輸入した材料の約 3分の2は依然として中国製だった。
➢一方、「米国は、国内のバッテリーメーカーにサプライヤーの変更を迫ることで、自国のグラファイト産業の発
展を促進しようとしている可能性が高い」 (Mcquarie Capital)
Bloomberg、7月17日(24)

90
バッテリーの動向 (特性)
◼研究によれば、急加速は EVバッテリーに良い影響を与える可能性がある
➢SLAC-スタンフォード・バッテリーセンターの研究者たちは、 EV向けに設計された 92種類の市販セルを 2年間
かけてテストした。
✓この研究の最終的な結論は、負荷の動的なサイクル、つまり市街地走行から高速道路での巡航走行まで、あら
ゆる要素を織り交ぜ、回生ブレーキと特に急加速を伴うような運転が、バッテリー寿命にとって最良のシナリオで
あるということ。
➢定電流での長時間の放電(例えば、長く平坦な高速道路を一定速度で継続的に走行するなど)は、容量劣
化を加速させる可能性があることも判明した。
insideEVs、6月30日(79)