2024年9月にルワンダで報告されたマールブルグウイルス病(MVD)のアウトブレイクは、歴史上3番目に大きな規模でありながら、致死率は約23%とこれまでの事例と比較して低いものとなりました。本研究では、患者18名から得�...
2024年9月にルワンダで報告されたマールブルグウイルス病(MVD)のアウトブレイクは、歴史上3番目に大きな規模でありながら、致死率は約23%とこれまでの事例と比較して低いものとなりました。本研究では、患者18名から得られたウイルスゲノムを解析し、ウガンダで2014年に報告された症例と近縁の系統であることを確認しました。ゲノムデータは、本アウトブレイクが**単一の動物由来感染事象(ズーノーシス)**から発生し、人から人への伝播は限定的であったことを示唆しています。
感染経路と疫学調査
本アウトブレイクの発端となった患者(インデックスケース)は、エジプトルーセットオオコウモリ(Rousettus aegyptiacus)が生息する鉱山洞窟での作業中に感染した可能性が高いと考えられています。血清学的検査の結果、この患者の接触者3名が免疫グロブリンG(IgG)および免疫グロブリンM(IgM)に陽性であり、動物由来感染の可能性がさらに強まりました。
中野哲平がまとめました。