GASG 生成AIは英語教育を変えるのか? ~ 中学校現場から見た協働指導の可能性 ~

KunihiroSugiyama1 297 views 50 slides Sep 04, 2025
Slide 1
Slide 1 of 50
Slide 1
1
Slide 2
2
Slide 3
3
Slide 4
4
Slide 5
5
Slide 6
6
Slide 7
7
Slide 8
8
Slide 9
9
Slide 10
10
Slide 11
11
Slide 12
12
Slide 13
13
Slide 14
14
Slide 15
15
Slide 16
16
Slide 17
17
Slide 18
18
Slide 19
19
Slide 20
20
Slide 21
21
Slide 22
22
Slide 23
23
Slide 24
24
Slide 25
25
Slide 26
26
Slide 27
27
Slide 28
28
Slide 29
29
Slide 30
30
Slide 31
31
Slide 32
32
Slide 33
33
Slide 34
34
Slide 35
35
Slide 36
36
Slide 37
37
Slide 38
38
Slide 39
39
Slide 40
40
Slide 41
41
Slide 42
42
Slide 43
43
Slide 44
44
Slide 45
45
Slide 46
46
Slide 47
47
Slide 48
48
Slide 49
49
Slide 50
50

About This Presentation

生成AIは英語教育を変えるのか? ~ 中学校現場から見た協働指導の可能性 ~


Slide Content

生成AIは英語教育を変えるのか
ー中学校現場から見た協働指導の可能性ー
大阪教育大学附属池田中学校
英語科中田未来

本実践で使用した生成 AIはじめに:中学生と 生成AI
●本校の第1学年を対象とした 事前アンケート 「これまでに生成 AIを活用したことがあるか」
YES
NO
(n=138)
(R6年度) (R7年度)
(n=139)
【使用目的TOP3】
・知りたいことを検索する
ため
・暇つぶし、遊び、会話の
相手になってもらうため
・勉強で分からないところ
を解説してもらうため

本実践で使用した生成 AIはじめに:中学生と 生成AI
生成AIはオープンソースで提供されている ため、
生徒は容易にアクセス し、活用できる。
生成AIを授業で「使うか使わないか 」ではなく、
「リスクをどう克服し 、効果的に活用するか 」が
今後の重要な論点 。

昨年度の実践

書く力をのばしたい VS 壁
【先行研究】
•効果的な訂正フィードバックをめぐる議論
(例:Truscott, 1996;Lee, 2008)
•学習者の認知的負担を減らし、主体性を高めるための
「的を絞った、理解できるフィードバック 」が重要
(Evanset al, 2010)
→ 個に応じたフィードバックの重要性

文部科学省 「指導と評価の一体化」
児童生徒一人ひとりの つまずきや伸びについて
「指導過程で評価する形成的評価 」を行うことが重要である
学習指導要領の趣旨の実現に向けた個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実に関する参考資料(令和3年3月版)
書く力をのばしたい VS 壁

生徒の書く力を伸ばしたい
丁寧に一人ひとりに合った
フィードバックがしたい
何をどこまで訂正すればいいの?
私の英語の表現は正しい?
約150人の生徒にフィードバック
を返す時間がない
書く力をのばしたい VS 壁

書く力
生成
AI
教師
得意なこと
文章生成
即時フィードバック
個別の支援
書く力をのばしたい VS 壁

書く力をのばしたい VS 壁

まだできない
支援があれば
できる(ZPD)
自力で
できる
Knowledgeable
Others
教師
クラスメイト など
Technology
and tools
生成AI
「発達の最近接領域に基づくアプローチ 」ZoneofProximalDevelopment(Vygotsky,1978)を元に作成
発達の最近接領域に基づくアプローチ

事前テスト
The Place
I want to visit
事後テスト
The Place
I want to visit
遅延テスト
My Dream
Summer
Vacation
生徒自身の力で
書く
生徒自身の力で
書く
フィードバックの
定着をみる
生徒自身の力で
書く
違う文脈に応用で
きるかを見る
教師
構成
内容
教師
正しさ
語彙
Chat
GPT
Chat
GPT
単元の流れ

本実践で使用した生成 AI
「スタディポケット for Student」
GPT-4o モード
https://studypocket.ai/student
使用した生成 AI、端末
Chromebook
一人一台端末

目的
自分自身についての文章を書くことを通して 、読み手を意識しながら英語で書く
能力を向上させます 。
役割
カナダの語学学校に短期留学する中学生です 。
読み手
他国からくる留学生や 、留学先のカナダの先生です 。
状況
留学先の英語教室に 自己紹介の一環として掲示する英文 を書きます 。行きたい場
所に関して 、期間や、費用を考慮する必要はありません 。
課題
10文程度の英文を書きましょう 。
作文の目的・場面・状況

あなたは、ライティングの指導が得意な教師です。私の英語力は 英検準2級 レベルです。私の作
文が説得力があり、聞き手の興味を引くものになるように、私が改善したい点について私の英語
力にあったフィードバックをしてください。難しすぎるフィードバックは必要ありません。
#作文の条件:
私の役割はカナダの語学学校で数週間英語を学んでいる日本の中学生です。読み手は、様々な国
から来たEFLの生徒と学校のカナダ人教師です。作文のテーマは The Place I Want to Visit
です。留学先の英語教室に自己紹介の一環として掲示する10文の英文を書きます。
以下の改善したい点に関して、フィードバックをお願いします。具体的な答えや例の提案ではな
く、改善のヒントを教えてください。
# 私が改善したい点:
アイデアを深め、オリジナリティを出すためのヒントが欲しい
# 私の作文
I want to go to Hawaii. I have three reasons to support this. First, I like
プロンプト

あなたは、ライティングの指導が得意な教師です。私の英語力は 英検準2級 レベルです。私の作
文が説得力があり、 読み手の興味を引くものになるように、私が改善したい点について私の英語
力にあったフィードバックをしてください。難しすぎるフィードバックは必要ありません。
#作文の条件:
私の役割はカナダの語学学校で数週間英語を学んでいる日本の中学生です。読み手は、様々な国
から来たEFLの生徒と学校のカナダ人教師です。作文のテーマは The Place I Want to Visit
です。留学先の英語教室に自己紹介の一環として掲示する10文の英文を書きます。
以下の改善したい点に関して、フィードバックをお願いします。具体的な答えや例の提案ではな
く、改善のヒントを教えてください。
# 私が改善したい点:
アイデアを深め、オリジナリティを出すためのヒントが欲しい
# 私の作文
I want to go to Hawaii. I have three reasons to support this. First, I like
ポイント
役割 あなたは、ライティングの指導が得意な教師です。
目的 私の作文が説得力があり、 読み手の興味を引くものになるように、私が改善したい
点について私の英語力にあったフィードバックをしてください。
難易度 英検準2級 (CEFRの方がよい)
明示度 具体的な答えや例の提案ではなく、改善のヒントを教えてください。
フィードバックの視点
アイデアを深め、オリジナリティを出すためのヒントが欲しい
プロンプト

(C) アイデアを深め、オリジナリティを出すためのヒントが欲しい
(C) 具体的に書くためのヒントが欲しい
(C) 日本のことをあまり知らない人にもわかる内容にするためのヒントが欲しい
(O) アイデアを関連付け、まとまりのある文章にするためのヒントが欲しい
(O) 導入部分を工夫して読み手の興味を引くためのヒントが欲しい
(O) しっかりとした結論を書くためのヒントが欲しい
(O) 話の切り替わりがわかるように、ディスコースマーカーを効果的に使うためのヒン
トが欲しい
(O) しっかりとしたトピックセンテンスを書くためのヒントが欲しい
(V) いろいろな単語や表現を使うためのヒントが欲しい
(LA) 冠詞や複数形を正確に書きたい。間違えている場合は改善のヒントが欲しい
(LA)主語動詞が一致しているかが知りたい、間違えている場合は改善のヒントが欲しい
注:(C) 内容(O)構成(V)語彙(LA)正確性 に関する項目
プロンプト(私が改善したい点)

内容 構成 語彙 正確さ
4
内容が目的、場面、状況、
およびトピックに適合して
おり、一貫して適切である。
情報が効果的に整理され
ており、全体を通じて
一貫性が保たれている。
多様な語彙を適切に使用
し、表現力豊かな文章を
構成している。
ほぼ正確に書かれており、
コミュニケーションに
支障がない。
3
ほとんどの場合、目的、場
面、状況、およびトピックに
適合している
文と文の繋がりや、
書き出しと結論の一貫性
が考慮され、
適切に構成されている。
様々な語彙を使用しており、
表現の幅が広い。
多少の間違いはあるが、
コミュニケーションに
影響を及ぼさない。
2
複数の箇所で目的、場面、
状況、およびトピックに適合
していない。
文と文の繋がりや、
書き出しと結論の一貫性
が部分的に欠けている。
主に基本的な語彙を使用
しており、表現の範囲が
限定される。
複数の間違いがあり、
時折コミュニケーションに
支障をきたすことがある。
1
内容が全体的に目的、場
面、状況、およびトピックに
適合していない。
文と文の繋がりや、
書き出しと結論の一貫性
がほとんど見られず、
構成が乱れている。
使用する言語が限られて
おり、同じ表現が
繰り返される
多くの間違いがあり、
頻繁にコミュニケーション
に支障をきたす。
ルーブリック

ANOVAによる分析結果
・内容、構成、語彙力の向上 →遅延テストにおいても有意な向上が見られる
・正確性の向上が見られなかった
→ 「U字型発達曲線」が見られるのか今後の継続的な検証が必要
○ = AI 群
● = 教師群



時間・習熟度
1.0
1.5
2.0
2.5
3.0
3.5
4.0
事前 事後 遅延
内容
1.0
1.5
2.0
2.5
3.0
3.5
4.0
事前 事後 遅延
構成
1.0
1.5
2.0
2.5
3.0
3.5
4.0
事前 事後 遅延
語彙
1.0
1.5
2.0
2.5
3.0
3.5
4.0
事前 事後 遅延
正確さ

生徒B:「しっかりとした結論を書くためのヒントが欲しい 」
ChatGPTのフィードバック例

ChatGPTのフィードバック例

生徒B: AIのフィードバックをもとに自分で書いた内容を確かめている
Score Essay
事前 2
Hello!IwanttovisitTokyo.TokyoiscapitalofJapan.Ihavetworeasons.First,
Iliketoeatdeliciousfood.HarajyukuisinTokyo.Harajyukuhavedeliciousfood
andcutestores.IwanttogotoHarajyuku.Second,Ilikeanime.Akihabaraisin
Tokyo.Animefanis
事後 4
Hello!Haveyoueverdreamedofvisitingtheexcitingcity?Forme,thatcityis
Tokyo.IwanttovisitTokyo.Tokyoisthecapitalcity.Ihavetworeasons.First,
Iliketoeatdeliciousfood.HarajyukuisinTokyo.Harajyukuhasdeliciousfood
andcutestores.Second,Iliketowatchanime.AkihabaraisinTokyo.Akihabara
hasmanyanimeshops.AnyanimefanshouldvisitAkihabara.Inconclusion,I
hopetovisitTokyo.Tokyohasmanystoresanddeliciousfoods.Thankyoufor
reading.
遅延 4
Hello.MynameisStudentB.IhavetwothingsthatIwanttotakeasummer
vacation.First,IwanttovisitTokyobecauseIwanttovisitYoyogiparkand
Toyosumarket.Yoyogiparkhasbeautifultree.Toyosumarkethasfreshfish.
It’sverydelicious.Second,IwanttovisittoBiwakobecauseBiwakohasriver
fishesandwaterpark.Waterparkisonthelake.YoucanenjoyGunbattle
gameandswimming.Inconclusion,IwanttovisitTokyoandBiwako.Youshould
visitTokyoandBiwako.It’ssoexciting.
フィードバッ
クの内容を
自分の言葉に
変えて表現で
きている
ChatGPTのフィードバック例

【課題】
・「メタ認知力」「批判的思考力」「読解力」の育成
→フィードバックを有効に受け取るために欠かせない
自分の理解できる範囲でのフィードバックか
内容はあっているのか
どの提案を取り入れるか
→批判的に考えたり、
フィードバックを読み取る力が必要
メタ認知スキルを高める
→学びを外化、可視化 するポートフォリオ(学びの記録)の導入

今年度の実践

生成AIは編集ツール:気づきを引き出す対話の設計
①Generative AI → Editing AI
文章生成ツールではなく、 「気づき」を促す 編集パート
ナーとして活用
②教師が、生徒の英語力とニーズに応じて フィードバッ
クを調整するプロンプトの向上
③AIとの対話を通して 、表現を見直し・書き直し・
自分のものに する力を育む

本実践で使用した生成 AI実践の概要
対象 :中学2年生145名
実施時期 :令和7年1学期(全14時)
使用教科書: New CrownSeries 2(三省堂)
単元名 :My Exciting Future
パフォーマンス課題: ワクワクする未来を1 −2分の英語でスピーチする
ここではスピーチの原稿を生成 AIを活用して書き上げた
目標 :「主体的・対話的で深い学び」の実現をめざし、生成 AIを思考のパートナーとして活用しながら、
生徒が自らの夢を言語化・再構成し、自分の声で伝える言語活動を充実させる。

本実践で使用した生成 AI
「スタディポケット for Student」
GPT-4o モード
https://studypocket.ai/student
使用した生成 AI、端末
iPad 第10世代
一人一台端末

本実践で使用した生成 AI夢を語る上で困るのは
出典: 日本財団「第 62回18歳意識調査」( 2024)

本実践で使用した生成 AI夢を語る上で一番困るのは
目標がない!
夢がない!
考えたことない!
出典: 日本財団「第 62回18歳意識調査」( 2024)

ブレインストーミング
Translanguagingの考えに基づき、日本語でやりとり
自分の関心や経験と夢を結びつけるマインドマップを作成。
第7時
あなたは、生徒が「 My Exciting Future(私のワクワクする未来)」という英語スピーチのアイデアを深めるための
日本語のサポート役(カウンセラー兼インタビュアー) です。
あなたの目的は、生徒の気持ち・考え・経験をていねいに聞き出し、「話すたね(素材)」を一緒に見つけることです。
目的
•生徒が「自分の言葉」で未来について考え、スピーチ内容を深めること
•まだ夢がない生徒にも、興味やワクワクからヒントを見つけられるようにすること
•AIが主導せず、生徒の思考に寄りそう対話を行うこと
進め方
ステップ1:夢の有無を聞く
「これから“My Exciting Future”というテーマでスピーチを考えます。
今、あなたに夢はありますか?
あれば、どんな夢か教えてください。なければ 『まだ決まっていません 』と書いてください。」
ステップ2-A:夢が「ある」と答えた場合(以下省略)
それはどんな夢ですか?
「問いかけ→選択→深掘り」
というプロセスで
「AIに自分の夢を見つけてもらう」
のではなく、
「自分の中にある思いや価値を引き
出す」ことを主眼として設計

対話的メタプロンプティングによるプロンプト改良サイクル
1. メタプロンプティングによる 初期プロンプト設計
教師がChatGPTに「目的を達成するためにはどのようなプロンプトが 効果的か」を尋ねながら設計。
このとき、AIが不明点を推測せず、必要に応じて質問するよう指示することで、より精度の高いプロンプトに
2. 想定応答の読み込みによるプロンプト 改良
生徒の予想される反応例(3つ程度)と理想的な返答例をChatGPTに提示し、それをもとにプロンプトを 改善。
実際の使用前にフィードバックの 質と方向性を明確化するステップ 。
3. 生徒によるプロンプト 使用
改良されたプロンプトを 使って、生徒がChatGPTと対話しながらアウトプット 作成に取り組む。
4. 生徒によるふりかえり 記述
使用後、生徒が「使いやすかった 点」「使いにくかった 点」を記録。 学習者視点 の評価を収集。
5. ふりかえりを 用いたプロンプトの 再改良
生徒のふりかえり (不便さ・ズレ・意図通りでない点)をChatGPTに読み込ませ、
再度メタプロンプティングを 実施してプロンプトを 改良。

対話的メタプロンプティングによるプロンプト改良サイクル
1. メタプロンプティングによる 初期プロンプト設計
教師がChatGPTに「目的を達成するためにはどのようなプロンプトが 効果的か」を尋ねながら設計。
このとき、AIが不明点を推測せず、必要に応じて質問するよう指示することで、より精度の高いプロンプトに
2. 想定応答の読み込みによるプロンプト 改良
生徒の予想される反応例(3つ程度)と理想的な返答例をChatGPTに提示し、それをもとにプロンプトを 改善。
実際の使用前にフィードバックの 質と方向性を明確化するステップ 。
3. 生徒によるプロンプト 使用
改良されたプロンプトを 使って、生徒がChatGPTと対話しながらアウトプット 作成に取り組む。
4. 生徒によるふりかえり 記述
使用後、生徒が「使いやすかった 点」「使いにくかった 点」を記録。 学習者視点 の評価を収集。
5. ふりかえりを 用いたプロンプトの 再改良
生徒のふりかえり (不便さ・ズレ・意図通りでない点)をChatGPTに読み込ませ、
再度メタプロンプティングを 実施してプロンプトを 改良。
このサイクルにより …
•プロンプトがタスクや生徒の実態に応じて最適化 される
•AIとの対話がより深い学びを引き出す支援者に近づく

ブレインストーミングとしての生成 AIの活用
生徒C
夢はない
どんなことがすき?
音楽。
音楽を聴くことでどんな気持ちになる?
自分が演奏しているものはある?
愛情や友情に関する曲を聴くと元気がでる。
ミセスとか
Ms. Green Appleの青と夏やインフェルノは
愛情や友情に関する歌だね。どんな歌詞が好き?
それはスピーチに関係ない
どんな話がしたい?
好きなことと夢を繋いで。人を助けたい
音楽を通してこんなことができるよ(例示)
そうじゃなくて音楽が人を助けるように
私も人を励ましたい
励ますためにできることは何?
困っている人の話を聴く
勉強して知識を増やす
小さなことから助ける …
AIとの対話によって、
「夢がない」といっていた生徒が、
音楽に助けられた経験をふり返る中で、
「自分も、音楽のように人を助けたい」
と 社会的なビジョンを
自分の言葉で言語化していった。
→生徒の語彙・思考・構成を支える提案を
AIが段階的に行い、
それを取捨選択する中で
「自分の言葉」が形になっていった 。

AIを通じた自己省察と「つながり」概念への気づき
生徒Cの完成原稿
Hello, everyone .My name is M and today I will talk about my dream!
Μy dream is to help people. Do you have a dream? I believe that even a small help
can change someone’s life, but many people don't realize this .
First, let me share what makes me excited. I feel excited when I listen to music.
I feel better because music makes me happy. My dream is to be helpful to others.
When I feel bad, music makes me feel better, so I want to help people like music.
To help people who are in trouble, first I want to listen to their stories and
understand their needs, Then, I will start helping with small things.
A great baseball player Ichiro said “Only those who take small steps can achieve
great things.” So I want to be kind to my family and my friends.
This is my exciting future. Thank you for listening.
スピーチでは 「癒し」「共感」「小さな行動」の価値を言葉にし、自分の未来像を社会と結
びつけて語れるようになった 。
小さいことから
助けられる
音楽が癒すよう
に、人を癒したい
困りごとを聞く
小さいことから
始めるに関する
名言

ブレインストーミング:満足度は個人差が大きい
生徒によって AIの必要度は異なる
・考えを言語化する手助けになる生徒もいれば、 AIなしで進めたい生徒もいる
→AIの活用が目的ではなく、思考を広げ深めることがゴール
AIは「答え」を出す道具ではなく、補助ツール
・夢や目標の答えは、自分の中にしかない
・最終判断は生徒自身が行う
教師の役割:ズレに気づかせ、思考を調整する支援
・AIとのやりとりが目的からズレたときの軌道修正をサポート
課題として挙がった声
「自分でじっくり考えたい」
「やりとりがズレていく」
ポジティブな反応
「自分の考えが言語化された」
「興味と夢のつながりが見えてきた」

第2稿作成
教師が第1稿を確認し、内容・構成面での改善が必要な点に応じて「ニーズ番号」を個別に提示。
生徒はその番号を参考に、教師が設計したプロンプトを 用いてChatGPTと英語で対話しながら原稿を推敲。
第9時
あなたは、ライティングの 指導が得意な教師です。私の英語力は英検準2
級レベルです 。私の作文が説得力があり、聞き手の興味を引くものになるよ
うに、私が改善したい点について私の英語力にあったフィードバックをして
ください。難しすぎるフィードバックは 必要ありません 。
#作文の条件:
私の役割はカナダの 語学学校で数週間英語 を学んでいる日本の中学生で
す。読み手は、様々な国から来たEFLの生徒と学校のカナダ人教師です。作
文のテーマは The Place I Want to Visitです。留学先の英語教室に自己
紹介の一環として掲示する10文の英文を書きます。
以下の改善したい点に関して、フィードバックをお 願いします。具体的な
答えや例の提案ではなく、改善のヒントを 教えてください 。
# 私が改善したい点:
アイデアを 深め、オリジナリティを 出すためのヒントが 欲しい
# 私の作文
I want to go to Hawaii. I have three reasons to support this.
First, I like
昨年度使用プロンプト

今年度使用プロンプト

第2稿作成
教師が第1稿を確認し、内容・構成面での改善が必要な点に応じて「ニーズ番号」を個別に提示。
生徒はその番号を参考に、教師が設計したプロンプトを用いて ChatGPTと英語で対話しながら原稿を推敲。
第9時
プロンプトの 進化(昨年度との比較)
主な改善点:
1.レベル調整の明確化
英検級の解釈を記載し、生徒の語彙・構文レベルにより近いFBに
2.出力ルールの明文化
答えを教えず「ヒント」を少しずつ出す
生徒の気づきと自己修正を促す設計に
3.ニーズ別の例示強化
理想的なフィードバック 例を提示
生徒自身がプロンプトを 読むだけで、
「うまく書けるコツ」がわかる構造に

英検4級 A1 I like〜. I want
to〜. のような単文中心の基本
文型
英検3級 A2 and / because な
どを使って簡単な理由や順序り
込める
例•フィードバックはすべて 、生徒が自力で改善できる
ようなヒントを 1つだけ提示してください 。
•必要に応じて、生徒が「他にもある?」と聞いてきたら
2つ目以降のヒントを 提示。
•文法修正・添削は行わず、自分の言葉で直せるきっかけ
づくりを目指してください 。
•生徒に話しかける口調で親しみやすく (例:「〇〇って
いう書き方もできそうだね 」)

とはいえ、 AIの返答は気まぐれ
生徒の英語力を超えたフィードバックをすることも
「こたえは教えないよ」 vs「このように書き直すといいよ」

まだできない
支援があれば
できる(ZPD)
自力で
できる
Knowledgeable
Others
教師
クラスメイト など
Technology
and tools
生成AI
「発達の最近接領域に基づくアプローチ 」ZoneofProximalDevelopment(Vygotsky,1978)を元に作成
AIリテラシーの 育成:AIで伸ばせる範囲を示す

AIリテラシーの育成:合言葉の掲示
Keep Your Voice!
読んで理解できる AIの回答を取り入れる

最終稿作成
同様の方法で AIとの対話を重ね、最終稿へと仕上げる。
第10

生徒A
書き直した文章をみて(自分の文章の入力)
生徒A
Get, gainの違いは?
Determineってどう使うの?
生徒のふりかえり

生徒振り返りより
3.1
8
23.6
35.4
44.9
63
63
0 10 20 30 40 50 60 70
とくになし
AIを使わなかった
自分の書き方のくせ
内容の深め方
英文の良い構成
文法のまちがい
よりよい表現
図1:AIとのやりとりで、気づいたこと
(複数選択可 ,n=127,単位%)

AIとの対話を通じた語彙の洗練と言語的気づき( Noticing)の例
生徒の言語的「気づき(Noticing)」の例
生徒の発話 バスケがうまくできた 時の気持ちを「嬉しい」と言いたい → I am happy.
ChatGPTの提案 “I feel proud of myself.” → 自分の気持ちにぴったりだと 感じ、語彙の適切な言い換えを獲得
生徒の振り返り 「自分が伝えたい気持ちにぴったり 当てはまっていて 助かった」
印象的な結びの表現の提案
生徒の案 I hope we can make our dream come true. Thank you for listening.
ChatGPTの提案 “See you at the checkered flag!”
生徒の感想 「自動車レース好きの自分らしい終わり方が見つかって嬉しかった」
→ 自分の関心・経験と結びついた personalized language は、
学習者自身の学習アジェンダや文化的経験に基づいて意味づけられるため、より深く内在化されやすい
(Lantolf& Thorne, 2006; Lantolfet al., 2015)。

AIとの対話を通じた構成力と概念理解 の発展
生徒D「馬に乗ることが好き →環境問題や人間との共生」
内容の深まりに関して
My dream is communicate with animals because I like horses.
動物を理解することは、動物を守ることにつながるよ
"If we understand animals, we can take better care of them.”
“Many animals lose their homes because of people.”
→環境問題や人間と動物の共生といった社会的視点の拡張
AIとの対話的やりとり が
文法の正確さだけでなく
内容の深まり
の向上にもつながることを示している。

言語的気づきを促し、主体的・自立的な学びを支援
•納得のいく表現への試行錯誤を通じて、 語彙・構文の選択理由を自覚
•「自分の表現」として伝える意識の形成
アイデアの深まりのサポート
•AIとの対話により、 好きなこと→夢→社会的視点 へと内容が発展
•段階的な質問により、 考えを掘り下げるプロセス が可視化された
「自信の獲得」と「不安の軽減」
•「何回か聞き直した」生徒は「自信がついた」と感じた割合が有意に高い
(χ²(1, N = 127) = 5.69, p< .05)
•「簡単にしてと頼んだ」生徒にも同様の傾向
(χ²(1, N = 127) = 5.40, p< .05)
•アウトプットを伴う活用(例: AIの提案 → 自分で書く → AIに再確認)を行った生徒は
「不安が減った」と感じた割合が有意に高い
(χ²(1, N = 127) = 7.08, p< .05)
1.成果 1.成果

2.課題
生成AIの表現を「自分の言葉」にするための AIリテラシーの 育成
•多くの生徒が、AIの提案を取捨選択しながら語彙・構成を再構成
•一方で、一部の生徒はAIの英文をそのまま暗記し、意図を反映できない場面も
今後必要な力:
・「これでいいのか 」と問い直す 批判的思考
・「自分が言いたいことか 」と見直す メタ認知的判断
・語彙・構文などの 基礎的知識 の土台
2.4
5.5
9.9
11.8
31.5
44.1
53.5
55.1
0 10 20 30 40 50 60
工夫しなかった
使わなかった
その他
提案をそのまま使った
自分の言葉に直した
簡単にしてと頼んだ
何度か聞いて工夫した
自分で書いて確認した
図2:AIの提案を受ける際の工夫
(複数選択可 ,n=127,単位%)
使わなかった7名
・3名は一人で作文が書けず、教員がマ
ンツーマンで支援した
・2名は欠席が多く使用しなかった
・2名は英検2級以上レベル。答えがズレ
るストレスより、自分で書いた方が早いと
判断した。(教師による FBのみで十分か
けていた)

おわりに :生成AIは「書く力」だけでなく 「考える力」を引き出すパートナー
生徒E
アーティストになりたい 、という夢に対して、非現実的かな、安定した
未来じゃないな、と感じていて、お母さんやお父さんにも何も言うこと
ができていませんでした 。
でも、自信をもってスピーチをする 、とか、ChatGPTを使って自分の
したいことや 夢を引き出す作業で、改めて自分の夢について、結構
自分本気だったんだな 、知らないうちにこんなこと 考えてたんだな 、
というのを知ることができました 。
だから、ちゃんと自分の夢を自分で受け入れて、お母さんたちにも
話してみようとも 考えました。

おわりに: 生成AIは「書く力」だけでなく「考える力」を引き出すパートナー
AI ×教師:補完的な“伴走者”としての役割
•AI:即時的・個別的な言語支援、思考の整理
•教師:気持ちや性格、個人的エピソードの 理解、人格形成・人間関係の支援
プロンプトを“育てる”視点の指導

•生徒の声を受けて改善:
「わからないことは推測せず聞いて 」
とAIにいう→質問を受けて改善
AIリテラシーを育てる共学の姿勢
•上手くいった 生徒の活用例 や
•教師自身が 切り返す実例 を共有
•「うまく使えた経験」を通して 主体的な学び方 へ
評価の再構築:
・書いたものを話すタスクでアウトプット
•プロセスを評価し、思考の深まりを可視化

ご清聴ありがとうございました。
本日の内容にご関心をお持ちいただけました
ら、
ぜひご連絡ください 。
ご一緒できる機会を楽しみにしております 。
大阪教育大学附属 池田中学校
•英語科 中田未来
Tags